年金もほとんどない老後。稼げるうちに安心できる仕組みを作りたい
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、昼間はパート事務員、夜は接客業で働く38歳の女性。これまで親に2000万円以上の援助をしてきたものの、収入が減り始めて将来の生活に大きな不安を感じるというお悩みです。ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)
これまで親に2000万円以上の援助をしてきたが
■相談者
やまさん（仮名）
女性／パート・アルバイト／38歳
関西／借家
■家族構成
独身／一人暮らし
■相談内容
仕事は昼間にパート事務員、夜は水商売です。夜がメインなので昼はパート勤務しか出来ず、厚生年金は有りません。国民年金も長く全額免除でしたので、そちらも期待できません。年齢的に水商売が厳しくなっているのですが、年金と生活力の無い親が居るのでそちらにお金が掛かります。家に居るとどんどんお金を取られるので一人住まいにしましたが、やはりまだ時々無心されます。親の携帯代も保険料も私が払っています。今まで親に渡した金額は2000万円を超えていますが、1円も残してくれておらず、1円の返金予定も無く、これから親が年老いるごとにまだまだ掛かるのかと気が滅入ります。私が稼げる今のうちに、今後、安心できる仕組みを作りたいです。運用は外貨預金、日本株、投信、社債、ソーシャルレンディングで、年3～5％利回りの堅実運用ですが、これから手取りがもっと減るので、今の資産をなんとか取り崩さず、少しずつでも増やして行くにはどの様な運用がいいのでしょうか。海外ETFも考えましたが、NISA枠は投資信託で使いきるので、為替手数料とリスクを考えるとやめた方がよいかと踏み込んでいません。ご指導ください。
■家計収支データ
相談者「やま」さんの家計収支データ
■家計収支データ補足
（１）毎月の収支、貯蓄について
本人コメント「出費が多く足りない時は貯蓄を減らすか貯金から持ち出しです。最近は持ち出しが増え、貯蓄が出来ていません。お客様の支払いが滞ったり遅れたりしたら現金で立て替えが発生するので、一部は現金で手元へ置いています。残りはある程度まとまったら銀行口座に入れ、そこから投資用などに振り分けます」
（２） 加入している保険について
共済＝毎月の保険料2500円
共済（被保険者／母）＝毎月の保険料2500円
個人年金（名義／自分）＝毎月の保険料5000円
（３）交際費、小遣い、雑費の内訳
小遣い→病院や接骨院2万円、美容代、着物や靴などの修理、など
雑費→猫関係（用品や病院）2万円、日用品5000円、PC代5000円
交際費→外食費、客へのプレゼント、お中元、お歳暮、タクシー代など
（４）投資の内訳、損益状況
・日本株 200万円（損益は、ほぼゼロ）
・投資信託 150万円
（損益は、インデックスファンド①→＋1万円、インデックスファンド②→▲1万円、アクティブファンド→▲5万円）
・社債 100万円（ソフトバンク社債2024年償還予定）
・ソーシャルレンディング 300万円→4事業者。デフォルトが2件あり、マイナス10万円。その他は償還されるまで残り1年ほど、デフォルトや延滞無く上手く行けば毎月1万円のプラス
・お客様の運用先に預けているもの 100万円→月1～2万円程度プラス（状況による）
（５）今後の働き方、収入についてのイメージ
本人コメント「気持ちも体も限界が来ているので、収入は仕事を掛け持ちしてでも30万円を目標にしますが、自信は有りません。会社勤めは本当に性に合わないので会社勤めをメインにする事は難しく、接客業で生きて行きたいとは思っていますが、働く事自体に疲れてしまいました。本当は資産運用を軸にしたいです」
（６）今後の家族との付き合い方について
本人コメント「親は母だけです。父は40代で心筋梗塞になり、それから脳梗塞も起こし、借金だけを丸々残し身体障害者になりました。身体障害者といっても、手当も貰えない等級でした。離婚して父は生活保護を、母は母子手当を貰ってくれと頼みましたが、聞き入れてくれず、当時結婚して家を出ていた兄弟には言うなと母から言われ、私は高校に入る頃にはバイトを掛け持ちしていました。10年前父が亡くなり、借金も精算し、解放されるかと思っていましたがされませんでした。この数年は援助を減らしていましたが、この夏に母と兄弟から同時に金銭を要求され、今回は払う代わりに今後は一切の援助はしないと宣言しました。今後は少し要求が減るとは思いますが、その時にならないとわかりません。 寝たきりで入院中の祖母が居るのですが、いよいよ危ないのできっと親戚を含め誰も葬式代を用意せず私に言って来るのだと思っています。場合によってはそれを最後に絶縁も考えています」
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 親、兄弟などへの援助は、もう充分。今後はやめる
アドバイス2 資産運用を収入の軸にしたいならインカムゲインを目指す
アドバイス3 安定的な収入が得られる職業へ転職を
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