お得な宿泊プランで箱根ひとり旅。温泉とアートづくし

旅行大手JTBの調査によれば、およそ6割の人が「ひとり旅」を楽しんだことがあると回答するなど、すっかり旅行のジャンルとして定着した「ひとり旅」。
 
しかし、宿泊に関しては多くの人が、ビジネスホテルやゲストハウスなどを利用。温泉旅館を満喫している人は少数派のようです。というのも、ひとり旅で温泉旅館を利用するのは、敷居が高い気がしますよね?
薄暮時の「星野リゾート 界 仙石原」外観(写真提供:星野リゾート)

薄暮時の「星野リゾート 界 仙石原」外観(写真提供:星野リゾート)


そこで、おすすめなのが星野リゾートの温泉旅館「界」。2019年3月22日より「界のひとり旅」というプランの提供が開始され、いままでよりもお得な値段(通常料金より最大約30%割引)で、ひとり旅でも温泉旅館を満喫できるようになりました。
 
今回は、このプランを利用して、2018年7月27日に「アトリエ温泉旅館」をコンセプトに誕生した箱根の「星野リゾート 界 仙石原」に宿泊し、周辺の美術館めぐりにも出かけるなど、温泉とアートづくしの箱根旅行を楽しんできました。

見どころやおすすめポイントをレポートします。
 

15:00 界 仙石原にチェックイン!

秋のススキが有名な箱根の仙石原エリアは、世界でも有数の美術館の集積地なのだそうです。たしかに、「ポーラ美術館」、「箱根ラリック美術館」、「箱根ガラスの森美術館」、「星の王子さまミュージアム」などたくさんの美術館があります。
アーティストによる製作風景(2018年7月12日 写真提供:星野リゾート)

アーティストによる製作風景(2018年7月12日 写真提供:星野リゾート)


そんな”アートの聖地”ともいえる場所にオープンした「界 仙石原」のコンセプトは「アトリエ温泉旅館」。開業直前の2018年7月10日~20日に、国内外のアーティスト12名が滞在して製作したアート作品が、客室や廊下など館内のいたるところに飾られています。
館内のいたるところにアート作品が展示されている。客室に展示されているアートは、基本的にその部屋に滞在したアーティストの作品

館内のいたるところにアート作品が展示されている。客室に展示されているアートは、基本的にその部屋に滞在したアーティストの作品


さて、チェックインを済ませたら、早速、客室へ! 「界 仙石原」は本館・別館あわせて全16室の客室、すべてが露天風呂付きです。
「界 仙石原」客室露天風呂(写真提供:星野リゾート)

「界 仙石原」客室露天風呂(写真提供:星野リゾート)


今回、泊まったのは本館2階のお部屋。標高700メートル以上という高原の空気と、周囲にさえぎるもののない仙石原の大自然に囲まれながら、部屋付きの露天風呂を存分に楽しませていただきました!
 

17:30 夕食、マッサージ

さて、温泉旅館に泊まったら食事も大きな楽しみ。「界 仙石原」では、ご当地・箱根周辺の素材を中心に使った会席料理をいただくことができます。
煙が立ち上る大涌谷をイメージした「サーモンの瞬間燻製」(写真提供:星野リゾート)

煙が立ち上る大涌谷をイメージした「サーモンの瞬間燻製」(写真提供:星野リゾート)


フタを開けた瞬間にふわっーと立ち上る煙が「大涌谷」を表現しているという「サーモンの瞬間燻製(先付け)」や、「宝楽盛り」(八寸・お造り・酢の物) など、料理の見た目や演出も食事の時間を楽しくしてくれます。
「宝楽盛り」(八寸・お造り・酢の物)、「台の物」など見た目も華やかな会席料理(写真提供:星野リゾート)

「宝楽盛り」(八寸・お造り・酢の物)、「台の物」など見た目も華やかな会席料理(写真提供:星野リゾート)


ちなみに、食事処には半個室スペースも用意されているので、「おひとり様」でも、ゆっくり食事を楽しめます。
 
食事が終わったら部屋に戻り、日頃の疲れを取るべくマッサージタイムにします。このマッサージにも「星野リゾート」ならではの”こだわり”があるのだとか。
 
今まで、温泉旅館でマッサージを頼むと、施術の腕前や接客面などが施術者によって様々で、当たり外れが大きかったですよね? この不安を解消するのが、マッサージの国家資格を持ち、「星野リゾート」の接客研修を受けたスタッフのみが施術を担当するという取り組み。これなら、安心してマッサージを頼むことができます。
 

