買収でシャープとの関係継続も可能に
ボーダフォン買収後の将来像を語る孫社長 |
もうひとつが「端末調達」の問題です。
携帯電話会社を選ぶ上で欠かせないのが電話機のラインナップです。NTTドコモならNECやパナソニック、シャープ、三菱、富士通。KDDIなら三洋、日立、カシオ、東芝、京セラといったように、さまざまなメーカーがデザインや機能でしのぎを削っています。
仮にソフトバンクが新規参入した際、こういったメーカーから端末を供給してもらうには、新たに契約を結ばなくてはなりません。さらに、新規参入となると、納入する台数が限られてしまうため、個性的な電話機を数多い種類そろえるには限界があります。
しかし、ボーダフォンにはすでにシャープやNEC、東芝などの国内メーカーとの関係があります。また1500万という契約者がいるため、供給される種類や量も豊富にそろえることができるのです。買収すると、これらのメーカーとの関係を引き継ぐことができるのです。
さらにボーダフォンを買収してしまうことで「有能な人材」を確保できます。
現在、ボーダフォンはやや低迷していますが、かつては「写メール」といったヒット商品を生み出しています。これらを開発できる有能な人材がボーダフォンには揃っています。新たに会社を立ち上げ、このような人材を育てるには数年の月日が必要です。孫社長が時間を買った背景には、人材という側面もあるのです。
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