たとえば、株主優待につられて割高な株を買うと損をしてしまいます(1)。また、株主優待が魅力的でも、本業がイマイチな株も損につながりがちです(2)。さらに、権利確定直前の株も、割高なものが多いので注意が必要です(3)。
このように、株主優待はカンタンそうに見えて難しく、上手に投資先を選ばないと、損をする可能性が高いです。そこで今回は、2019年5月14日12時時点でイチオシな株主優待株を2つピックアップしました。これから投資する人は、判断材料にしてください。
イチオシ株主優待株その1:カナモト<9678>
カナモトは建設関連の会社です。同社の株主優待は北海道の特産品です。10月末の権利確定時に1000株以上を持っていると、株主優待を受け取ることができます。過去の株主優待には、「お刺身セット」「伝統造りバター」「ほしのゆめ(無洗米)」などがありました。イチオシ株主優待株その2:オーハシテクニカ<7628>
オーハシテクニカは自動車関連部品の会社です。同社の株主優待はお米券です。3月末、9月末の権利確定時点で100株以上を持っていると、株主優待を受け取ることができます。また、3年以上継続保有すると、優待内容がさらに充実します。株主優待株を買うときの3つのポイント
今回の株主優待銘柄は、「買ってはいけない株主優待株の3つの特徴」を参考に探しました。具体的には、以下の3つの条件を満たす株に絞り込んであります。- ポイント1:割安である(予想PERが10倍未満)
- ポイント2:高収益である(営業利益率が10%以上)
- ポイント3:権利確定直前でない(権利確定まで3カ月以上の余裕がある)
僕は過去に「たった1つ、株主優待銘柄を買うときの心得」という記事も書きました。本記事と併せて、ご活用ください。
【参考文献】
- 論文:S. Basu, 1977, "Investment Performance of Common Stocks in Relation to Their Price-Earnings Ratios: A Test of the Efficient Market Hypothesis", The Journal of Finance, 32(3), pp. 663-682
- 論文:Robert Novy-Marx, 2010, "The Other Side of Value: Good Growth and the Gross Profitability Premium", NBER Working Paper No. w15940
- 論文:野瀬義明, 2015, “株主優待実施企業の株式パフォーマンス”, 証券経済学会年報, 第49号別冊