お給料も上がり、やっと貯蓄体質になってきました

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、転勤やトラブルなどが多く今までなかなか貯金ができなかったという37歳のパート主婦の方。お子さんにハイレベルな教育を受けさせたいといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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子どもたちに高い教育を受けさせたい

子どもたちに高い教育を受けさせたい



■相談者
ラッキーさん(仮名)
女性/パート・アルバイト/37歳
関東/借家
 
■家族構成
夫(38歳)、子ども2人(7歳・2歳)
 
■相談内容(原文まま)  
お叱りを承知でご相談させていただきます。深野先生にアドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

◇夫の転勤が多かったこと←この5年で4回、転勤手当は出ますが、何かと出費がありました
◇夫の資格試験合格まで減給処置をされていた←無事合格しました
◇元気なうちにと親を海外旅行に連れて行ったこと120万円
◇車が壊れて買い替えたこと200万円

以上のことからなかなか貯蓄できずにいましたが、夫が本社勤務になったため、転勤も落ち着き、お給料も上がり、やっと貯蓄体質になってきたところです。夫婦ともに地方出身で大学は出ましたが無名のところです。関東に来て教育環境、学歴の重要性を痛感しております。子ども2人にはハイレベルな教育を受けさせてあげたいと考えておりますが、現在の経済状況でそれが可能かどうか、ご教示お願いします。現在は借家に住んでいます。マイホームへの憧れもありますが、教育費を優先したいこと、また、夫は将来的に地元に帰りたいと言っているため、定年の60歳で実家に戻り、リフォームして住もうかと考えています(夫は長男ひとりっ子)。予算は1000万円くらいです。ちなみに義母は今も専門職で働いており、経済的な余裕のある方です。
 
■家計収支データ
相談者「ラッキー」さんより寄せられた感想

相談者「ラッキー」さんより寄せられた感想



 
■家計収支データ補足
(1)収支について
光熱費は多くなる月をベースにして、余りは私の美容代などに充てています。毎月出る数千円の余りは、夫のお小遣いになります。出張が多く、足りなくなることが多いため。帰省時に義両親からお小遣いをいただくこともあります(1回5万~10万円ほど。学校や習い事で必要なものを購入し、残りは貯金)。
 
(2)住居費について
夫の会社は、住宅手当なしのため全額自己負担。13万2000円のうち駐車場代が1万7000円含まれています。夫の実家は築25年ほどの平屋。頑丈そう。庭が200坪ほどあるので、リフォームではなく、低予算で建てるのもいいと考えている。義両親との同居か別居かは現段階では決まっていないが、いずれにせよ同敷地内に住むことになります。
 
(3)車両費について
車の所有台数は1台、ローンは組まず、現金で一括購入です。5000円は毎月のガソリン代です。
 
(4)加入保険について
・夫/生命保険(55歳保険期間、死亡保障月10万円×最長20年 2400万円)=毎月の保険料2190円
・夫/医療保険(終身、入院日額5000円、手術2万5000~20万円、がん三大疾病50万円、先進医療2000万円)=毎月の保険料3545円
・夫/個人型年金(60歳保険期間、60~69歳 44万6000円×10年)=毎月の保険料1万円
・夫/共済満期金付き(第1子12歳満期100万円、第1子入院日額5000円)=毎月の保険料1万1610円
・夫/共済満期金付き(第1子15歳満期100万円)=毎月の保険料6660円
・夫/共済満期金付き(第1子17歳満期100万円)=毎月の保険料5260円
・夫/終身(死亡保障600万円、第2子18歳満期324万円)=半年の保険料15万円程度(ドルのレートによる)
 
・妻/医療保険(38歳保険期間、入院日額5000円、女性1万円。いずれも5日目~、手術5万~20万円)=毎月の保険料3500円
・妻/医療保険(終身、がん100万円払込免除、がん2000万円)=毎月の保険料2382円
 
(5)教育費について
上の子は数学的なことに関心が高く、中学受験を考えており、大学は私立理系も視野に入れたいと思っています。公立中高一貫校を目指していますが、倍率が高いため私立になる可能性もあります。小学校高学年から塾に行くと3年間で200万円はかかりそうです。 下の子の学力は未知数ですが差をつけたくないので上の子と同じような金額を準備してあげたいと考えています。2人で2800万円ぐらいでしょうか。余れば老後資金や子たちの結婚資金に回したいです。
 
(6)ボーナスの主な使い道について
・ふるさと納税10万円が年1回
・ドル保険16万円が年2回
・貯金70万円が年2回
・小学校学費の口座へ5万円が年2回
・毎年2回、帰省の年間予算35万円←家賃更新の時は、予算の都合で年1回にして調整している
・車税5万円、年1回
・車検15万円、2年に1回
・冠婚葬祭や家電の買い替え、誕生日予算5万円が年2回
・お小遣い5万円が年2回 ※家賃更新・車検の時はカット
など
 
(7)家族の小遣いの内訳について
夫5万円
 
(8)奨学金について
奨学金①
・借入額:292万8000円   
・返済期間:20年  
・返済残高:100万円程度
・利子の有無:無
 
奨学金②
・借入額:125万円
・返済期間:20年
・返済残高:40万円程度
・利子の有無:年率1.24%
 ※①も②も2025年9月が最終支払い
 
(9)勤務先について
夫の会社再雇用制度はあります。老後資金を考えたら60歳以降も働く必要があると考えています。妻は派遣社員のため再雇用はなし。子どもが小学生のうちは、フルタイムは考えていないが、第2子が幼稚園に入園したら、働く時間を増やそうと考えています。退職金は1000万円程度の予定。
 
