亀山早苗の恋愛コラム

30代、適齢期の彼女たちの「結婚」を阻むものとは

お互いに結婚の意志があるのに、周りの状況を考えると結婚できないということがある。日本では、今でも結婚が個人だけの問題ではないのだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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なぜ、彼女たちは「結婚」できなかったのか

結婚のタイミング

お互いに結婚の意志があるのに、周りの状況を考えると結婚できないということがある。日本では、今でも結婚が個人だけの問題ではないのだ。

 

彼の母親から「時期がふさわしくない」と言われて……ユキさんの場合

3年つきあっていて結婚するつもりなのに、「なぜか状況が許さないと言われて、いまだに結婚できないんです」と、ユキさん(32歳)は言う。

状況が許さないと言っているのは彼の両親、特に母親だ。

「結婚に反対しているわけではないんです。だけど1年くらい前に結婚話をしたときは、彼の母方の祖母が病気だからという理由で、そしてその後は彼の父親ががんになったことで渋るようになった」

とはいえ誰かが闘病していることで結婚できないなら、この先、祖父や父方の祖父母も年をとっていくばかり。いつまでたっても結婚できないということになってしまう。

「彼のおかあさんは、おそらく私のことがそれほど好きではないんでしょうね。といって明確に私が嫌いだとはいえない。そうしたら息子の気持ちが離れていくのもわかっている。だから反対して延期させようとしているんだと思います」

実は彼は3歳年下。だからまだ結婚しなくても、彼自身も焦りはない。しかし、彼はユキさんを気遣って届けだけ出してしまおうと言ったこともある。

「私もそのつもりになって婚姻届を書いたんです。でもいざとなったら、やはり彼が決断できなくて」

実家暮らしだったユキさんは半年ほど前、家を出てひとりで生活を始めた。彼が立ち寄りやすいように、週末は一緒に過ごせるようにと考えたのだ。

「今では半同棲という形です。よく泊まってもいきます。でも彼、そうなったらかえって安心してしまったのか、結婚についてあまり触れなくなった。彼のおかあさんも、結婚を決めてしまうよりこの不安定な状態のほうがいいと思ったんでしょうか。何も言わなくなったみたいです」

不安定な状態で固定してしまった妙な関係に、ユキさんは少しずつ疲れてきている。だが、ここでギブアップしたら「負け」を認めてしまうことになる。少しずつ彼にプレッシャーを与えながら結婚の方向に舵を切りたいと思っているそうだ。

 

「今はまだ結婚できない」と思ってしまった……ユカリさんの場合

本人たちが結婚できないと思い込んでいることもある。ユカリさん(35歳)だ。30歳のころつきあっていた彼にプロポーズされたのだが、「今、結婚すると仕事に差し支える」と思い込んでいた。

「当時、ちょうどキャリアアップできるかどうかの瀬戸際にいるような気がしていたんですね。このまま結婚したらきっと私はダメになると思ってしまって。彼が『家事は僕がやるから』と言ってくれたのに……。家庭をもつのは、やはり新しい生活のスタートだし、仕事や会社での立場が気になっていた身としては、もっと仕事で達成感を持ってからでないと結婚したことを後悔すると思い込んでいました」

実家が遠く、いざというときサポート体制がないことも「結婚できない」気持ちに拍車をかけた。

「今思えば、それでも結婚したい、彼と一緒にいたいと思えなかったのは情熱がなかったのかもしれません。彼のような人と結婚したらきっと幸せになれたのに、どうしてあのとき、結婚できないと思い込んでしまったのか」

仕事か結婚かという時代ではない。どちらも手にして幸せを追求していくことはできるはずだ。どちらも全力で完璧にしなければいけないと思うと、ユカリさんのように二の足を踏むこともあるだろう。

「彼のことは大好きだったんです。だからこそ彼に不自由な思いをさせたくなかった。だけど結婚して家庭が大事になればなるほど仕事がおろそかになる。仕事を必死でやったら彼に迷惑がかかる。もっと柔軟に考えればよかったのに」

柔軟になれないのが「若さ」なのかもしれない。だが、自分の幸せや自分の欲求をあきらめてはいけないのではないだろうか。やるだけやった後悔のほうが、やらなかった後悔よりきっと浅い。
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