<目次>
- 「すまい給付金」は住宅取得者に現金を給付する制度
- 住まい給付金は住宅ローン減税にメリットが少ない人が対象
- 住まい給付金の給付額と収入額一覧
- すまい給付金の対象者
- すまい給付金の対象条件・新築住宅の場合
- すまい給付金の対象条件・中古住宅の場合
- 住まい給付金の実施期間
- すまい給付金の請求方法
- 消費税10%増税後の住宅取得支援策の4本柱
「すまい給付金」は住宅取得者に現金を給付する制度
すまい給付金は、2014年に消費税が5%から8%に引き上げられた際に登場した住宅取得支援策の一つです。消費税の引き上げによる負担を軽減するため、住宅を取得する人に現金を給付する制度で、収入額によって給付額が変わります。2019年10月に予定通り消費税が8%から10%に引き上げられた際には、対象者の枠を広げ、給付額も引き上げられます。
住まい給付金は住宅ローン減税にメリットが少ない人が対象
住まい給付金は、もう一つの支援策である「住宅ローン減税」であまりメリットを享受できない、所得が一定以下の人を対象としており、所得の限度額が設定されています。消費税率が8%→10%に引き上げられることから、対象となる所得の上限と給付額も引き上げられます。住まい給付金の給付額と収入額一覧
対象者の年収が現行の消費税8%時には510万円以下だったものが10%引き上げとともに775万円以下に、給付額は最大30万円だったものが50万円に引き上げられます(図表1)。すまい給付金の対象者
すまい給付金は、住宅を取得し、収入が一定以下の人が対象です。住宅ローン減税の負担軽減効果が充分に受けられない収入層の方に対する支援策なので、収入により給付額が変わります。また、住宅ローンを利用しない人でも、一定条件をクリアすれば給付を受けることができます。すまい給付金を受けられる人は以下の通りです。
■住宅を取得し登記上の持ち分を保有すること
⇒不動産登記上の持ち分保有者であること
■その住宅に自分で居住すること
⇒住民票で取得した住宅に住んでいることが確認できること
■収入が一定以下
⇒8%時は510万円(※2)以下、10%時は775万円(※1)以下
■住宅ローンを利用しない現金取得者については年齢が50歳以上(※2)
※1 夫婦(妻は収入無し)及び中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において住宅を取得する場合の夫の収入額の目安
※2 10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加される
すまい給付金の対象条件・新築住宅の場合
すまい給付金を受けるためには床面積50m2以上の住宅であることや、施工中に第3者の検査を受け、一定以上の品質が確認された住宅である必要があります。すまい給付金には「良質な住宅ストック」を促す目的もあるため、このように住宅の質についても一定の条件があることが特徴となっています(図表2)。すまい給付金の対象条件・中古住宅の場合
中古住宅についても新築同様、良質な住宅を取得することが目的となるため、売買時に第3者の検査を受け、既存住宅売買瑕疵担保保険へ加入していることなどが要件となっています。なお、消費税が非課税とされている個人間売買は対象外となります(図表3)。住まい給付金の実施期間
すまい給付金は、消費税が5%→8%に引き上げられた2014年4月以降に引き渡された住宅 及び2021年12月までに引き渡された住宅が対象になります(図表4)。すまい給付金の拡充措置が取られるのは、引渡時の消費税率が10%の住宅に対してです。また、期限を過ぎると給付金がもらえなくなるので注意してください。すまい給付金の請求方法
すまい給付金の申請は、住宅取得者(持分保有者)がそれぞれ行います。例えば、夫婦それそれが持ち分を持っている場合は、それぞれが申請します。親から資金提供を受け親が持ち分を持っていても、そこに住んでいない場合は申請することはできません。すまい給付金の申請者は基本的に住宅取得者ですが、住宅事業者による代行も可能です。また、給付金の受取りも基本的に住宅取得者ですが、住宅事業者による代理受領も可能です。その場合、給付金を住宅取得費用の一部に充てることができます。
給付金の申請は、入居後に行いますが、住宅の引渡から1年(現在は1年3か月)以内です。すまい給付金事務局の窓口に持参するか、郵送して申請することができます。
消費税10%増税後の住宅取得支援策の4本柱
以上のように、消費税が10%に引き上げられたあとに住宅を取得する人には、住宅ローン減税の拡充(所得税から控除)、贈与税の非課税枠の拡充、住まい給付金の拡充(現金支給)による支援策が講じられることになっています。また、「環境」「安心・安全」「健康長寿・高齢者対応」「子育て支援、働き方改革」に優れた住宅に対する支援を行う「次世代住宅ポイント制度」も創設される予定です。以上4つの支援策が用意され、いずれの制度も併用が可能となっています。次世代住宅ポイント制度については、別に詳しくお伝えいたします。【関連記事】
消費税10%で住宅ローン控除はどう変わる?増税後の施策を解説
【参考】住まい給付金(国土交通省)
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