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ソフトバンクがボーダフォンを買収。今後、どうなる?(3ページ目)

国内第3位の携帯電話会社「ボーダフォン」が、大手IT関連会社のソフトバンクに1兆7500億円で買収されました。いま、ボーダフォンを使っているユーザーは、今後どうなってしまうのでしょうか?

石川 温

執筆者:石川 温

携帯電話・スマートフォンガイド


これまでのサービスはどうなるのか?


記者会見では「料金」に対する質問も多かったが、具体的な金額が明かされることはなかった

では、買収されることによって、既存のボーダフォンのサービスはどうなるのでしょうか? 端末やサービスなどは通常、1年近い開発期間が必要とされています。つまり、ソフトバンクが買収したからといって、急激に変化が起こるとは考えにくいです。
しかし、ソフトバンクは、自社が持つヤフーなどの豊富なコンテンツを武器としようとしています。ボーダフォンはiモードや着うたが人気のEZwebにコンテンツ数や加入者数で大きく溝をあけられています。
ヤフーのコンテンツを、今以上に携帯電話でも楽しめるようにすることを、他社との重要な差別化のポイントとしてくるはずです。
これらの話はおそらく1年後ぐらいにやってきそうですが、さらに早い時期に変わりそうなのが「ブランド」です。
孫社長は「早期にボーダフォンから我々のブランドに変更したい」と明言しています。そのブランドが「ヤフー」なのか「ソフトバンク」なのか、それともまったく新しいブランドになるかは不明ですが、11月の番号ポータビリティまでには、ショップやパンフレット、社名や携帯電話のメールアドレスに至るまで、ソフトバンク色の強いものになることでしょう(コーポレートカラーは黄色?)。


ソフトバンク参入で電話料金は下がるのか?


かつてソフトバンクは、格安ADSLである「ヤフー!BB」を立ち上げ、繁華街や駅前などでADSLモデムを大量に無料配布することで、一気に加入者を増やしてきました。実際、ADSLでは格安で、契約者数でも国内シェア第1位を誇ります。「ソフトバンク=通信業界の安売り王」というイメージを抱く読者も多いと思います。
 
その消費者の期待に応えるがごとく、かつてソフトバンクの孫正義社長は「日本の携帯電話料金は高すぎる! 我々が新規参入すれば、必ずや料金を下げてみせる!」と宣言していたこともありました。その熱意もあって、携帯電話業界への新規参入が認められたという経緯があります。

しかし、先日の記者会見では「料金はまだ検討中の段階。お話しできる状況にはありません」とコメント。料金を値下げしてNTTドコモやKDDIに真っ向勝負するという強い意気込みは聞かれませんでした。実際、ソフトバンク関係者に話を聞いたのですが、「まだ買収交渉が終わったばかりで、サービスや料金の開発はこれから」といいます。
孫社長としては必ずしも明確な料金設定があったわけではなく、とりあえずボーダフォンを買収した、というのが実情のようです。
携帯電話会社は日本国内に3社(ウィルコムを含めると4社)しかなく、ライバル間による競争も少ないため、確実に「儲かる」ビジネスです。孫社長も儲かるビジネスを手に入れてしまっただけに、おいそれと値下げして、儲けを少なくするという考えはあまりないのではないでしょうか。

今後、ソフトバンクがどのような戦略に打って出るのか。このページでも追っていこうと思います。

【関連ページ】
ソフトバンク
ボーダフォン
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