近年のきょうだい事情 とは

ひとりっこが年々増えています。

ひとりっ子が年々増えています

少子化傾向が続いている現在、子どものきょうだい事情をご存じですか?「少子化=ひとりっ子が多い」というイメージがあるかもしれませんが、国立社会保障・人口問題研究所の第15回出生動向基本調査報告(平成28年)によると実は2人きょうだいが一番多いんです。

この調査は、同研究所によってほぼ5年ごと国内の結婚、出産、子育ての現状についてかなり詳しく報告されています。

例えばその一項目に、夫婦(妻)が「想定していたより、きょうだい数が減ってしまった」理由というものがあるのですが、その第1位は、「子どもにお金がかかりすぎるから」。過去の調査をさかのぼってみてみると、なんとバブル前もそのあとも、37年前から同じ理由で「産めない」と女性たちは訴えているのです。
 

では実際に私の周りのアラフォーママはどう考えているのか。ひとりっ子のママたちに、ガッツリ踏み込んだ質問をぶつけてみました。「なぜ、子どもはひとりっ子に?」。

望む・望まないにかかわらず「2人目を生まない理由」とは? 出てきた理由は以下の4つでした。

 
  1. 夫の育児協力が得られない、ワンオペ育児だったから
  2. 1人目育児がつらすぎた……大変な生活に戻りたくない
  3. 妊活してみたけれど授からなかった
  4. 「家族計画」をせず、自然に任せた結果

今回はそのひとつである、「夫の育児協力が得られない、ワンオペ育児だったから」というケースをお伝えします。 
 

夫の育児参加が得られないから、産めなかった 

夫からの冷たい言葉に、子どもが欲しいという思いは急激に冷めていきます。

夫からの冷たい言葉に、子どもが欲しいという思いは急激に冷めていきます

都内在住、共働きのA子さん(37)が2人目をあきらめた理由はズバリ、夫の育児不参加。30代のうちに2人目を生んでおきたかったといいますが……詳しいお話を伺いました。
 
「2人目が欲しかった理由は、私自身も2人きょうだいで育ったので、子どもにきょうだいを作ってあげたかったから。子どもが4歳くらいになると育児が楽になって余裕が生まれたので、赤ちゃんが恋しくなったというのもあります。夫も2人目をとても欲しがっていました」。
 
A子さん夫妻は1年くらい子づくりを続けて妊娠。しかし不幸にも流産となってしまいました。
「夫は2人目を欲しがっていたわりに、したことは種付けのみ。2人目が生まれてからの生活のこと、流産した後の私の身体とメンタルのことなどすべてに無頓着でした。流産の処理の通院も一人でして、夫はまったく支えにならなくて……。気持ちがだんだん冷めていきました」。
 
現在、時短で就業しているA子さんは、日々のオペレーションにも不安があったといいます。
「2人の子を育てているママ友を見たり、話を聞いていると、子ども1人を育てるのと、2人を育てるのは大変さが違うのだと痛感しましたね。子ども1人ならなんとかワンオペでもできたけど、2人となると絶対に無理。私が仕事を続けるためにも、夫の育児協力は必要であることを相談しました」。
 
しかし、A子さんの願いは夫に届きません。「『俺はこれまでの生活を変えるつもりはない。』と言われました。いま夫が子どもにしていることといえば、保育園の送りと休日の遊び相手くらいで、遊びも3歳を過ぎたあたりから。家にいるときは、子どもをお風呂に入れてくれることもありますが、1番手のかかる時期のオムツ換えやミルクのお世話、家事はすべて私。第2子が生まれたら、またそうなるのかと思うと憂鬱になりました」。
 
2人目の子どもは欲しいけれど、今以上の育児はしたくない。身勝手に思える夫へ、A子さんは「育児を手伝ってもらわないと、2人目の子どもを生めない」と漏らしました。すると夫からは決定打となるひとことが返ってきました。
 
「『俺は子供が欲しいのに勝手に無理だと決めないで。みんな(保育園のママ友)は普通に産んでるでしょ』と。夫は、2人の子どもをワンオペで育てているママ友たちが、どんなにボロボロになっているかを知らないんです。びっくりすることに、自分はイクメンだと思い込んでいて育児は余裕だと勘違いしている……もうこの人との子どもは無理だなって思いました」。
 

妻と夫のかけ離れた温度差 

妻と夫では育児生活の温度差がまったく違うことがあります。

妻と夫では育児生活の温度差がまったく違うことがあります

育児について各所でヒアリングをしていると、妻と夫の間に驚くほど温度差があるケースに遭遇します。今回のA子さんの場合もまさにそれで、「子どもが誕生した生活」に対して「ワンオペ家事・育児・仕事で辛かった妻」と「まるなげ家事・ちょっぴり育児で、楽しかった夫」は「正反対の感想」を持っています。
 
根本には、夫の「育児家事への無理解」があり、結婚しても子どもができても、独身時代と生活を変えない男性に多くみられます。すでに化石のように固まってしまった生活の価値観を夫婦すり合わせのもと再構築するには、妻側に莫大なエネルギーがいることが想像されます。妻は、家事育児と仕事をこなしながら、そのエネルギーをねん出することは無理だと判断し、あきらめていくという構図です。

少し古い情報ですが、52.9%(下図)の夫婦は、子の祖母から日常的に育児協力を得ているというデータがあります。祖母の育児協力を得られる夫婦であれば、夫の育児不参加にもあきらめがつくかもしれません。でも首都圏では祖母が協力できないケースも多いと推測され、夫の育児理解が2人目へのカギを握ります。
 
あ

第 15 回出生動向基本調査より


A子さんは最後に「協力的な夫ならもうひとり欲しかった」と言っていました。夫も2人目の子どもが欲しいなら、もっと家庭に関わり、自らの生活や価値観を家族に寄り添う形に変えていくことが自然ではないでしょうか。
 
子どもはモノではなく、人。ひとたび増えれば一生家族。パートナーとして夫とチーム育児ができるかどうかで、子どもの人数が決まることもあるのです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。