子育て

不倫の末の結婚から8年……夫との「死別」を願うようになったワケ

結婚当初は、誰よりも大切な存在だった夫。それが年月を経て、夫の死を願うようになったいきさつとは? アラサー~アラフォーママの心の底からの本音を聞いてきました。

斎藤 貴美子

執筆者:斎藤 貴美子

子育てガイド

恋愛して、結婚して、一生添い遂げようと思っていた。でも、妊娠・出産を経て生活をともにしていくうち、ガマンが積もり、限界を突破し、いつしか「『夫が死んでくれればいいのに』と願うようになった」と語る妻たちがいます。そんな30代、40代妻(ママ)たちの心境の変化をインタビューしてみました。

トップバッターのゆみこさん(41)は、結婚8年目。現在の夫とは約6年付き合ったあと結婚し、2児をもうけ、子育てをしながら自営業で働いています。そんな彼女が「夫とは死別するのがベスト」と言い切るまでになったいきさつを聞いてみました。

 

最初は、いてくれるだけで良かったけれど 

愛情は徐々に憎しみへ。

愛情は徐々に憎しみへ

ガイド:1年間の不倫、5年の付き合いのすえ、結婚されたということですが、当時は旦那さんのことが「大好き」だったのですか?

ゆみこ:結婚前は、夫が仮に働かなくても私が稼ぐからいいし、いてくれればいい、好きなことをしてくれたらいいなとは思っていました。たぶん好きだったのですね。結婚したのは、ずっと独身だと「一癖ある人」だと思われて仕事に支障が出るかもな……という理由もありました。

私は重大なことほど深く考えられないようで、胸肉とモモ肉でどちらを買おうか迷うくせに、家を買う時は悩まない(笑)。結婚も同じでバツイチになってもいいからとりあえず結婚しておくかという感じでした。 

ガイド:いまでは「旦那さんとは死別がベスト」という結論に至ったそうですが、そのきっかけになった出来事はあるのでしょうか。

ゆみこ:旦那の浮気ですね。2人目を妊娠している時、上の子が誤って旦那のカバンの中身をひっくり返しちゃったんです。そこからコンドームが出てきて。当時、2年ほど避妊していない状況だったし、買ったばっかりのカバンだったので完全にアウトな状況なのに、問い詰めても『前から入っていた』の一点張りで認めませんでした。

それまでは浮気したらすぐ離婚だと思っていましたが、その時は子どもが小さくて大変だったし、私に証拠を見る勇気もなく、それ以上は問い詰めませんでした。でもそれ以降、夫のモラルのない言動はすべてメモしています。

ガイド:ゆみこさんはもともと子どもが欲しかったんでしょうか?

ゆみこ:私はどちらでもよいと思っていたのですが、旦那が欲しがっていました。でも『子どもが生まれたら独身時代のような生活は無理だから、家事育児をきちんと分担すること』と取り決めたにもかかわらず、まったく守られていません……。

私は妊娠が分かった時に、『今後20年は子どものために人生を犠牲にしてもいい』と覚悟を決めたくらいなのに。仮にお腹の子が男の子だった場合、その子が高校生になって彼女を妊娠させるようなことがあったら、一緒に土下座しにいくという想像までしていました(笑)。夫は口だけでしたね。
 

離婚より死別がいいワケ

ガイド:夫のモラルのないチリツモ言動が、「死別がベスト」と思わせるまでになったのですか?

ゆみこ:自分が犯罪に手を染めて『殺したい』と思っているわけではもちろんありません。逆に日常生活では、彼のためにつくしているくらいです。例えば食事では、旦那用のおかずは子どもたち用のおかずとは別にして毎食合計6品くらい作っています。

『死別が一番いい』というのは、夫婦の別れ方において一番すんなりいくから。離婚すると周りから『子どもがかわいそう』と言われたり、今後も子ども関係で連絡を取ったり、養育費でモメたりしそう。でも死別なら子どもはパパがもういないと諦めがつくし、保険金も出るし、いいことしかないなと思ってしまいます。

ガイド:本当に旦那さんが死んでしまってもいいと思っているのですか?

ゆみこ:思います。今、旦那はシフト制で働いていて、旦那が休みの日に私が長時間仕事をしている、旦那のスケジュールありきで私が合わせて働いています。私が同じ時間働いたら、旦那くらいの稼ぎにはなるので、子どもたちを養っていく自信はあります。

ガイド:先ほど、「旦那さん用と子ども用のおかずは別にして6品作っている」とのことでしたが、死んでもいい夫になぜわざわざおかずを別に作ってあげるのでしょう?

ゆみこ:つけこまれる隙を与えたくないからです。妻として最善を尽くしてこちらに非がないようにしたいんです。

ガイド:何のために、つけこまれたくないのでしょうか?

ゆみこ:『死んでくれればいいのにな』と思っていますが、たぶんこのままいったら旦那は若いうちには死なないと思うんですよ(笑)。そうなると熟年離婚が現実的ですよね。私が離婚を切り出した時にもめないようにするため、『あなたにはこんなに非があったけど、私にはない』と言いたいし、『うちの奥さん、実はこんなに大変なことをやってたのか』とショックを味わってもらうためだと思います。

 

心に起きている「ねじれ」 

「旦那がいなくなっても私はそんなに困らないけど、旦那は家事育児をやってこなかったから私が死んだら困ると思う」と語っていたゆみこさん。独身時代から生活を変えようとしない夫への不公平感と浮気疑惑が恨みに変わり、それが原動力となって非のない妻であることを自分に課すような「ねじれ」が発生しています。

経済力に不安がないゆみこさんにとって、夫は人生から排除すべきターゲットであると同時に発奮材料にもなっているという背反的な状態。張り合いはあると思いますが、誰のための、何のための結婚生活なのかを考えさせられました。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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