「パルス回線」という言い方はあまりしません。というのは、黒電話しか無かった頃は、これしかなかったからで、アナログ回線の基本型ともいえるものです。
今では見ることさえなくなりましたが『黒電話』を思い出してください。黒電話は、ダイヤルするたびに、ジジジジジという音が出ていたのを知っていますか? この音のことを「パルス」と呼んでいます。この音が何回でるかによって、NTTの交換機が、どの数字がダイヤルされたかを認識するのです。実は、今でもアナログ回線は基本的にこの方法で電話をかけているのです!
現在の電話は黒電話のようなかけ方ではなく、1・2・3などのボタンを押してかける「プッシュ型」の電話機がほとんどです。これらのプッシュ型電話機の多くは、「パルス型」で発信できるのです。すなわち、ボタンを押すと、電話機がジジジジジという音を発信しているのです。ほとんどの電話機ではこの音は、かけている人には聞こえません。ボタンを押してから、呼び出し音が鳴るまで10秒程度無音状態が続くなら、あなたの回線はアナログ回線のパルス回線です。
■プッシュ回線とは?
プッシュ回線とは、プッシュ型電話機の数字ボタンを押したときにでるピ・ポ・パ音(これを「トーン」「トーン信号」と呼びます)で発信できる回線のことです。本来ならば、ジジジというパルス音でしか発信できないところを、NTT側の交換機の設定を変えることで、トーン信号で発信できる(電話をかける)ようにしたものです。プッシュ回線にするには工事費(2,000円)がかかり、基本料金とは別に月額使用料(390円)が必要です。
プッシュ回線にするメリットは、ボタンを押すとすぐに発信される(呼び出し音が鳴る)ことです。パルス回線だとボタンを押してから10秒ほど経ってから呼び出し音が聞こえるのは前述の通りです。
■電話サービスはプッシュ回線でなくてはダメ?
電話を使ったサービスの一部に「プッシュ回線で利用して下さい」と書かれたものがあります。電話をかけて相手と繋がった状態で、電話機の数字ボタンを押すことによって操作ができるサービスで、チケットの予約や、銀行口座の照会などによく利用されています。
実は、これらのほとんどは、必ずしも「プッシュ回線」である必要はなく、「トーン信号」が出る電話機を利用すれば、パルス回線でも利用できるのです。(プッシュ回線でないと利用できないサービスもまれに存在します。予め確認をしてから回線種別を変更してください。)
パルス回線を使っていて、電話機をパルス回線用に設定してしまうと、相手と繋がった状態で、電話機の数字ボタンを押すとピ・ポ・パというトーン信号ではなく、ジジジジジというパルス信号が出てしまいます。電話サービスはトーン信号で入力を認識しているため、パルス信号は認識しないのです。
それゆえ、パルス回線を使っている場合、電話サービスを利用する前に「トーン信号」を発信できるようにする必要があります。
パルス回線とトーン回線の切り替えができる電話機(ほとんどの電話機で可能)ならば、「トーン信号」を発信する機能がついています。これは、回線の切り替えをする機能とは別に、パルス回線でトーン信号を使った電話サービスを一時的に利用するための機能としてついています。トーン信号を発信するための切り替え方法は至って簡単で、通常は*や#または「トーン」と書かれたボタンを押すことで切り替わるものが多いようです。詳しくは電話機の取扱説明書をご覧下さい。
まれに、電話サービスを利用するだけのために、プッシュ回線をつけている人がいますが、非常にもったいないですね。月390円ということは年間4,680円、5年で23,400円です。パルス回線でも利用できるサービスならば、今すぐプッシュ回線を解約して節約しましょう!
アナログ回線について少し詳しく説明しましたが、おわかり頂けましたでしょうか? 次回はアナログ回線を利用している場合のインターネット接続方法について説明したいと思います。少しづつゆっくりと勉強してみてくださいネ! この記事に関するご質問は掲示板までお願いします。(掲示板には匿名で書けますから、安心してご利用下さい!)
関連サイト: | ◆『電話回線どんな種類がある?vol1』(ガイド記事) |
◆『自分が使っている電話回線は何?』(ガイド記事) |