第9位 怖さを楽しみつつ、生物の多様性について学べる
『世界の危険生物』(ニューワイド学研の図鑑)
「危険」「恐怖」「獰猛」「巨大」……こんなキーワードに弱い子どもたちの心をガシッとつかんでいるのが、ニューワイド学研の図鑑『世界の危険生物』です。
『世界の危険生物』(ニューワイド学研の図鑑)
取り上げられているのは、哺乳類や両生類・昆虫などの生きもののほか、植物やキノコなど。さすがに「危険」というテーマで集めた図鑑だけあって、とにかく迫力のある、「昆虫」「動物」といった図鑑にはあまり出てこないような写真が満載!人によっては慌てて図鑑を閉じたくなってしまうかもしれません。
アリからトラまで、生きものの戦う姿を集めたページ。「動物たちの危険な武器を知ることは、動物たちのくらしを知ることでもあります」
もちろん奇をてらっただけの図鑑ではなく、「なぜ危険な武器を持っているのか」「なぜ攻撃するのか」のほか、感染症や応急処置についてもきちんと説明されていて、生態や毒の仕組みなどがよく分かります。また、身近な生きものにもこんな危険があったんだなあという驚きもあるかもしれません。
『世界の危険生物』には、次のような一文があります。「つまり、「生き物が危険」というのは、人にとってこうした動物たちの武器や身を守る手段が危険になってしまうことがあるからです」
動物園ではなかなか見ることができないこんなカバの姿も。巨大な口は、なんと150度まで開くことができるとのこと
怖いもの見たさやカッコよさに惹かれて手にとっても、読み進めるうちに、生きものが攻撃したり毒を持ったりするのにはそれぞれに理由があることや、地球上に様々な生きものが生きていることを学ぶことができる― それが『世界の危険生物』の素晴らしさ。
一見してちょっと迫力があり過ぎると感じる方にも、ぜひ読んでいただきたい図鑑です。
【書籍データ】
書名 世界の危険生物(ニューワイド学研の図鑑)
出版社 学研教育出版
価格 2160円