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買ってはいけない!株主優待株の3つの特徴【ガイドが動画で解説】

今回は、株初心者が陥りがちな失敗をもとに、「買ってはいけない株主優待株の3つの特徴」をご紹介しましょう。これから株主優待株を買う方は、これらの3つの特徴に気を付けることで、失敗を防ぐことができるでしょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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最近、平日は毎晩YouTubeで株式投資の相談を受けています。YouTube放送では250名くらいの個人投資家の方が集まってくれます。投資家の方は皆、それぞれの悩みを抱えているようです。
 
中でも多いお問い合わせは、こんなご質問です。
 
「先日、株主優待目当てで、◯◯◯の株を買いました。この株は、中原さんから見て、どのように見えますか? 中原さんにとって、この会社の株は魅力的ですか?」

【買ってはいけない株主優待銘柄をガイドが動画で解説】

 

この類の質問を、毎晩のようにいただきます。多くの個人投資家の方が、「株主優待を受け取りたい!」と期待している一方で、「この会社の株を持ってても、大丈夫なのだろうか……?」と心配しているようです。
 
実は、株主優待は魅力的な制度に見える一方で、落とし穴が多く、失敗する方も多いのです。それこそ、「3000円相当の株主優待を受け取るために、3万円も損してしまった!」という方もいらっしゃいます。
 
そこで今回は、株初心者が陥りがちな失敗をもとに、「買ってはいけない株主優待株の3つの特徴」をご紹介しましょう。これから株主優待株を買う方は、これらの3つの特徴に気を付けることで、失敗を防ぐことができるでしょう。
 

買ってはいけない株主優待株その1:割高な株 

まず、「割高な株主優待株」を買ってはいけません。実は、株主優待株の多くは割高です。それもあり、多くの株初心者の方は、割高で危険な株主優待株を買ってしまいます。ぼくらは、同じ失敗をしないように注意しましょう。
 
株の割安性を知るには、「予想PER」を確認するのが有効です(1)。目安として、「予想PERが20倍を超えると割高!」「予想PERが15倍を切ると割安!」といわれています。
 
現在、日本には3800社ほどの上場企業があり、そのうち約1500社が株主優待を配っています。しかし、1500社の株主優待株のうち、およそ550社は予想PERが20倍を超えている割高株です(2)。
 
つまり、株主優待株のうち3分の1は「割高」といえます。優待に気を取られて割高な会社の株を買うと、たとえ株主優待を受け取れても、それ以上に株価が下がって損をしてしまいます。損をしないためにも、割高な株は買わないようにしましょう。
 
過去に「割安な会社の株を見つける方法」をまとめた記事があります。自分が買おうと思っている会社の株が割安か確かめたい方は、以下の記事をご参照ください。
 
参考記事:
◯バフェットも愛用!?手軽にできる割安株投資
 

買ってはいけない株主優待株その2:収益性の低い株

次に、「収益性の低い株主優待株」を買ってはいけません。株主優待株の多くは収益性が低く、事業が停滞しているところも数多くあります。ひどい場合は、会社が衰退しているにもかかわらず、株主優待制度をエサに株初心者を誘惑する会社もあります。
 
収益性の低い会社はブランド力が乏しく、今後の成長も期待できません。「収益性の低い会社の株は上がりにくい!」ことも、経済学者の研究によって判明しています(3)。だから、たとえ魅力的な株主優待を受け取れるとしても、収益性の低い会社の株を買うのはオススメできません。
 
会社の収益性を確認するときには、「予想ROA」を確認するのが有効です。目安としては、「予想ROAが4%を超えると高収益」「予想ROAが4%を切ると低収益」と考えるとよいでしょう。
 
現在、日本では約1500社が株主優待を配っています。しかし、1500社の株主優待株のうち、およそ1000社は予想ROAが4%を切っている低収益株です(2)。
 
つまり、株主優待株のうち半分以上は「低収益株」といえます。低収益株を買うと、たとえ優待を貰えたとしても、株価が低迷し、リスクを取った割にお金を増やせない可能性があります。効率的にお金を増やしたい方は、低収益な株は買わないようにしましょう。
 
過去に「高収益な会社の株を見つける方法」をまとめた記事があります。自分が買おうと思っている会社の収益性を確かめたい方は、以下の記事をご参照ください。
 
参考記事:
◯好景気には「高収益企業」の株価が上がりやすい!
 

買ってはいけない株主優待株その3:権利確定直前の株

さいごに、「権利確定直前の株主優待株」は買ってはいけません。株主優待株は権利確定直前に株価が上がりやすい傾向があります。だから、権利確定直前に買うと、株価が上がった直後、つまり割高な価格で株を買う羽目になります。
 
証券経済学会年報に掲載された論文(4)によると、「株主優待銘柄の株価は権利確定の3カ月前から上がりやすい!」ということが分かりました。よって、権利確定前の3カ月前に入ると、株価が上がってしまいやすく、株価が割高になる危険性があります。
 
よって、安く株主優待株を買いたい方は、権利確定直前の株主優待株は避けた方がよいでしょう。 
 

まとめ 

「株主優待はお得な制度だ!」というイメージが広まっていますが、それはあくまで「安くてよい会社の株を買った」場合に限っての話です。目の前にブラ下がった人参を手に入れようとして、「割高な株」や「低収益な株」を買い、落とし穴にハマってしまう投資家が多いです。
 
賢くお金を増やし、上手に株主優待を受け取るためにも、本記事でご紹介した3つのポイントを覚えておいてくださいね。

【関連記事をチェック!】
【参考文献】
  1. 論文:S. Basu, 1977, "Investment Performance of Common Stocks in Relation to Their Price-Earnings Ratios: A Test of the Efficient Market Hypothesis", The Journal of Finance, 32(3), pp. 663-682
  2. ウェブサイト:会社四季報オンライン, "スクリーニング", 2021年4月1日時点
  3. 論文:Robert Novy-Marx, 2010, "The Other Side of Value: Good Growth and the Gross Profitability Premium", NBER Working Paper No. w15940
  4. 論文:野瀬義明, 2015, “株主優待実施企業の株式パフォーマンス”, 証券経済学会年報, 第49号別冊
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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