■伝送損失の調べ方
今まで何度も出てきた「伝送損失」ですが、これは回線毎にことなるもので、NTTがデータをサイト上で公開しており、誰でも無料で調べることができます。ただ、このデータも計算値なので、実際の値と多少のズレがあります。実際の値よりも高めに計算されているという情報もある一方、屋内配線の状態や配線の工事方法などによっても異なるため、実際はもっと高い場合もあります。伝送損失が高くなればなるほど、信号が劣化するため、ADSLの速度は遅くなります。距離よ大事ですが、それ以上に伝送損失の方が回線速度に影響すると考えて良いでしょう。
<<伝送損失を調べるサイト>>
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■付加サービスも検討しよう
ADSLを選ぶ際、プロバイダー毎に付加サービスが異なるため、これらも検討材料に入れる必要があるでしょう。
プロバイダーの中には、最大54MbpsのIEEE802.11gという次世代無線LANが月額数百円でレンタルできたり、メールアドレスを無料で追加できたり、ウイルスチェックを無料でしてくれるところもあり、それぞれに特徴があります。公衆無線LANやAirH"、@FreeDなど外でインターネット接続したい場合などは、それらのサービスが利用できるかどうかチェックする必要があるでしょう。
パソコンでメールをやりとりするなら、ウイルスチェックは不可欠。有料でウイルスチェックサービスが受けられるプロバイダーもありますが、ウイルスチェックソフトに年数千円払うことを考えれば、プロバイダーのサービスを選択した方がお得かもしれません。
■低速サービスはねらい目!?
高速化競争が激化しているADSL業界ですが、そんな中、1Mタイプのような比較的低速のADSLも新たに登場してきています。
「回線速度はなるべく速い方が良い」と思っている人が多いようですが、必ずしもそうとは言えません。仮に、NTT収容局までの距離が短かく伝送損失が少ない環境で、ADSL回線自体の速度は速くても、利用するプロバイダーのネットワークが混雑していたり、接続先のサーバー(ホームページ)が混雑していたりしたら、極端に速度が低下してしまうのです。制限速度100km/hの高速道路が、お盆の時期等に大渋滞して一般道よりも遅くなってしまうのと同様です。
インターネットの利用が集中する夜中の0時前後に、サイトの表示速度が遅くなるのは、そういう理由からです。これでは、いくらADSL回線が速くても意味がありません。
また、利用しているパソコンやLANカードも速度低下の原因になります。何年か前のパソコンを利用している人は、パソコンが原因で速度が極端に低下することもあるの要注意です。
■利用用途や目的で選ぶべし!
12Mサービスに加入したら5Mbpsで、1Mサービスに加入したら700kbpsで実際にインターネットに接続できるとしましょう。そこで質問です。
「あなたは5Mbpsでなければ困りますか?」
「700kbpsでは支障がありますか?」
8Mサービスを12Mサービス変更しても、平均して1Mbps程度しか速度は速くならないと言われています。4Mbpsが5Mbpsになったとして、何かメリットがあるでしょうか?
ちなみに、普通にネットサーフィンする(ホームページを見る)だけならば、700kbpsでも十分だと思います。IP電話を使うときでも300kbps以上出ていれば十分です。
自宅でサーバーを設置したり、大きなファイルの送受信をしたり、インターネット経由で映像を見たりということを頻繁にする場合や、複数のコンピューターで同時にインターネットを利用する等の場合はともかく、普通にメールやネットサーフィンをする位ならば、1Mbpsも出れば全く支障はないと言えます。
不要なサービスに、月150円(年1800円)、月1380円(年1万6560円)も支払う理由はないのです。
モデムをレンタルにすれば、1Mサービスに不満が出て、より速いサービスに変更する場合も、たいした出費はありません。とりあえず1Mや1.5M等の低速サービスを利用するというのも堅実な方法です。
広告や見た目の速度に惑わされず、自分の環境や利用用途にあったサービスを選び、少しでもお得にブロードバンドを満喫して下さい!
注)ADSLの料金は、電話共用型の場合の料金です。
関連サイト: | ◆『bpsって何のこと?』 (ガイド記事) |
◆『LANカードが速度低下の原因に!?』 (ガイド記事) | |
◆『ADSLはマシンでこんなに遅くなる』 (ガイド記事) |