母と息子の密着ぶりにびっくり。結婚を取りやめたアラフォー女性
人生で一度は結婚したい、子どもを望めるぎりぎりの年齢だからこそ早く結婚したい。動機はさまざまだが、アラフォー女性の中には本気で結婚を考えている人も少なくない。仕事でもある程度のキャリアを築いた今だからこそと思っても、うまくいくとは限らないのが「結婚」である。
彼の母親への態度がどうしても理解できなくて
結婚を視野に入れて1年ほどつきあった彼と、つい最近別れたのがセイコさん(40歳)だ。会社員の彼は4歳年上で、70代の母親と同居していた。
「知り合ったのはライブハウスです。出演者が彼と知り合いだったそうです。彼は趣味でジャズを歌っていて、私もジャズ好きなので意気投合。その日は遅くまで話し込んで、そこからつきあいが始まりました」
ふたりでジャズのライブをあちこち聴きに行った。そのうち、彼も結婚を意識するようになったらしい。
「セイコさんと一生、一緒にいたいと言ってくれた。その後、彼の家に遊びに行きました。お母さんと同居していることは知っていたけど、気さくな母親だからと彼は言っていた。ところが実際には、お母さんが彼にべったり。彼もべったり。見ていてびっくりすることだらけでした」
外で彼と会い、夕方近くに彼の家へ。セイコさんは彼に聞いて、おかあさんの好物を買っていった。家に着いて母親が出迎えてくれたとき、彼女が挨拶をしようとすると、母と息子はまずハグ。
「ただいま、おかあさん、お帰りというやりとりがあって、ようやくおかあさんが私に『いらっしゃい』って。でも、まあ、ハグする習慣の家もあるんだろうなとそこはなんとかやり過ごしたんです」
リビングに入っていくと、テーブルにはレタスのサラダが置かれていた。彼はそれを見て、「おかあさん、すごいね、おいしそうだね」とテンションが高くなった。
「いや、ただレタスをちぎっただけでしょと心の中でツッコミを入れて。すると母親は『あんたが好きだから』と。結局、おかあさんの体調がいまいちだということで、お鮨をとってくれたんですが、お吸い物は作ってあったんですよ。そうしたら彼、『体調が悪いのにごめんね、大丈夫なの?』と何度も尋ねている。どう見ても元気そうでしたけどね、おかあさん」
セイコさんは、このあたりで帰りたくなっていた。だがせっかく招かれたのだからと自分を戒めていたという。
母と一緒にお風呂に入る息子
食後、セイコさんが帰る理由を探していると、彼の母親が突然、「私、お風呂に入るね」と言い出した。彼はセイコさんに、「ごめんね、母は早寝で」と言い訳する。「あ、私も失礼しますからと言って立ち上がろうとすると、彼が『ちょっと待ってて。駅まで送るから』と。確かに彼の家、駅からわかりづらい場所なんですが、スマホで地図を見ながら行けるから大丈夫と言ったら、そんなこと言わないでと彼がすがりつくような目で見てきたんです。それでわかったと座り直したら、おかあさんが彼と一緒にバスルームへ。何か手伝うことでもあるのかしらと思っていたら、バスルームから声が聞こえてきたんです。え、もしかしたら一緒に入ってる? そう思ってこっそり見に行ったら、確かに一緒に入っていました。私、そのまま彼の家を飛び出しました」
もしかしたら背中を流していただけかもしれない。だが、それにしてもである。動けないほど体が悪いならしかたがないが、彼のおかあさんは元気に自力で歩いていたし、どこも悪そうには見えなかった。
「彼が3歳のときにおとうさんが急死して、以来、母ひとり子ひとりでがんばってきたらしいです。それはわかるけど、母と息子の間のあのウエットな雰囲気がたまらなく嫌でしたね。あげくにお風呂。どんな事情があるにせよ、あれはない。もし一緒に入りたいなら、母も息子も私が帰ってからにすればいいのに」
結局、彼の母親は自分と息子の間に他人が入ることを拒んでいるのだろう。そう思ったセイコさんは、その日のうちに彼に「もう会わない」とメッセージを送った。
「彼からは、僕はきみが好きなのにという返事が来ましたが、なんとなく予想はついていたんでしょうね。どうして、とは聞いてこなかった。今までもそれで女性からフラれてきたのかもしれない」
いずれにしても、セイコさんにとって「ムダな1年」だった。もっと早くわかっていれば、と彼女は肩を落とした。