女性の健康

女性ホルモンを安定させる方法・食べ物・ピルの有用性

女性ホルモンは女性の体にとって大切なホルモンの一つであり、女性ホルモンの乱れや減少が病気の原因になってしまうこともあります。女性ホルモンの意味・役割などの基礎知識から、女性ホルモンを安定させる方法や、女性ホルモンによい食べ物の有無、ピルの効果などについて解説します。

執筆者:All About 編集部

女性ホルモンを安定させる方法・食べ物とは

女性ホルモンを安定させる方法・食べ物とは


「女性ホルモン 」という言葉は、よく耳にする言葉。しかし、女性ホルモンが何かをしっかり理解できている方は多くないのではないでしょうか。女性ホルモンは体に大きく影響しており、減少してしまうと病気の原因にもなります。女性ホルモンについて知識を深めていきましょう。

<目次>  

「女性ホルモン」とは?

そもそも「女性ホルモン」とはどんな意味?

そもそも「女性ホルモン」とはどんな意味?


「ホルモン」というのは身体の中で作られ、体内の関係を調節したりコントロールしたりするはたらきがある物質です。血液で運ばれて標的の臓器に働きかけます。

身体の中を一定に保つためにはいろんなホルモンが働いています。たとえばよく知られたところで言うと「成長ホルモン」。そして、女性ホルモンとして有名なのが卵巣でつくられる「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2つです。

女性ホルモンは、脳の中にある「視床下部」と「下垂体」から出される指令を受け、卵巣からの分泌をコントロールされています。

▽参考記事
月経不順の原因にもなるホルモンバランスの崩れとは
 

女性ホルモンが少ないとどんな影響がある?

女性ホルモンが減ることで骨粗鬆症にも

女性ホルモンが減ることで骨粗鬆症にも


女性ホルモン、特にエストロゲンは様々な働きを持っています。女性が閉経後に増える病気があるのは、女性ホルモンが減る影響を大きく受けるためです。代表的なものとして以下が挙げられます。

■骨粗しょう症
女性ホルモンの持つ骨量を保つ働きが弱まるために増加

■脳梗塞、心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加
女性ホルモンの持つ血中の脂質を下げる働きが弱まるために増加

■アルツハイマー病
詳細は解明されていないが、女性ホルモン減少との関係が指摘されている

■萎縮性膣炎
女性ホルモンの減少により膣粘膜が萎縮して膣が弱くなり、すぐ出血したりひりひりしたりするようになる

▽参考記事
女性ホルモンが減るとどうなるの?

このように、女性ホルモンの減少は体に様々な影響をもたらします。それではなぜ女性ホルモンは乱れが起きたり、減ってしまったりするのでしょうか? 次の項目で解説します。
 

女性ホルモンの乱れや減少の原因

ストレスや悪い生活習慣から女性ホルモンは減少してしまいます

ストレスや悪い生活習慣から女性ホルモンは減少してしまいます


女性ホルモンの乱れや減少が起こるのは、女性ホルモンの分泌をコントロールする「視床下部」・「下垂体」と、女性ホルモンをつくる「卵巣」の連帯が上手くいかなくなり、ホルモンバランスが崩れてしまうためです。原因として、大きく以下の2つが挙げられます。

■原因1:ストレスやダイエット
女性ホルモンを分泌させる視床下部は同時に自律神経のコントロールもしているので、ストレスの影響を強く受けてしまいます。この仕組みはすごく繊細なものなのです。

例えば、「生理がくるはずだったのに、旅行中はこなかった」といった経験はありませんか? 月経リズムは本当に些細なことにでも影響されてしまいます。不規則な生活や睡眠不足、過度なダイエットなどもホルモンバランスを崩す原因になります。

■原因2:更年期
更年期は卵巣からの女性ホルモンの分泌量自体が減る過程です。

▽参考記事
月経不順の原因にもなるホルモンバランスの崩れとは

では、女性ホルモンを減少させないようにするには、どうしてらいいのでしょうか?
 

女性ホルモンを安定させるには、生活習慣から

ウォーキングなどの軽度な運動でもOK

ウォーキングなどの軽度な運動でもOK


女性ホルモン分泌の仕組みは繊細なので、不規則な生活や睡眠不足、過度なダイエットなどによって崩れてしまいます。そのため、女性ホルモンを安定させるには、日常生活をできる限り規則正しく整えることが第一です。不規則な生活を自覚している場合は、何よりもバランスの取れた食事、規則正しい生活、睡眠を心がけるようにしましょう。

とくに月経前は女性ホルモンが一気に減少するため、体が変化に対応しきれず「月経前症候群(PMS)」を起こしてしまうこともあります。対策として、有酸素運動が効果的と言われています。目安としては1週間に少なくとも3回くらい30~60分の有酸素運動をするのがオススメ。週の半ばに1回、週末に1~2回ジョギングをしたり、スポーツジムで水泳などを行うのは効果的と考えられます。天気のいい日に1時間くらい散歩をしてみる程度でもよいのです。

▽参考記事
女性ホルモンの乱れ?ホルモンバランスの崩れと整え方
 

女性ホルモンは食べ物で増やせる?

豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと同様の効果も

豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと同様の効果も


女性ホルモンは食べ物で増やせるのでしょうか? 答えは、残念ながらNoです。そのため、女性ホルモンを「減少させないように」日頃からの食生活に気をつけることが大切です。

ホルモンはコレステロールから合成されるため、材料はたっぷり体内にあります。しかし、コレステロールからホルモンを合成するためには、ビタミンやミネラルなどの手助けが必要になります。また、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、厚揚げなど)に含まれている大豆イソフラボンはエストロゲン(女性ホルモン)に似た構造を持っていて、女性ホルモンに類似した働きをしていると言われています。

ただし、これらの食材は薬ではありませんので、過度の期待は禁物です。不調をカバーできるほどの食材はありませんので、日頃から食生活を意識しましょう。

▽参考記事
女性ホルモンを維持する食生活とは?
 

ピルでも女性ホルモンの濃度を上げることは可能

ピルでも女性ホルモンの濃度を上げることが可能

ピルでも女性ホルモンの濃度を上げることが可能


ピルは、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲスノーゲン)の薬で、世界で1億人以上の人に飲まれている一般的な薬です。体内の女性ホルモンの濃度を上げて妊娠しているような状態を作り出すことで排卵が抑制され、避妊となります。

ピルは避妊目的で使用されるだけではありません。副効用(避妊以外の効果)を目的としてピルを服用している方もいます。副効用の例は次のようなものがあるといわれています。

■月経に伴うトラブルの改善
月経痛や月経量の軽減、月経不順や貧血の改善など

■ホルモンバランスの変化による効果
にきびの改善、多毛症の改善など

■排卵を抑制することによる効果
卵巣のう腫や子宮外妊娠の減少など

■長期服用による効果
良性の乳房疾患の減少、子宮体がんのリスク低下など

なお、これらの効果は必ず全ての人に見られるわけではありませんので、医師と相談の上、服用をするかどうかの選択をしていただく必要があります。

▽参考記事
月経痛の薬・ピル・経口避妊薬
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