結婚しなくてもいいって言ったのに……
タレントの中居正広さんがジャニーズ事務所退所の記者会見を開いた。その中で、結婚に関しては「1ミリもございません」と発言。以前から彼は、結婚に向いていないと折りに触れ話していた。
女性は誰でも結婚したがっていると思われがちだが、中居さんに同調する女性も少なくない。
どんなに好きでも毎日一緒にいたくない
高校時代から下宿をし、ずっとひとりで暮らしてきたエリさん(35歳)は、3年前から3歳年下の男性とつきあっている。
「私は基本的にひとりでいるのが好きなんだと思います。15歳からひとりで暮らしていましたから、家族がいる状況がよくわからないんですよね。家はひとりでいるものだと思い込んでいるところがあって」
かつてつきあっている男性を部屋に招いたとき、彼が泊まっていきたいというのを聞いて驚き、追い出してしまったこともある。
「彼のことは好きだったんです。ふたりでいちゃいちゃするのも好き。でも眠るときはひとりで眠りたいし、朝起きたら誰かがいるなんて、怖すぎます(笑)。友だちに言うと笑われるんですけどね」
だから今の彼とつきあうときも、結婚するつもりはないこと、週末ひと晩くらいならいいが旅行以外で何日も一緒にいるのは無理だと伝えた。
「つきあってからこんなはずじゃなかったと思われるのも嫌だから、最初から言っておいたんです。私の生活は“ひとり”がベースだと。ずっと同じ人といると疲れちゃうんです。たとえどんなに好きな人であっても」
彼は、自分もひとりでいるのが好きだから気持ちはわかると言ってくれた。お互いに休みがあえば外で映画を観て食事をし、そのままそれぞれの部屋に帰ることもあれば、どちらかの部屋に行くこともある。
「ただ、私が彼の部屋に行った場合は、夜中でも帰りますね。朝までいることはめったにありません。家が近いんですよ。歩いても帰れるくらい。だから一緒に朝を迎えることはほとんどない。彼が私のところに来ると、朝までいることが多いですね。朝ご飯を食べて帰っていくという感じ。週末の二日間、べったり一緒というのは私は無理なので」
彼女は大学を出てから、ずっと同じ会社に勤めている。職場での人間関係も良好、社内には尊敬する先輩も大好きな友人もいる。時間を区切って一緒にいるなら、いくらでも楽しめるのだそう。
「仕事はチームを組むよりは個人的にやる部分が大きいので、私には向いていると思います」
彼が突然、プロポーズを
そんな彼女のことをわかってくれているはずの彼が、この年明けにいきなりプロポーズをしてきた。「青天の霹靂というか。本当にびっくりしました。彼は結婚しても束縛はしない、別居のままがいいならそれでもいいって。それなら結婚する意味は何なのかと聞いたら、『エリと一緒に人生を歩んでいくという確証がほしいんだ』って。そんな、できない約束みたいなことはしたくないと直感で思いました。彼を傷つけたくないから、それは言わなかったけど」
エリさんの両親は彼女が中学生のときに離婚している。父はすぐに再婚、母は彼女が高校に合格したと同時に行方不明になった。だから彼女は遠い親戚の家に下宿し、アルバイトをしながら高校を卒業、親戚に借金して大学へ行ったのだ。
「学生時代はスナックなどで働きながら学費と生活費を稼いでいました。親戚にひとりだけ味方になってくれる叔母がいたんです。彼女は生涯独身でね、いつも『出世払いでいいわよ』とお金を貸してくれた。今も返していますよ、少しずつだけど。親の影響と独身の彼女のおかげで、今の私の偏屈な性格ができあがったのかもしれません」
彼にはそのあたりの詳細は話していなかったので、プロポーズを機に話してみた。すると彼は、「だからこそオレたちでいい家族を作ろうよ」と言った。
「超前向きな発言に脱力しました。そんな簡単な話でもないし、私にはやはり親に見捨てられたトラウマみたいなものがあると思う。家族観が歪んでいるんですよ。別に卑下しているわけではなく、客観的に考えて、私と結婚してもいい家族は作れない。そもそも私にそういう意志がないから」
エリさんは彼にそう言ったのだが、彼は「大丈夫だよ」と前向き発言を続けているという。最近は彼と一緒にいるのも疲れるため、会いたくないとデートも断っている。
「彼がなぜ気持ちを変えたのか、聞いてもわからないんです。結婚という形をとる必要があるとは思えない。でも彼は一緒に歩むために結婚したいという。どちらかが折れるしかないのか、別れるしかないのか。私もずっと考えています」
答えは出ない。彼と一度、真剣に逃げずに話し合ってみようとエリさんは覚悟を決めつつある。