■ | ADSLにすると“電話代”が無くなる!? |
フレッツ・ISDNというのは、それまで従量制だった通信料(電話代)を定額制にしたということで画期的だったのですが、「定額料が高め」であるのと「通信速度が遅い」というデメリットがありました。
そこで登場したのがADSLという技術です。
ADSLは、人を輸送するというのが主な目的である飛行機の一部に郵便や貨物などを便乗させるというのと似ています。電話回線は「音声通信」が主な目的ですが、そこにパソコンのデータ(ADSL信号)を便乗(重畳)させているのです。
【図2】ADSL接続 |
図2をご覧下さい。ユーザー宅からNTT収容局までは電話回線が引かれているのですが、NTT収容局内にADSL装置を設置し、ここにユーザー宅からの電話回線を接続することで、ユーザーの回線がADSL回線になるのです。
ユーザー宅にもADSL装置(ADSLモデム)を設置すれば、いつでもNTT収容局とユーザー宅でADSL信号、すなわちデータのやりとりができるわけです。ADSL信号は常にリンクしている、すなわち“繋ぎっぱなし”の状態になっていますので、常時接続と呼ぶこともできます。ダイヤルアップとは違い、接続時間で通信料が課金されるのではなく、ADSL利用料として定額料金になっているため、どれだけ使っても料金は変わりません。ダイヤルアップのようにAPに電話をかけて接続するわけではなく、常に繋がっている状態になっているため、“電話代”としては一切請求されないのです。
たまに「ADSLにすると電話代0円」というような広告を目にしますが、厳密には「インターネットにかかる電話代(通信料)は0円だが、回線料として定額が必要」という意味ですね。もちろん、ADSLにしても、もしもしという電話をかければ、電話代が発生します。
「ADSL」は電話回線を便乗利用しているものの「音声通話」とは直接関係ないと考えて下さい。
ちなみに、ADSLのメリットは「回線料金が定額である」のと「通信速度が高速」なことです。ダイヤルアップの回線速度と比べると、300倍以上の回線速度が実現可能になりました。