貯蓄

貯金だけだと危ない!? 根本的な2つの理由

「貯金さえしていれば大丈夫!」と思っていませんか? 今回は、貯金を過信している方に向けて、貯金だけだと危ない根本的な2つの理由を説明します。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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先日、Youtubeで生放送をしていた時のこと。リスナーの1人から、こんな話をされました。「私は株式投資をしているのですが、周囲に株をやっている人が居ません。まるで変人のように思われてしまいます」。
 
残念なことに、日本人は資産運用を敬遠しがちです。悪徳な業者が多いせいか、「資産運用や株式投資=ギャンブルで危ないこと」というイメージが強いようです。
 
さらに、「貯金さえしていれば絶対に安全!」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、貯金にも弱点はあります。むしろ、筆者は「貯金だけだと失敗する可能性の方が高い」と考えています。
 
また、「資産運用は金持ちがやることだ」と考えている方も多いようです。しかし、これも筆者は間違いだと考えています。お金がたくさんある人は、資産運用などしなくても問題ありません。むしろ、お金が減ったら生活に困る人こそ、正しいお金の知識を身に付けなければならないのです。
 
そこで今回は、貯金を過信している方に向け、貯金だけだと危ない根本的な2つの理由を説明します。
 

貯金だけだと危ない理由1:インフレリスク

貯金だけだと危ない理由1つ目は、「インフレリスク」です。インフレリスクは、「インフレーションリスク」の略で、貨幣の購買力が実質的または長期的に低下することです。そうなると、気づかないうちに「貯金の価値も下がる」ということです。
 
たとえば、2013年に日本銀行は、物価上昇の目標を「年に2%」と定めました。仮にインフレが実現すると、毎年2%ずつ物価が上がります。
 
「物価が上がる」というと分かりにくいかもしれません。しかし、「毎年2%ずつ、預金が減らされる」と言われたらどうでしょう。1000万円の貯金をしている人は、何もしなくても毎年20万円を失うということです。そう聞くと、怖いですよね。
 
貯金だけだと、インフレが起きると気づかないうちにお金が減ることになります。貯金はインフレには弱いのです。インフレに備えるには、貯金だけではなく、株式などにも資産を分散することが大切です。
 

貯金だけだと危ない理由2:円安リスク

貯金だけだと危ない理由2つ目は、「円安リスク」です。円安とは、円が外国通貨に比べて相対的に価値が低下することです。つまり、円安になると気づかないうちに「円の価値が下がる」ということです。
 
たとえば、2013年以降アベノミクス相場によって円安が大きく進行しました。一時は1ドル=80円付近と円高だった為替レートが、3年で1ドル=120円付近まで円安が進みました。
 
これはつまり、「たったの3年間で、円の価値が3分の2になった」ということです。3000万円の貯金をしていた人は、アベノミクスの影響で2000万円くらいの価値に下がってしまったということです。額面(見た目)こそ変わりませんが、円安によって多くの方が損をしました。しかも、「損をした」という事実に、多くの人が気づいていないのだから、恐ろしいですね。
 
貯金だけだと、円安が起きると気づかないうちにお金が減ることになります。貯金は円安に弱いのです。円安に備えるには、日本の株式や貯金だけではなく、外貨や外国株式などにも資産を分散することが大切です。
 
 

まとめ

インフレリスクと円安リスク

インフレリスクと円安リスク

 
インフレリスクと円安リスク。この2つのリスクがあるので、「貯金さえしていれば安心!」とはいえません。インフレや円安は目に見えにくいので、損をしていることに気づかないだけなのです。
 
お金をたくさん持っている人は、多少お金が減ったところで、豊かな生活ができるでしょう。だから、インフレリスクや円安リスクを、さほど意識しなくても平気だと思います。しかし、お金を持っていない人は、「お金が減ると困る」という方も多いはずです。

切実な人ほど資産を運用して、上手にお金を守らなければなりません。本記事の内容を参考に、上手にお金を守る方法を考えましょう。
 
お金を守る方法を知りたい方は、本記事と合わせて上手にお金を守る方法をまとめた「もっとも手堅い『自分年金』の作り方とは?」「お金で失敗したくない人にオススメな資産運用方法って?」をご覧ください。
  
●参考文献
  • 事典:ブリタニカ国債大百科事典 小項目事典
  • 記事:ロイター, "日銀が「2%物価目標」と「無期限緩和」導入、物価上昇見通しは改善小さく", 2019年1月14日時点
  • 記事:日本経済新聞, "株高41年ぶり、円安34年ぶり…歴史的値動きの1年", 2019年1月14日時点
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