21:00~ 手ぬぐいの絵付け体験

ところで、「界 仙石原」ではアートを観るだけでなく、実際に表現して楽しむご当地楽(ごとうちがく)も用意されています。
 
フロント近くの「アトリエライブラリー」で、16:00~と21:00~の毎日2回行われるのが、「彩り手ぬぐい」というご当地楽。
「彩り手ぬぐい」彩色前

「彩り手ぬぐい」彩色前


全部で6種類の絵柄の手ぬぐいから、好みの絵柄を選んで、お客さん自身が色づけをしていくという手ぬぐいの色づけ体験です。塗り絵の感覚で楽しむことができ、人によって、ササッと仕上げる人もいれば、2時間くらいかけて丁寧に仕上げる人もいるそうです。
 
手ぬぐいという、温泉文化に欠かせないアイテムの色づけは、まさに温泉×アート。作品づくりに集中していると、ひとりでも時間を持てあますことがありません。
「彩り手ぬぐい」彩色後

「彩り手ぬぐい」彩色後


なお、「彩り手ぬぐい」は無料で参加できますが、毎週日曜日の朝には、地元のアーティストとコラボした、デッサン、書道、写真、盆栽、リース作りなどを行う、有料のワークショップも開催しています。

ご当地楽が終わったら、ベッドに入る前に大浴場で一風呂浴びるのもいいですね。
  

6:30 起床。朝ヨガ、朝風呂、朝食

仙石原の夜は本当に静かで熟睡でき、朝の目覚めもスッキリ。夜のうちに借りておいたヨガマットとアート作品を床に置いて、朝ヨガで身体をほぐします。(ヨガマットと好みのアート作品を無料で借りることができます)
 
続いて、朝風呂に入ります。部屋の露天風呂の醍醐味を味わえるのは、早朝かもしれません。朝日が昇るにつれて、目の前にそびえる金時山の山肌や、空の色が次第に移ろっていく。その様子を湯に浸かりながら眺めていると、大自然の営みの大きさを五感で感じることができます。
自然薯(じねんじょ)のステーキ

自然薯(じねんじょ)のステーキ


朝食メニューで、一際、目を引くのが「自然薯(じねんじょ)ステーキ」。箱根の名物の一つにもなっている自然薯は、とろろ芋として食べるのが一般的ですが、ステーキにしてしまうとは驚きです!
 
「界 仙石原」は12:00までにチェックアウトすればオーケーなので、朝食後もゆったりするのもよし、箱根観光に出かけるのもよしです。
本館2階客室のテラス。仙石原は箱根の中でも指折りの自然が深い土地

本館2階客室のテラス。仙石原は箱根の中でも指折りの自然が深い土地


もし、観光に出かけるならば、「お客様の好みをおうかがいして、観光プランをアレンジして、ご案内したりもしています。例えば、チェックイン時にアートに興味があるとうかがったお客様には、食事のときにアートに詳しいスタッフを付けるなどの対応もいたします」(総支配人の池上真敬さん)とのこと。
 
美術館や、神社・お寺めぐり、ハイキングなど、何に興味があるのかをスタッフに伝えて、おすすめプランを聞いておくといいでしょう。
 
<DATA>
■星野リゾート 界 仙石原
所在地:箱根町仙石原817-359
料金:「界のひとり旅」プランは、1泊24,000円~(1名1室2食付き。税・サービス料込)
アクセス:新宿から高速バス「仙郷楼前」バス停下車、徒歩5分/箱根登山鉄道「強羅」駅から「観光施設めぐりバス」で「仙郷楼前」バス停下車、徒歩5分
地図 → Googleマップ
 

11:00 日本有数の印象派コレクション「ポーラ美術館」へ

今回は、”アートづくし”の箱根旅を楽しむということで、「界 仙石原」をチェックアウトした後は「観光施設めぐりバス」に乗り、日本有数の印象派コレクションを収蔵する「ポーラ美術館」に向かいました。
新緑の季節の「ポーラ美術館」。周囲の景観に配慮し、地上2階、地下3階建てになっている。設計:安田幸一。2002年開館

新緑の季節の「ポーラ美術館」。周囲の景観に配慮し、地上2階、地下3階建てになっている。設計:安田幸一。2002年開館


「ポーラ美術館」は、ポーラ創業家2代目の鈴木常司氏(1930-2000)が40年余りかけて収集した絵画、版画、ガラス工芸品、東洋陶磁器、化粧道具など多岐にわたる約1万点のコレクションを収蔵しています。
美術館周囲の全長670mの遊歩道「風の遊ぶ散歩道」は、ヒメシャラやブナの林が広がっている。新緑と紅葉の季節がおすすめ

美術館周囲の全長670mの遊歩道「風の遊ぶ散歩道」は、ヒメシャラやブナの林が広がっている。新緑と紅葉の季節がおすすめ


そのコレクションの中核を成すのが約400点の西洋絵画。中でも印象派を代表するモネ(19点)、ルノワール(16点)、20世紀を代表する画家であるピカソ(19点)、さらに海外で成功を収めた日本人画家の草分けとされる藤田嗣治(202点)の作品は、国内の美術館の収蔵点数としては最大とのこと。
クロード・モネ『睡蓮の池』。人気の高い作品は、希に他館に貸し出しする以外は、なるべく展示するようにしている

