■ISDNユーザーは全額無料にならない
アナログユーザーの場合全額無料になるのに対して、ISDNユーザーがADSLを申し込む場合、全額無料にはなりません。
具体的に例を出してお話ししましょう。ISDNユーザーがADSLを導入する場合(INSネット64、お客様工事、NTT局内工事だけのケース)、NTT東日本のホームページによると以下の費用が必要になります。
INSネット64→ADSLにするときの費用
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契約料(加入電話)
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800円
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契約料(フレッツ・ADSL)
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800円
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基本工事費
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1,000円
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交換機等工事費(加入電話)
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2,000円
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交換機等工事費(フレッツ・ADSL)
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1,200円
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合計
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5,800円
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このうち無料になるのはフレッツ・ADSLに関する契約料と交換機等工事費の合計2,000円です。アナログユーザーよりも費用がかかるのに、無料になる金額が低いのはなぜなのでしょうか?
しかも、ADSL回線がリンクしなかった場合に、ISDN回線に戻したいとなると、別途、契約料(INS64)800円と交換機等工事費(INS64)2,000円がかかり、無料分を差し引いても、合計6,600円はユーザーが支払わなければいけないのです!
ISDN→ADSL工事をしてリンクが確立しなかった場合の費用
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注)
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お客様工事、NTT局内工事のみ、電話共用型の場合で、申込み前の状態(ISDN回線)に戻した場合 |
※ | 申込み前の状態(IDSN回線)に戻すための費用。アナログ回線のままで良い場合はこの費用は必要ありません。 |
■なんと!工事費が値上げされていた!
ISDNユーザーの待遇に関する謎は後述するとして、実は、今回の「工事費無料」を謳った工事費見直しには「工事費値上げ」の事実が隠されていたのです!
今回のADSL不成功時の工事費を無料にするために、200~250円工事費を値上げしているのです。この値上げの根拠をNTT西日本の広報に訪ねてみると「安心料のようなもの」との返答。「今まではADSLの導入工事をしてリンクが確立しない場合でも工事費が請求されたわけだが、今後はそういう心配をすることなく安心してADSLに申し込める」ためのものなのだそうです。
ここで1つ不満なのは、不成功時の工事費を無料にするための経費を、ADSLユーザーから新たに徴収するという考え方。失敗時の工事費を無料にするとはいっても、その費用をNTTが負担するわけではなく、成功したユーザーの工事費を値上げすることで補填するというカラクリがあったのですね。