亀山早苗の恋愛コラム

LINEで別れを告げられた、32歳独女のプライド

今どきはつきあっている恋人同士でも、LINEで別れを告げることが多いらしい。しかも結婚を考えていた相手なのに。顔を見て話さないと、相手の真意は伝わってこない。フラれたほうは、自分の何がいけなかったのかと悶々と考えてしまうことになりそうだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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LINEで別れを告げる男、プライドが許さない女

LINEで別れ話

今どきはつきあっている恋人同士でも、LINEで別れを告げることが多いらしい。しかも結婚を考えていた相手なのに。顔を見て話さないと、相手の真意は伝わってこない。フラれたほうは、自分の何がいけなかったのかと悶々と考えてしまうことになりそうだ。

 

 

つきあって3カ月、いきなり「もう会わないほうがいいかも」

キョウコさん(32歳)が、婚活サイトに登録したのは6カ月ほど前。すぐに気になる人と会うことができ、それから3カ月ほどは友人として食事をしたり飲みに行ったりした。

そして彼から、「結婚を前提につきあってください」という言葉があり、彼女はもちろん受け入れた。

「舞い上がるように恋に落ちたわけではないんです。婚活サイトですから。でも相手が結婚を前提にと言ってくれたのは、私を結婚相手と考えたということ。それはうれしかったですね」

彼は5歳年上の37歳。名の知れた私大を出て有名企業に勤めていた。経済的に安定しているし、自分が甘えても受け止めてくれると彼女は安心していたという。

「つきあいは順調でした。お互いに仕事は忙しかったけど、それでも毎日連絡をとりあって、週末はほとんど彼の家で過ごしていました。彼が『どうしても会いたい』と言って、夜中に車を飛ばしてくることもあったので、愛されていると実感していたんです」

2カ月ほどたつころには、彼の恋心はかなり燃え上がっていたようだ。部屋に彼女の着替えをもってきて置けばいいとか、早く結婚したいとか言うようになった。ただ、キョウコさんとしては、あと1カ月くらいはつきあって様子を見たいと思っていた。

「つきあって3カ月近くたったときです。毎日あった連絡が途絶えて4日くらいたち、いきなり『もう会わないほうがいいかも』とLINEが来た。意味がわかりませんよ」

最後に会ったとき、彼は帰ろうとする彼女をひきとめ、「大好きだよ」と抱きしめた。それなのにそこから4日間、連絡がなくなり、そのまま別れの宣告。確かに彼女にとっては何があったのかわからなかっただろう。

 

二股をかけられていたのか、何か気に入らなかったのか

焦ったキョウコさんは、「他に好きな人ができたの?」と返事をしたが、それについては既読すらつかずスルーされた。

「最後に彼に抱きしめられたとき、彼と同じテンションで『大好き』となぜか言えなかったんですよね、私。彼はそんな私の気持ちを感じ取ったのか、あるいは本当に二股をかけられていたのか……。彼のほうが私への気持ちが強いと思っていたので、私からはあまり愛情表現をしなかったけど、それがいけなかったのか。彼の家に行ったときは彼がほとんど料理を作ってくれたんですが、それが不満だったのか」

彼女は過去を思い出しながら、あれがいけなかったのか、これがよくなかったのかと自問を繰り返した。だが、結局は、彼の気持ちをどんなに忖度しようとわかるものではない。

「そのうち考えることに疲れてしまって。だけどだんだんわかってきたんですよね。確かに私、彼のようなテンションで恋にのめりこむことはできなかった。それだけ私が彼のことを好きではなかったんだと思う。それなのに会わないほうがいいと言われて、どうしてこれほど腹が立つのか。それは、別れを言うのは私からだったはずだから」

彼は彼女の低めのテンションに傷ついたのかもしれない。自分のほうがより愛情を傾けていることに気づき、目が覚めてしまったのかもしれない。連絡をとらなかった空白の4日間で、彼はいろいろ考えたことだろう。

「会わないほうがいいかもしれない」
 

 

私はフラれる側ではなく、フル側だったはず⁉

そんなふうに曖昧な言い方をすれば、彼女がすがりついてくれると思ったのだろうか。だが、彼女が本当に腹を立てているのは、「私はフラれる側ではなく、フル側だったはず」ということだ。女性には女性のプライドというものがある。のめり込むほど好きではなかった相手であっても、フラれることが許せないのだ。

「しかもLINEで別れ話をする男なんています? こういう大事なことはせめて電話で匂わせて、実際に会ってきちんと話すのが礼儀だと思うんですよね。人並みに恋愛してきたつもりだけど、こんな男に会ったのは初めてです」

キョウコさんの怒りは止まらない。恋を失ったことが悲しいというより、やはりフラれたこと、そのフラれ方にプライドを傷つけられたのだろう。

彼女は周りの友人たちに「仕返ししてやりなさいよ」と焚きつけられている。めんどうだと言いつつ、このまま物わかりよく引き下がる気にもなれず、どうしたらいいものかと真剣に考えているようだ。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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