亀山早苗の恋愛コラム

変わる離婚感!? 「離婚」を前向きにとらえ始めた女性たち

「離婚」を前向きにとらえ始めた女性たちの話です。自分の気持ちに執着しない、相手にも執着しない、結婚という制度にも執着しない。これはなかなかできることではない。だが、一部の女性たちにとって「離婚」は、不幸なことではなく、新たな人生のスタートなのだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「離婚」で人生を前向きに再スタートできた女性たちも

「離婚」を前向きにとらえ始めた女性たち

「離婚」を前向きにとらえ始めた女性たち

離婚をきっかけに、新しい道を歩む女性たちにたくさんの幸運が舞い降りるに違いない。こういった言葉を見ると、「離婚」が一昔前とはまったく違う位置づけをされているような気がしてならない。
 

夫の不倫……そこから彼女が「離婚」を選択し「自由」になれた

自分の気持ちに執着しない、相手にも執着しない、結婚という制度にも執着しない。これはなかなかできることではない。形だけでも結婚という枠にとどまっていたいと思う人も少なくないだろう。

だが、時代は着実に変わり、人の意識も変わった。一部の女性たちにとって「離婚」は、不幸なことではなく、新たな人生のスタートなのだ。

法的に相手に非があろうとも、さらりと手放して自らも自由になる女性もいる。

「私の場合、夫に好きな人ができて離婚したい、と。最初は戸惑ったし、見捨てられた不安や私は女として価値がないのかと苦しんだ。でも、結婚してから人を好きになることはある。夫は自分自身にも妻である私にもウソをつかなかった。それなら私も彼の思いを遂げるために別れよう、そうすれば彼は楽になれるのだから、と思いました。悔しかったけど、結婚生活を続けても、彼の気持ちは私から離れるだけ。それなら彼といい友だちでいられるような関係のまま別れたほうがいい。だってせっかく縁があった人なのだから」

穏やかな笑みを浮かべながら、レイカさん(40歳)は言う。12年間の結婚生活で、10歳のひとり娘をさずかった。娘にはまだむずかしいかもしれないと思いつつ、夫も彼女も、正直に娘に伝えた。

「ママのことは大好きだけど、パパは別の女の人と生活することを決意した。それによって娘であるあなたには影響がないよう、これからもパパとママはちゃんと見てるから。そしてパパもママも、世界でいちばんあなたが大事だから。そうやって何度も伝えました。大人の気持ちにはいろいろな種類がある、ということも。娘はかなり理解してくれたような気がします」

子どもがいる場合は細心の注意が必要だが、レイカさんも夫も言葉を尽くして時間をかけた。
 

元夫の恋人までも協力体制 大人たちが「大人」な対応ができると……

日本ではまだ珍しいことだが、レイカさんの元夫の恋人も、娘に会ってくれたという。

「パパの新しい彼女。この人はパパをとった人ではなく、パパがこの人を選択した。でもこの彼女も、あなたのことは大事に思ってるということを話してもらいました。大人が湿っぽくならず、淡々と、でも愛情をもって話せば子どもはわかるんだなあと思いましたね。元夫の彼女もいい人で、時間がなかったらいつでも娘ちゃんのめんどうをみますからと言ってくれた。元夫と私だけの閉塞的な関係から、むしろ風が変わったような気がしましたね」

レイカさんと娘、元夫と彼女は歩いて5分ほどのところに住んでいる。誰もが大人の対応をすれば、こうした関係を築いていける。

「私は再婚するつもりはありませんが、恋人ができたら娘を元夫に預けてデートできるかなと思うと楽しくなります。もちろん、娘の気持ちも変化するでしょうから気をつけていかなといけないけど」

少なくとも、大人同士の間では恨みつらみの負の感情はまったく動いていないという。彼女がレイカさんに謝るようなこともなかった。

「彼女がごく普通に接してくれたのがうれしかったですね。気持ちが変わったのは元夫ですから、彼は私に謝りましたよ。だからそれでじゅうぶん。彼女に謝られたら、私はもっとみじめな気持ちになったと思う」

女性たちはこうやって、結婚への意識も変えつつある。やはり常に潔く、時代を開いていくのは女性たちなのかもしれない。

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