亀山早苗の恋愛コラム

もしも夫が知人の男性に嫉妬し、攻撃的になったら?

モデルの道端アンジェリカさんの夫が、恐喝の疑いで逮捕された。彼女が出したコメントによると、「私が知人男性と体を密着させて飲酒していたことを夫が疑った」のがきっかけだという。夫の嫉妬や怒りの裏には、夫婦の微妙な関係もあるのだろうが、一般的に似たような状況になった場合、どのように対応すればいいのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫の嫉妬から冷戦状態へ

夫婦冷戦

モデルの道端アンジェリカさんの夫が、恐喝の疑いで逮捕された。彼女が出したコメントによると、「私が知人男性と体を密着させて飲酒していたことを夫が疑った」のがきっかけだという。そのことで彼女は後ろめたさと夫の怒りに対する恐怖心から、夫が知人男性を責める現場に居合わせることになったというのだ。

夫の嫉妬や怒りの裏には、夫婦の微妙な関係もあるのだろうが、一般的に似たような状況になった場合、どのように対応すればいいのだろうか。

 

 

起業して10周年のパーティーで

「うちの夫、もともと私が浮気しているんじゃないかと疑っていたみたいなんです」

そう言うのはチアキさん(41歳)。同い年の男性と結婚して11年、6歳の子がいる。チアキさんは結婚直後に友人と起業した。そのときは夫も全面的に支援してくれたという。

「夫はおそらく私の起業なんてうまくいきっこないと思っていた。だから寛容な目で見ていたし応援もしてくれた。でも会社は3年ほどで軌道に乗りました。私は出産1週間前まで働き、産後も3カ月で復帰したんです」

がんばる妻を、それでも夫は口先では応援してくれていた。それが変わったのは、夫の勤める会社が合併し、夫が関連会社に転籍させられた3年ほど前からだ。

「夫は言いにくそうに転籍の話を持ち出しました。夫のプライドが傷ついているのはわかったから、転職したいならそれでもいいし、転籍先であなたのやるべきことがあるかもしれないし、とにかく健康に気をつけてがんばってほしいと言ったんです。いい妻でしょ(笑)。そうしたら夫は、『そうだよな、きみはオレに頼らなくても生きていけるもんな』とひがみだして。もともと経済的には、頼る頼られるという関係ではなかったはず。夫が私の起業を応援してくれていたのも、頼られている自分が心地よかったのかなあと疑ってしまいました」

夫は結局、関連会社への転籍を受け入れた。だがやりがいのある仕事もなく、鬱々としていたようだ。最初のうちは早く帰ってきて子どものめんどうも見てくれていたが、だんだん酒に溺れるようになっていった。

「そんなとき、会社設立10周年でパーティーをすることになったんです。パートナーがいる人は一緒に出席してもいいということになり、私も夫に来てほしいと頼みました。すると夫は行けない、行きたくない、と」

当日は、起業してからお世話になった人たちがたくさん出席してくれ、チアキさんは挨拶回りに忙しかった。ようやくほっとしたとき、取引先で長年、担当してくれている男性の姿が目に入った。

「その彼が、『ちょっと一休みしたほうがいいですよ』とワインを持ってきてくれて、今までのことなどをいろいろ話していたんです。立食パーティーだったので、彼が取ってきたものをお皿からつまんだりもしていました」

 

 

夫がいきなり乱入

そんなにベタベタしていたわけではない。周囲も、彼とチアキさんが仲がいいのは知っているし、そこに男女の関係が入り込むことなどないことも誰もが周知の事実だった。

「彼と飲んでホッと一息ついているところへ、いきなり『何やってんだよ』という声がして。見ると、来ないはずの夫でした。『おまえか、オレの妻とデキてるのは』と彼の胸ぐらをつかんだんですよ。私は夫を突き飛ばして、『私の仕事仲間に失礼なことをしないで。出て行って』と低い声で言いました」

あのとき、どうすればよかったのか。チアキさんは今も悩むことがあるという。本当は冗談にしてしまえばよかったのかもしれない。だが夫は彼の胸ぐらをつかんでしまったし、彼に向かって明らかに凄んでもいた。「冗談よ」とごまかすには、夫の態度が乱暴すぎた。

「誤解よと言って、彼をきちんと夫に紹介すればよかったのか。でもそんな雰囲気でもなかったんですよね」

妻の剣幕に驚いたのか、夫は舌打ちをしながら出て行った。狭い範囲で起こったことなので、大多数の来場者は知らなかっただろうとチアキさんは言う。

「その彼にも『夫が勝手に誤解したみたいで』と心から謝罪しました。彼はわかってくれたようです。その日は、そんなこともあってへとへとになって帰ったんですが、夫は家にいませんでした。それから1週間くらい、夫は家出していたんです」

1週間後、戻ってきた夫は何ごともなかったかのように生活している。チアキさんも、そのことには触れずにいるが、夫婦はもう子どもを介してしか会話ができない状態だ。

「私はあんなことをした夫に謝ってほしいと思っている。最初は話し合おうとしたんですよ。だけど夫は拒絶する。だからもういいやと思っていたら、会話自体がなくなってしまった。最近は、どうやって離婚しようかと考えています」

どこかで歯車がおかしくなり、どこかでそれが爆発し修復できなくなる。ことが起こったあの日、もし夫が家にいて、チアキさんが怒りまくって夫が誤解について謝っていたら、今のような冷戦状態にならずにすんだかもしれない。
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