(10)年金について
夫の年金は65歳から月額17万6475円。妻の分はねんきんネット加入の手続きが上手くいかずシミュレーションできませんでした。大学卒業後、厚生年金加入期間は6年ほどで、年収は200万~300万円。その後はずっと専業主婦です。

■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 現在の貯蓄ペースで、子ども2人の教育費は十分対応できる
アドバイス2 老後資金も心配ないが、できるだけパートは続けること
アドバイス3 退職金は実家のリフォーム代に。ラッキーさんの居場所づくりも必要
 

アドバイス1 現在の貯蓄ペースで、子ども2人の教育費は十分対応できる

これまで貯蓄が思うようにいかなかったのも、仕方がないことです。無駄遣いをしたわけではないのですから、心配はいりませんよ。
 
今の家計収支の状況から、ご主人が60歳までに、いくら貯蓄ができると思われますか?
 
ラッキーさんの収入と児童手当で毎月5万円、年間で60万円貯蓄できます。ボーナスの使い道はたくさんありますが、保険も含めて貯蓄と考えられるものもあり、実際には170万円程度、貯蓄できています。余裕をもって考えても、年間で200万円貯蓄できる力があるということです。
 
ご主人が60歳になるまでの22年間で、4400万円。現在の貯蓄345万円を加えて4745万円です。さらにこの間、満期を迎える共済などが624万円。つまり、60歳までに貯められるお金は、単純計算でも約5370万円です。
 
そこで、ラッキーさんが気になっている、子どもの教育費です。仮に、中学から私立、大学は理系とすると、中高で700万円、それまでの塾代200万円で、900万円。大学理系で530万円。中学から大学までの費用は約1500万円となり、2人で3000万円かかることになります。
 
先に計算した5370万円から3000万円を差し引いても、60歳時点で2370万円残っているわけです。教育費については、十分対応可能です。安心してください。
 

アドバイス2 老後資金も心配ないが、できるだけパートは続けること

60歳までにいくら貯蓄できるのか、単純に積み上げて計算しましたが、これ以外にも、ラッキーさんの奨学金返済が終われば、その分を貯蓄に回せます。現在、お子さんにかかっている幼稚園代も小学校に上がれば貯蓄に回せます。ご主人の年齢からすれば、今後も昇給の可能性が十分あるでしょう。
 
ラッキーさんの状況からすると、こうしたお金もしっかり貯蓄できるでしょう。お子さんの進学については、この先、いろいろな選択があるでしょう。海外留学ということもあるかもしれません。どこまでお金をかけるのかは、キリがありませんが、3000万円+αの余裕があれば、ラッキーさんのなかにも気持ちの余裕ができるかもしれませんね。ご自身が書かれているように、教育費の残りは、自分たちの老後資金に回せばいいと思います。
 
こうした経済的なこととは別に、ラッキーさんは、できるだけパートを続けるようにしてください。結婚・出産を機に退職されたとのことですが、家族以外との接点を持ち続けることが大事です。ご自身も書かれていますが、お子さんの手が離れたら、働く時間を増やしてもいいかもしれませんね。お子さんへの愛情は尊いものですが、子どもへの学習支援は、適度な距離を保って接するといいと思いますよ。
 

アドバイス3 退職金は実家のリフォーム代に。ラッキーさんの居場所づくりも必要

ご夫婦の老後資金については、教育費でいくら使うかにもよりますが、単純計算でも、約2400万円準備できています。ご主人の年金も、今後の収入によって受給額が上がる可能性もあり、加えて個人年金、iDeCoもあるので、まずは安心していいでしょう。
 
また、ご主人が退職後は、ご実家に戻られる可能性が高いとのこと。退職金の1000万円をリフォーム代に使って、問題ありません。
 
そこで、ひとつ気がかりなことといえば、ラッキーさんご自身のことです。ご主人は地元ですから、ご友人も多いでしょう。ラッキーさんは、これまでの交友関係を離れ、新たなコミュニティーに入られることになります。まだまだ先のことですが、経済的な心配はないのですから、そうしたことも含めて、ご自身の人生の楽しみも、どうぞ大切になさってください。
 

相談者「ラッキー」さんより寄せられた感想

相談内容について、無謀な計画だと厳しいご回答になると予想しておりましたが、心配ないとのお答えをいただき、夫婦で驚きつつも安堵しております。子どもの進学はまだ先のことですが、想定している進路に対応できると分かったことは、夫の自信にもなったようです。このペースで貯蓄を続けていけるように今後も夫婦で協力し、支え合うことが不可欠であると再認識できました。

文面から伝わる親身なアドバイスが好きで、日頃より深野先生がコメントされた記事を参考にさせていただいておりました。勇気を出して応募して本当に良かったです。改めて家計や保険に向き合う良い機会にもなりましたし、自分自身の人生の楽しみも考えていきたいと思いました。貴重な機会に恵まれたことに感謝いたします。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
  
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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