マイホームや自家用車。これらの大きな買い物に必要なものと言えば、ローンです。ローンを組むことで、手持ちのお金では届かない家や、格好良い車を買うことができます。
しかし、ローンとは、つまり「借金」です。個人が借金をすると、だいたいの場合は金利面で大きなコストがかかります。きちんと理解しないうちにローンを組むと、多額の損をする可能性があるので、注意しましょう。
そこで今回は、ローンを組む前に知っておくべき2つのことをご紹介しましょう。
その1:マイホームや高級車を買っても幸せになれない
さまざまな研究によって、マイホームや高級車を買っても幸せになれないことが分かっています。だから、そもそも論の話として、「そもそも家を買う必要があるか?」「そもそも車が必要か?」を考え直してみましょう。リクルート住まい研究所の論文(1)によると、「借家でなくマイホームに住んでも、幸福感は高まらなかった!」ということが分かっています。
また、ミシガン大学のNorbert Schwarzの研究(2)によると、高級車を買っても幸福度は高まらないことが分かっています。
「素敵な家が欲しい!」「格好良い車に乗りたい!」という気持ちも分かりますが、モノを買えば、それだけで幸せになれるなんてことはありません。ぼくら人間は、モノさえあれば幸せになれるなんてほど、単純な生き物ではないのです。
素敵な家を買っても、そこでの暮らしには慣れてしまいます。良い車を買っても、乗り心地には慣れ、すぐに幸福感は薄れるでしょう。だから、もしあなたが、夢やプライドなどの、感情的な理由で「家が欲しい!」と考えているのであれば、買い物そのものを見直した方がよいでしょう。
その2:ローンは複利で膨らんでいく!
借金は、早く返さないと、雪だるま式(複利)で増えていきます。ローンを借りると、殆どの場合、金利がかかります。金利がかかるということは、「借りるお金よりも多くのお金を返さなければいけない」ということです。仮に金利が年率2%の場合は、約36年間で借金は2倍に膨らみます。気を抜いていると、借金は2倍…3倍…4倍…と、グイグイ増えていきます。だから、「借金は大きく借りるほど損!」「借金は、長期間、借りるほど損!」ということを忘れないようにしましょう。
ちなみに、消費者金融などから借りるキャッシングでは、金利が年率18%ほどのものが多いようです。金利が年率18%とは、「4年で借金が倍に膨らむペース!」です。たとえ少額でも、返済が長引くと、あっという間に借り入れ額が増えてます。気づけば泥沼にハマってしまいますから、手を出さないようにしましょう。
まとめ
「家を買うのが夢!」「車を持つのが夢!」という方は、たくさん居ると思います。とはいえ、借金を借りてまでする買い物は、「身の丈に合わない買い物」と言わざるを得ません。無理をして高い買い物をすると、そのツケが一生つきまとうことになるでしょう。あなたが、ローンを組む前なら、まだ間に合います。
「そもそもローンを組む必要があるのか?」
「ローンを組むと、どれだけのペースがローンが増えるのか?」
上記2点を熟考した上で、後悔のない選択をして下さいね。
ちなみに、筆者自身は、夫婦で話し合った結果、家も車も買わず、無借金を貫くことに決めました。「将来、ゆくゆくはお金持ちになりたい!」と考えている方は、借金をすると、お金持ちから遠ざかる可能性が高いです。だから、無借金を貫いた上で、地道に貯金をした方が賢明だと思いますよ。
●参考文献
- 論文:宗健, 2018, “主観的幸福度と住まいの関係”, リクルート住まい研究所
- 論文:Norbert Schwarz, Jing Xu, 2011, “Why don’t we learn from poor choices? The consistency of expectation, choice, and memory clouds the lessons of experience”, Journal of Consumer Psychology, 21(2), pp. 142-145