旦那の「女好き」&「浮気」は人類の永遠の課題……
浮気性な夫にはどう対処したらいい?
「人はなぜ浮気をするのか?」この命題には昔から、多くの人がさまざまな答えを提示してきました。「種の保存の本能」「良い遺伝子を残そうとする本能」といった、生物としての本能説から、「愛情を十分に受けて育たなかったから」という生育環境説、「一定期間同じ刺激を受けると脳は『慣れて』『飽きて』しまう」という脳の構造説など、世の中にはたくさんの説があります。
そして、たくさんの説があることはすなわち、人類がいつの時代においても「浮気に悩まされる」という歴史をたどってきたことを示しているのかもしれません。おとぎ話のような不滅の愛、永遠の愛を得られるパートナーばかりならいいのですが、残念ながら浮気性な男性は存在します。そんな男性をパートナーに持ってしまったら、どう対処していけばいいのか?またなぜパートナーの浮気が止まらないのか?今回はそれを一緒に考えてみましょう。
旦那の女好きの原因は「母親との関係」「自己愛の強さ」にあった!?
まずは、浮気性な男性がなぜ生まれるのかについて考えてみましょう。さまざまな説の中で、私が比較的、共感できるのは「母親との関わり」に原因があるとする考え方です。人の性格や物事の考え方、感じ方は、生まれつきのものと、育った環境の中で得た後天的なものとがミックスしてできています。成育環境の中でも特に、幼少時は母親の影響が強いので、母親との関わりが人格形成の大事なキーになります。例えば、母親からの愛情を十分に感じることができずに育った場合、その人は常に愛情に飢えているような状態になります。また、母親から強く支配を受け、否定的に扱われたり虐待をされたりして育った場合、その人は自分に自信がなく、自分は価値がない人間だと考えがちで、自己肯定感が低い性格になります。
一般的に浮気性といわれる男性には「愛情への飢餓感」が強かったり、自分に自信がなく、自己肯定感の低い傾向が見られます。常に誰かに、できるだけ大勢の人に愛されているという実感が欲しくて浮気を続ける。また、自分に自信がない人はパートナーに自分をさらけ出して深くかかわることが苦手です。それでつい、うわべだけの手軽な女性関係に走ってしまう傾向があります。また、大勢の女性から「モテる」ことで、自分に自信をつけようとする場合。あるいは自分ではパートナーを幸せにできないという劣等感から、パートナーと向き合うことを避け、浮気に走るような場合もあります。
逆に、「自己愛が強く、自分が世界の中心」という性格が浮気につながる場合もあります。「一人でいたくないので、誰でもいいから誘う」「浮気は自分がモテる男であることの証明」「女性は自分の人生を彩るパーツの一つ」等と考えている浮気男の例がこれです。自己肯定感の低い例と自己愛が強い例は一見すると全く逆ですが、人との関わりが苦手、という点では一緒です。そして、その共通基盤は母親との関わりがうまくいかなかったという成育環境にあると考えられるのです。
そのほかの浮気の理由としては「今のパートナーに不満がある」「マンネリな日常に飽きてスリルを味わいたい」といったものもあるでしょう。
女好きで浮気性の旦那へ……妻ができることとは?
今まで見てきたように、浮気性の男性にはいくつかの特徴がありますから、それぞれの性格や考え方に合わせた対処法が必要です。まず、自分に自信がなく、自己肯定感が低い男性の場合、まずは相手に安心感を与えることが効果的です。そのためには、「あなたはそのままでいいのよ」と、母親のように相手の存在そのものを認めてあげることです。妻からの温かい愛情で、本来、母親から愛されることによって得ることができるはずだった、「自分は愛される価値のある人間なんだ」「ありのままでいいんだ」という自信を持てることで自己肯定感が高まります。
さらに妻が、旦那様への信頼や尊敬を言葉や態度で積極的にあらわすことも大切です。人はもともと尊敬されたい、信頼されたいという気持ちを持っていますので、「妻から寄せられた信頼や敬意を失うようなことはやめよう」と不貞行為への自制心が働く効果が期待できます。
また、パートナーが不満に思っていることを見つける努力も必要です。「浮気をする方が一方的に悪い」と切り捨てるのではなく、その原因に素直に目を向けましょう。「子育てにかかりっきりで夫への気遣いがなくなっていた」「夫婦でゆっくり話をする時間が取れていなかった」など、日常のちょっとしたことが不満の原因であることも少なくありません。
さらには日常のなかに、マンネリにならないような変化を作っていくことも効果的です。夫婦でいることを「当たり前」と思わず、二人の関係をリフレッシュしていきましょう。時にはぐっとオシャレをして相手をドキッとさせたり、夫婦で一緒に新しい趣味に挑戦してみるなど、日常を活性化させる方法はいろいろあると思います。
浮気をされたら「厳しさと愛情」を使い分けて対処を
一方で、「それでも浮気をされた」というときの対処法も、とても大事です。まずは、浮気をした夫を責めたり、無視したりしないこと。これらは相手の罪悪感を助長し、妻との関わりを一層避けさせるだけです。また逆に「浮気をされたのは自分に魅力がないからだ」「もう女としてみてもらえていない」と自分を責めたり、自分の価値を下げてしまう方がいますが、これもパートナーに悪影響を及ぼします。妻を不幸にしてしまったということで、夫が自分自身をダメな人間だと思いこみ、さらに自己肯定感を失ってしまうからです。
浮気性の夫に対して適切な対応は、相手や自分を責めることではなく、浮気という行為が、パートナーとの信頼関係を失う行為であることを冷静に教えることです。相手を責めたり、あるいは見て見ぬふりをして我慢をしてしまうのではなく、「あなたのしていることは妻にとっても、浮気相手の女性にとっても不誠実な行為だ」と伝えましょう。場合によっては「今後も浮気が度重なるときには、夫婦の関係が終わりになることもある。」と厳しい態度をとることも必要でしょう。
ただし、厳しい態度が効果を発揮するのは、それが前述した「母親のような包容力にあふれた愛情」とセットで存在する場合のみです。妻が「自分のありのままを認めてくれる貴重な存在」であるからこそ、「それを失うかもしれない」という危機感が浮気へのブレーキ効果となるのです。まずは妻からの愛情や尊敬が大切である点はどうぞお忘れになりませんように。優しさと厳しさ、その使い分けがポイントです。
人は、本人が「変わろう」と思わなければ、変わりません。外部からいくら「変えよう」と圧力をかけてもなかなか難しいもの。変えたいがために自分がモンスター化して、怖い妻になるのは逆効果。妻にできるのは、浮気性の夫が「変わろう」と思えるような気づきを与えてあげること。そのためには、旦那様に振り回されないよう、相手に依存しすぎないというスタンスを普段から保っておくことも忘れずにいてくださいね。とは言え、男性は「魔がさして、つい」というシチュエーションも多々あります。本当にそうなら、眼をつむるくらいのドッシリ感も必要ではと考えています。