しかし、いざ贅沢をしようとなると、「こんなことにお金を使うなんて勿体無い!」と、節約癖が出ませんか。あるいは、贅沢をしたあとに、「思ったほど楽しくなかったな」と、後悔しませんか。
少なくとも僕の周りには、上手に贅沢できる人が少ないように感じます。せっかくお金や時間を手に入れても、使い方を間違えたら意味がありません。幸せになるどころか、「無駄遣いしちゃったなぁ」なんて後悔し、ストレスを溜める人も多いようです。
そこで今回は、ちょっとしたご褒美に「贅沢したい!」と考えているあなたに向けて、科学的に正しい贅沢の仕方をご紹介します。
正しい贅沢その1:「豪華さ」より「回数」を意識する
贅沢というと、「車を買いたい」「ブランド品が欲しい」といった、大きな買い物が思い浮かびませんか。でも、大きな買い物は幸せにつながらないことが分かっています。有名な研究(1)(2)によると、「高級車やマイホームを買っても幸せになれない!」ことが分かっています。また、幸福を研究する心理学者、ソニア・リュボミスキーによると、「大きな贅沢を1回するより、小さな贅沢を小分けにたくさんした方がよい!」ことが分かっています(3)。
だから、「家を買う」「車を買う」「ブランド品を買う」などの大きな贅沢より、「スーパーで、いつもより高級なお肉を買う」「今年のイベント(クリスマス)は盛大に家族でお祝いする」「ちょっと豪華なランチに出かける」のように、小刻みに小さな贅沢をした方が、幸せにつながります。「豪華さ」よりも「回数」を意識して贅沢すると幸せになれるのです。
正しい贅沢その2:「時間」と「経験」を意識する
贅沢というと、「モノを買う」イメージがありませんか。でも、モノを買っても、幸せにつながりにくいことが分かっています。心理学者エリザベス・ダンによると、「お金より、時間を重視することが幸せにつながる!」「モノを買うより、経験を買うことが幸せにつながる!」といったことが分かっています(4)(5)。だから、買い物をするときには、「素敵な時間を演出してくれる買い物」や、「素敵な経験を得られる買い物」を優先しましょう。
「素敵な時間を演出してくれる買い物」としては、時短につながる家電が好例です。僕の友人に、「ドラム式洗濯機」を買って、洗濯を時短して満足している夫婦がいます。
ドラム式洗濯機1つの買い物で、「洗濯物に振り回されて、忙しく過ごす休日」が「ボタン1つで洗濯も乾燥も終わる、ゆったりとした休日」に変わったのだとか。素敵な時間が手に入るこの買い物は、とても良い買い物だと思います。
「素敵な経験を得られる買い物」としては、旅行やコンサート、特別な食事に出かけるなどが挙げられます。経験は思い出が残り、時間が経つほど価値が高まります。買って後悔することも少ないでしょうから、「迷ったら経験を買う!」と覚えておきましょう。
まとめ
ふだん忙しく働いていて、贅沢をしていないと、いざ時間やお金が出来たときにも、「あれ?どうすれば楽しく贅沢できるのだろう?」と、分からなくなることがあります。贅沢の仕方に悩んでいる方は、本記事の内容を参考にして、「豪華さより回数!」「時間を買う!」「経験を買う!」といった点を意識してみてはいかがでしょうか。これで、良い買い物ができるはずです。
●参考文献
- 論文:宗健, 2018, “主観的幸福度と住まいの関係”, リクルート住まい研究所
- 論文:Norbert Schwarz, Jing Xu, 2011, “Why don’t we learn from poor choices? The consistency of expectation, choice, and memory clouds the lessons of experience”, Journal of Consumer Psychology, 21(2), pp. 142-145
- 書籍:ソニア・リュボミアスキー, 2012, "幸せがずっと続く12の行動習慣", 日本実業出版社
- 記事:Ashley V. Whillans, Aaron C. Weridman, and Elizabeth W. Dunn, 2016, "Valuing Time Over Money Is Associated With Greater Happiness", Social Psychological and Peresonality Science, 7(3), pp. 213-222
- 書籍:エリザベス・ダン, マイケル・ノートン, 2014, 『「幸せをお金で買う」5つの授業』, KADOKAWA