パートで働いています。いまからでも厚生年金に加入した方がいいでしょうか

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫の起業で貯蓄を使い果たしたものの、ようやく貯められるようになったという42歳のパート主婦。自営業は年金が少ないため老後が不安というみちさんのお悩みに、ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)
 
【編集部からのお知らせ】
オールアバウトでは住宅・教育に絞った家計のシミュレーション診断を行っております(相談は無料です)。診断希望の方は以下のフォームからご応募ください。
・住宅購入や繰り上げ返済などの住宅ローンの試算はこちら→『住宅のお金シミュレーション診断』
・教育のお金に関する試算はこちら→『教育のお金シミュレーション診断』

 
夫が起業して夫婦とも国民年金

夫が起業して夫婦とも国民年金では心配


■相談者
みちさん(仮名)
女性/パート/42歳
関西/マンション
 
■家族構成
夫(自営業・40歳)  子ども2人(10歳・ 8歳)
 
■相談内容
夫が独立してから数年間お金が回らず貯金を使い果たしてしまいました。貯金が尽きてからはクレジットカード頼りで翌月支払いに追われる自転車操業状態でしたが、2年前に支払いを全て清算し1年前から貯金もできるようになりました。教育資金は貯金ペースを上げて用意できると計算していますが、夫も私も国民年金のため老後が心配です。私は厚生年金に7年ほど加入期間があり、いまの職場でも交渉すれば加入させてもらえるかもしれませんが、いまからでも加入した方がいいのか判断付かず。老後分をどのようなペースで貯蓄すべきか、予定額を貯金できるか心配です。国民年金でより一層老後に不安を感じております。子どもに迷惑をかけず老後に少しでも余裕を持って、またできれば長生きしていくためにもゼロから貯蓄を頑張っている次第です。
 
■家計収支データ
相談者「みち」さんの家計収支データ

相談者「みち」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)住宅について
住宅ローンは完済済み。住居費1万7000円はマンションの管理費、修繕積立金、駐車場代
 
(2)保険について
●夫:共済(64歳まで、病気死亡保障800万円、入院1万円、通院特約付き)=毎月の保険料4000円
定期保険(10年=2028年まで、死亡保障3500万円)=毎月の保険料4500円
●子ども:共済(病気死亡保障200万円  入院5000円、親病気死亡時50万円)=毎月の保険料1000円×2人
 
(3)車のローンについて
・ローン開始年:2017年4月~
・借入額:272万円
・借入年数(返済期間):5年
・金利:1.9%
 
(4)教育費の内訳
学校費1人約7000円、塾1人約9000円、学校必要品など2000円
 
(5)子どもの進路について
中学、高校は公立。大学はなるべく本人の希望をかなえたいが、できる限り自宅から通学可能な範囲で
 
(6)相談者の仕事について
社員になること、委託になることは交渉すれば可能ですが、パートでも社員でも給与が変わらない。昇給、退職金のない会社
 
(7)夫の仕事について
70歳くらいでリタイアを希望している
 
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 自転車操業時代の家計を忘れずに、いまを継続しよう
アドバイス2 まずは教育費。老後資金はその後で
アドバイス3 みちさんはすぐに社会保険への加入を
 

アドバイス1 自転車操業時代の家計を忘れずに、いまを継続しよう

貯蓄を使い果たしてしまった理由が夫の起業ですから、ある意味、仕方のないことといえます。それを立て直すためにここ数年、家計を徹底的に絞って必死に努力をしてこられたのでしょう。そもそも住宅ローンを完済していることからもみちさんはしっかり家計管理ができる人ですし、支出内訳も頑張りがよくわかるいい家計になっています。
 
しかし、貯蓄ができるようになったここからが本番です。貯金を使い果たし自転車操業状態になったときの苦しさを忘れずに、この絞った家計をしっかり維持してください。というのは毎月30万円程度を貯められていると、つい安心してしまうからです。自営業者に過剰な貯蓄はありません。社会保障が薄い分、自分で財産形成をして身を守らなくてはいけませんから、貯められるときにめいっぱい貯めるのが鉄則。収入が増えたら必ず貯蓄も増やすようにしてください。
 