クロード・モネ『睡蓮の池』。人気の高い作品は、希に他館に貸し出しする以外は、なるべく展示するようにしている


「ポーラ美術館」は、こうした主要な作家の画風が変遷していく過程の、それぞれの時代の名品といわれる作品を収蔵していることから、コレクションを見渡すと、美術史を「体系的」に知ることができるといわれています。また、日本の美術館としては珍しい、以下の様な興味深い試みも行っています。
 
まず、一部の作品については、数年前から、フラッシュを使わなければ写真撮影をオーケーにしています。欧米の多くの美術館では写真撮影が許されていますが、日本ではまだまだ少数派です。
現在、開催中の企画展『印象派、記憶への旅』。一部の作品は写真撮影オーケーとしている

現在、開催中の企画展『印象派、記憶への旅』。一部の作品は写真撮影オーケーとしている


また、2019年の8月10日からは、中学生以下の入館を無料にします。「美術館は敷居が高いイメージがあり、アートが好きな方でも子どもが生まれると美術館から足が遠のく方がいらっしゃいます。お子様にも早い段階で美術に親しんでいただきたいこと、また、お子様連れのファミリーにも美術館に足を運んでいただきたいとの思いから、中学生以下を無料にすることにしました」(営業担当リーダー 志村龍生さん)。
 
さらに、今回訪問して何よりも驚きだったのが、現在、開催されている企画展『印象派、記憶への旅』では、通常は見ることができない、名画の裏側を見ることができます。(一部作品のみ)
ゴッホの『草むら』表面

ゴッホの『草むら』表面


企画展『印象派、記憶への旅』は、同じく印象派のコレクションが充実している「ひろしま美術館」との共同企画。「開館当初から両館で共同企画を行おうという話はあり、この度、ようやく実現する運びとなりました。今回の展覧会では両館がこれまで重ねてきた調査・研究の成果をお客様に分かりやすく見ていただく、新たな試みを実施しています」と志村さん。
 
企画展の第二会場に行くと、ガラスケースの中に、絵が描かれたカンヴァスが収められています。なんと、これは模写やレプリカではなく、本物のフィンセント・ファン・ゴッホの作品『草むら』でした!
ゴッホの『草むら』裏面

ゴッホの『草むら』裏面


作品の裏面を見ると、木枠に様々なラベルが貼られていたり、インクの書き込みが行われたりしていて、作品がどのような人の手を経由してきたか、来歴を知る手掛かりになります。また、カンヴァスの裏面には他の作品の絵の具の付着や、「Vincent」というサインのような文字も見られ、これらは製作当時の状況を知る、大きな手掛かりになるのだそうです。
 
思い切った取り組みだと思いますが、こういった普段とは違う角度で作品を観ることができると、名画に、より親しみが感じられますね。

最後に志村さんに「ルーヴル美術館の『モナ・リザ』のような、ポーラ美術館を象徴する作品はありますか?」と尋ねると、ルノワールの『レースの帽子の少女』だそうです!
ルノワール『レースの帽子の少女』

ルノワール『レースの帽子の少女』


<DATA>
■ポーラ美術館
所在地:箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:年中無休(展示替えのため臨時休館あり)
入館料:大人1,800円/大学・高校生1,300円/中学・小学生700円(現在は土曜日無料。2019年の8月10日からは毎日無料)
アクセス:箱根登山鉄道「強羅」駅から「観光施設めぐりバス」で「ポーラ美術館」バス停下車すぐ/小田原駅から直通バス1日3本
地図 → Googleマップ
企画展『印象派、記憶への旅』は、2019年7月28日まで
 

仙石原は、ほかにも楽しみ方が色々

仙石原エリアには、フランス人ジュエリー作家でガラス工芸家でもあったルネ・ラリック(1860-1945)の作品約1,500点を収蔵する「箱根ラリック美術館」や、ヴェネチアン・グラスなどの作品を展示し、まるでヴェネチアの貴族の館に遊びに来たような感覚で楽しめる「箱根ガラスの森美術館」もあります。
箱根ラリック美術館

箱根ラリック美術館


箱根全体を見渡せば、「岡田美術館」、「成川美術館」、「彫刻の森美術館」などほかにも様々な美術館があり、美術館めぐりを始めると、いくら時間があっても足りないほどです。
 
また、美術館だけでなく、金時山のハイキングや「箱根湿生花園」を訪れた後に温泉旅館に泊まるなど、温泉×アート×自然を掛け合わせて楽しむことも可能です。
金時山頂上からの眺望

金時山頂上からの眺望


ぜひ、自分なりの箱根の楽しみ方を見つけて、「ひとり旅」を満喫してください!

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