しかし、「デイトレーダーになりたい!」という方の話を聞くたびに、僕は複雑な気持ちになります。取引をひんぱんに行い手数料がかさむことで、デイトレーダーとして成功できる人は数少なく、失敗する可能性が非常に高いからです(1)。
僕がデイトレードをオススメできない理由については、過去に「デイトレードって儲かるの?」という記事で解説しています。本記事と併せて、一読して頂けたらと思います。
僕がデイトレードを推奨できない理由は他にもあります。そこで、本記事では、日経マネー誌アンケートの調査結果(2)から分かった、デイトレードの危険性を3つ解説していきます。デイトレードに興味を持っている方は、始める前に本記事を一読し、考え直して頂けたらと思います。
デイトレードの危険性1:人によって成果のムラが激しい
まず、デイトレードは「人によって成績のムラが激しい」です。デイトレードは、「ごく一握りの人だけが成功して、その他大勢が失敗する」世界です。当たり前ですが、「楽をして成功できる」ほど甘い分野ではありません。寝る間を惜しみ、鍛錬を重ね、努力に努力を重ねた人だけが成功する世界です。
だから、「本に書いてあることをそのまま真似すれば成功できる」とか、「誰でもお金を稼げる」とか、そういったものは、全て幻想に過ぎません。弱いものが参加すれば、たちまちカモにされます。デイトレードは素人が手を出していい分野ではないといえるでしょう。
デイトレードの危険性2:ストレスや不安が大きく満足度が低い
次に、デイトレードは「ストレスや不安が大きく満足度が低い」です。長期視点で積み立て投資をしている人と比べて、短期間で株を買ったり売ったりする人は、損益に感情が振り回されやすく、ストレスや不安が大きい傾向があるようです。その影響から、短期取引をする人ほど「株取引に対する満足度が低い」傾向が見られたのだとか。
筆者個人も、長期積み立てと株式の短期取引の両方を実践していますが、積み立て投資はたしかにストレスが少ないと感じています。また、株の短期取引については、常に損益が気になり、気持ちがピリピリと緊張してしまうので、ストレスが大きいように感じます。
ストレスの程度がひどい場合は、鬱状態になる可能性もあります。よって、デイトレードは精神面への負担も大きいので、ストレスに弱い人は手を出すべきではありません。
デイトレードの危険性3:資産形成で失敗しやすい
さいごに、デイトレードは「資産形成で失敗しやすい」です。資産形成がうまくいかない理由には2つの要因が考えられます。
1つは、「そもそもお金を増やせない」という理由です。デイトレードをする人の大半は損をしているでしょうから、資産形成がうまく行かないのは当然の帰結でしょう。
もう1つは、「デイトレードに適した資産形成貯蓄制度が無い」という理由です。
たとえば、長期投資には「つみたてNISA」や「iDeCo」といった優れた貯蓄制度があります。これらの仕組みを使うことで、自動積立でお金を積み立てたり、節税をすることができます。しかし、デイトレードにはそのような制度がありません。つまり、長期投資よりも「制度面で不利だ」ということです。
以上の2つの要因によって、デイトレードでの資産形成は失敗しやすいと言えるでしょう。
まとめ
話をまとめると、デイトレードでは、「成績のムラが激しく」「ストレスが大きく」「資産形成も失敗しやすい」ということです。手堅くお金を増やしたい方は、手を出すべきでないと言えるでしょう。ちなみに、上手にお金を増やしている人は、デイトレードではなく、「放ったらかし」にすることでお金を増やしているようです。詳しいことは以下の記事で解説していますので、本記事と併せて読んでみてはいかがでしょうか。
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◯なぜ、「手間をかけない」投資家ほど成功するのか?
●参考文献
- 論文:Brad M. Barber and Terrance Odean, 2000, "Trading Is Hazardous to Your Wealth: The Common Stock Investment Performance of Individual Investors", The Journal of Finance, 55(2), pp. 773-806
- 論文:川西諭, 田村輝之, 功刀祐之, 2012, "長期分散投資vs短期集中投資 日経マネー誌アンケートから見えるネット投資家行動の実態", 行動経済学, 5, pp. 152-156