節約にはなりませんが、支出で気になる点がひとつあります。それは、夫の死亡保障です。現在の保険は定期保険なので10年後に保険料が上がります。くわえて自営業者は遺族年金が少ないので、もう少し保障を増やしておきたいところ。保険料はほとんど変わりませんが、65歳くらいまでを保険期間とし、最高保障額で計5000万円程度の収入保障保険に変更することをおすすめします。
 

アドバイス2 まずは教育費。老後資金はその後で

みちさんが考えていらっしゃる通り、まずは教育費を貯めてください。目標は2人分の大学資金=1000万円。現在の貯蓄ペースならば3年程度で貯められるはずです。このお金が手元に準備できれば、かなり気が楽になるのではないでしょうか。
 
末子が大学を卒業する時点で夫は54歳ですから、老後資金は教育費が終わってからでも間に合います。70歳くらいでリタイアしたいとのこと。自営業は退職金がない、年金が少ないというデメリットがありますが、健康であれば何歳になっても働けるという強味があります。リタイアする年齢が遅ければ遅いほど準備する老後資金も少なくて済みますから、できるだけ長く働くことも視野に入れておくといいでしょう。
 
お金の貯め方は現状のiDeCo、つみたてNISA、経営セーフティ共済といった節税できる制度を利用しながら貯蓄していく方法でいいと思います。普通預金に500万円程度貯まったら、老後資金を少しずつ貯めるという意味から小規模企業共済の積み立てを始めるのもいいでしょう。iDeCoは60歳まで払い出せませんが、小規模企業共済は掛金の範囲内で低利の融資を受けることができます。自営業者にとっては心強いでしょう。
 

アドバイス3 みちさんはすぐに社会保険への加入を

厚生年金への加入を迷っているとのことですが、月収が手取りで15万円ということは、週の労働時間や月の労働日数が一般社員の4分の3以上ではありませんか? そうであれば加入は「交渉すれば」ではなく「義務」ということになります。事業所は違反状態ということになりますし、加入はみちさんにとってもメリットがありますからすぐに加入してください。
 
具体的に説明すると、夫が国民年金ということは、国民年金保険料1万6410円(2019年度の場合)を夫婦2人分払う必要がありますが、厚生年金に加入すれば夫の分だけになります。また日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳(2018年「簡易生命表」より)ですから、その差6.17年。みちさん夫婦は2歳差ですから計算上は8.17年の間、1人分の年金で生活していかなくてはいけません。国民年金の場合、遺族基礎年金は18歳になる年度までの子や、その子を持つ配偶者など要件を満たさないと受け取れませんが、厚生年金に加入すればみちさん自身の老齢年金受給額を増やすことができます。公的年金は終身で受給できますから、長生きすればするほどメリットは大きくなります。
 
また国民健康保険料には加入者数によってかかる均等割額等があるので、子どもはみちさんの扶養家族にしたほうが保険料は安くなるかもしれません。ただし、これは所得などによって変わってきますから、お住まいの市区町村の担当窓口で試算してもらうといいでしょう。
 

相談者「みち」さんから寄せられた感想

診断ありがとうございます。漠然とした不安がありましたが、アドバイスのおかげでこの調子で着実に家計管理、貯蓄を行っていこうと改めて決意できました。収入保障保険は以前から気になっておりました。早速検討しようと思います。また社会保険の具体的なメリットに加え、扶養家族についても目から鱗でこちらも早速相談窓口に行ってみようと思います。これからも過去を教訓に頑張っていきます。誠にありがとうございました。


教えてくれたのは……
藤川太さん 
 
 

 

All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。

取材・文/鈴木弥生





【関連記事をチェック】
40歳、貯金がないまま結婚。希望していた第2子誕生ですが将来が心配
45歳貯金1100万円。父が経営する会社で働くが夫は外国人で老後不安
34歳専業主婦、貯金100万円。2人目を出産後、貯蓄を取り崩す生活に
40代主婦キャッシングが100万円、返済を優先すべき?

■お金の無料相談、無料診断を受付中です。お気軽にご応募ください。
・お金のお悩み全般はこちら→『マネープランクリニック』
・住宅購入や住宅ローンの試算はこちら→『住宅のお金シミュレーション診断』
・教育のお金に関する試算はこちら→『教育のお金シミュレーション診断』
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。