妊活前のピル使用、妊活への影響は?

クリニックで相談する女性のイメージ

「ピルを長く飲んでいたのですが、妊活に悪い影響はないでしょうか?」 ピルの服薬経験とピルをやめることに不安を感じられる方は少なくありません

私が担当している不妊治療専門クリニックの漢方外来では、それまでピルを服用してきた方からのご相談もよくいただきます。妊活のためにピルを中止する上で、様々な疑問や不安を感じられるようです。

「ピルをやめたら、また重い月経痛やPMSに悩まされないか憂鬱です」
「ピルを長く服用していたので、生理の量が驚くほど減ってとても楽だったのですが、私の子宮内膜はペラペラになっていたりしませんか? 妊娠に問題はないのでしょうか?」
等、いただく質問は様々です。

ピル服用によって月経をコントロールしてきたことで、ピルをやめた後に起こる体の変化(不調の再開)や、妊活への影響について不安を覚えてのご質問が多いと感じます。妊活に向けての体作りに取り組むために、正しい知識で、ピルの中断から妊活スタートまでの不安を取り除きましょう。
 

ピル服用経験は妊活にプラス? 月経を軽くしても不妊症にはならない

ピル服用の目的は、月経対策や避妊、また、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などに伴う月経困難症の治療の目的など様々です。特に、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症は、不妊症の原因になることもあります。ピルを服薬することで月経痛などが緩和できるだけでなく、これらの疾患の進行を食い止めたり、進行を抑えることができます。子宮に関わる疾患があり、すぐに妊娠・出産の希望がない場合には、ピルの服用は将来の妊活上もメリットが大きいと言えるでしょう。それでも、「ピルを長期間服用していたら、妊娠しづらくなるのではないか……」というご相談は少なくありません。
 
実際のデータでは、ピルの服用を中止すれば、半年以内には99%の方の排卵が再開し、妊活をスタートさせることができています。それまで月経が軽くなっていたとしても、排卵や子宮の力が衰えてしまうということはありませんので、過剰に不安になる必要はありません。

ただ、ピルを止めてから排卵が再開するのは、翌月の方もいれば、3ヶ月から半年程度かかる方もいます。妊娠を希望する時期から逆算して中断時期を考えておく方が良いでしょう。
 

不妊でピル服用について悩まれている方へ、漢方薬剤師の視点からのアドバイス

また、ピルの服用が不妊の原因になることはないとわかっても、ピルによって改善していた不調が再発することへの不安は、どうしても消えないことが多いようです。ピル以外の対処法は様々ですが、漢方を活用した体質改善が役立つこともあります。
 
漢方では、子宮筋腫や、内膜症、腺筋症になりやすい体質として、
  • 瘀血(おけつ)……血流が悪い状態
  • 気滞瘀血(きたいおけつ)……生命エネルギーである気の巡りが悪くなり、血流が悪くなった状態)
  • 寒性凝滞(かんせいぎょうたい)……寒さの影響で、気血(生命エネルギーである気、と、体内の栄養素としての血)の流れが悪くなった状態
などが該当すると考えられています。つまり、自分の不調の原因になっているこれらの体質を改善させることで、月経困難症を緩和すると同時に排卵もスムーズにできる可能性があるということです。不妊治療中に内膜がうまく成長しない場合は、血を補う「補血作用」のある漢方の服用が効果的な場合もあります。
 

ピル、漢方薬など選択肢はさまざま……うまく活用して、自分の体のケアを

妊活前は、ピルによってホルモンバランスを整え、子宮の環境を良い状態に保つことは、将来の妊娠に向けてのメリットがあります。ピルにはいくつかの種類がありますので、飲みたいのに身体に合わないと感じた場合は、医師・薬剤師に相談しながら、自分に合うものを合う方法で取り入れていくことが、女性の体を守ることにも繋がると感じます。
 
低用量ピルや、漢方など、様々な選択肢をうまく活用して、ご自身にあった方法で、体のケアができると良いですね。
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