【図4】ホールセール型 |
もう1つは“ADSL回線をプロバイダへ卸売り”するタイプ。“ホールセール型”と呼ばれたりもします。アッカ・ネットワークスやイー・アクセス、T-comがこれに該当します(図4)。NTT収容局の中にADSL装置や、プロバイダへ接続する回線等を用意・設置し、NTT収容局とユーザー宅の回線(これはNTTの所有物)を借り、これを自社のADSL装置に接続することで、ユーザーの回線でADSLが利用できるようにするというものです。
これらの事業者のADSL回線を利用すると、「NTT回線使用料」というのが、月額で168円もしくは176円(*3)発生しますが、これは、NTT以外の事業者が、NTT収容局とユーザー宅の回線(NTTの所有物)を使用するためです。フレッツ・ADSLでこの料金が不要なのもこういう理由のためです。
この事業者の特徴は、ADSL接続に関するサービスをプロバイダに卸売りするため、プロバイダの商品(サービス)として販売されていることです。プロバイダのADSLコースに申し込みさえすれば、ADSL回線の手配などは、提携しているADSL事業者がすべて行ってくれます。問い合わせやサポートも、すべてプロバイダのユーザーサポートで行ってくれるため、窓口が一本化できて、初心者にはうれしい仕組みになっています。ADSLに関する料金も、まとめてプロバイダから請求されるので、わかりやすいと思います。
【図5】独自プロバイダ型 |
もう1つは“ADSL回線からプロバイダまで総合的に提供”するタイプ。“独自プロバイダ型”などと呼ばれることもあります(図5)。Yahoo!BBやT-COMがこれに該当します。ADSL回線事業者でありながら、プロバイダとしてのサービスも同時に提供してしまう会社です。
ホールセール型だと、プロバイダ+ADSL回線事業者の組み合わせで、サービス内容はほぼ一緒でも複数のサービスがラインアップされてしまう場合があり、プロバイダによってはたくさんのコースが出来てしまっています。この点、独自プロバイダ型だと、プロバイダもADSL回線事業者も1つ(自社)しかありませんので非常にシンプルです。
Yahoo!BBで低料金が実現できたのも、独自性の強いキャンペーンを打ち出せたのも、こうした特徴のゆえに成し得たことかもしれません。