貯蓄

逆効果!貧乏投資家が株式投資でやりがちな間違い3つ

株式投資では選択肢も多く、「地雷」とも呼べる危険な銘柄もたくさんあります。危険な株を買うと、お金を増やすどころか減らしてしまうでしょう。今回は、貧乏投資家がやってしまいがちな株式投資における3つの間違いをご紹介しましょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

  • Comment Page Icon
お金を増やす代表的な方法といえば、株式投資。株式投資では、株を買ってリスクを取ることで、お金を増やすことを目指します。しかし、株式投資では選択肢も多く、「地雷」とも呼べる危険な銘柄もたくさんあります。危険な株を買うと、お金を増やすどころか減らしてしまうでしょう。
 
そこで今回は、貧乏投資家がやってしまう株式投資における3つの間違いをご紹介しましょう。本記事をたよりに、あなたが損をせずに済んだら嬉しく思います。
 

間違いその1:新規公開株を買う

「上場したばかりの会社の株を買えば、きっとお金儲けできる!」と考える個人投資家が多いようです。しかし、この考えは改めたほうがよいでしょう。経済学者らの研究(1)によれば、新規公開株を買っても儲かりにくいことが分かっています。
 
「新発売!」とか「新登場!」と言われると、僕らはつい目を引かれてしまいます。しかし、新しいものは得てして割高です。新しい服に新しい本、新しいPCに新しいスマートフォン。新しく登場するものは型遅れのものや中古のものと比べて、高い値段で売られていますよね。
 
株式投資でも、これは同じことです。新しく出てきたばかりの株は割高なものが多く、「上場後から5年間は株価が上がりにくいという傾向が確認されいます。よって、株式投資では、「新しい株よりも、古き良き株を買ったほうが有利だ!」と覚えておきましょう。
 

間違いその2:値動きが激しい株を買う

「値動きが激しい会社の株を買えば、それだけ早くお金が増える!」と考える投資家も多いようです。僕がYouTubeで生放送をしていると、「1カ月で株価が2倍になった○○という会社の株が気になっているんですが、どうでしょうか?」なんて相談をよく頂きます。しかし、残念。この考えも間違いです。
 
金融専門誌「ジャーナル・オブ・ファイナンス」に掲載された論文(2)によれば、値動きが激しい株を買うと儲かりにくいうえ、損につながりやすいことが判明しました。
 
値動きが激しい株は、特に「景気が悪くなってくると大損につながりやすい」傾向があります。景気が良いときにはお金がグイグイ増えるかもしれませんが、経済状況が悪化すると、あっという間に利益が吹き飛ばされてしまうのです。目先の利益に飛びつかずに、「値動きが静かで安定している会社」の株を選びましょう。
 

間違いその3:有名な会社の株を買う

「私はテレビCMとかもやっている、有名なあの会社の株を買っているから大丈夫!」という投資家もいます。たしかに、知らない会社や、知らない事業にお金を預けるのは、不安がありますよね。気持ちは分かります。
 
しかし、「有名な会社の株を買う」というのも間違いです。1997年に公開された論文(3)によると、「目立つ会社の株は株価が上がりにくい」傾向が確認されました。
 
有名な会社は投資家に好かれやすいです。好かれやすい分、「多少高くても、買ってもいいかな」と思われがちです。それゆえに、割高な会社が多くなるのです。
 
よって、多少、不安な気持ちもあるでしょうが、「有名な会社だから」という理由で株を買うのは危険です。この判断基準は逆効果になりますので、ご注意ください。有名な会社の株を買うくらいなら、誰も知らない「知る人ぞ知る会社」の株を買った方が賢明です。
 

まとめ

株式投資に関する情報はガセネタが多く、そのせいで多くの投資家が間違ったノウハウに騙されています。ですが、少なくとも本記事で紹介したことは、古くから有効性が確認されているものばかりです。上手にお金を増やしたい方は、本記事の内容をぜひご活用ください。
 
●参考文献
 
  1. 論文:Loughran, Tim, and Jay Ritter, 1995, “The New Issues Puzzle,”Journal of Finance 50, pp. 23- 51
  2. 論文:Andrew Ang, Robert J. Hodrick, Yuhang Xing, and Zioayan Zhang, 2006, "The Cross-Section of Volatility and Expected Returns", The Journal of Finance, 61(1), pp. 259-299
  3. 論文:Craig G. Beard and Richard W. Sias, 1997, "Is There a Neglected-Firm Effect?", Financial Analysts Journal, 53(5), pp. 19-23
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/12/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます