2019年・東京のニューオープンは「渋谷」に集中
2019年、100年に一度といわれる渋谷の再開発エリアでは、渋谷駅直上の東急百貨店東横店東館などがあった場所や、旧東急プラザ渋谷、渋谷PARCO跡地に、それぞれ新商業施設が立て続けに誕生し、年末は渋谷が大きな注目を集めました。
それでは東京の新名所を、オープン日の早かった順から振り返りましょう。
<目次>
- 1月8日(火) 『東京會舘 新本舘』
- 4月4日(木) 『無印良品 銀座』/『MUJI HOTEL GINZA』
- 7月19日(金) 『キュープラザ池袋』
- 9月12日(木) 『The Okura Tokyo』
- 9月27日(金) 『COREDO室町テラス』
- 10月26日(土)『明治神宮ミュージアム』
- 11月1日(金)『渋谷スクランブルスクエア』
- 11月13日(水)『南町田グランベリーパーク』
- 11月22日(金)『渋谷PARCO』
- 12月5日(木)『東急プラザ渋谷』
1月8日(火) 『東京會舘 新本舘』
地下鉄日比谷駅・二重橋前駅など4つの駅の地下コンコースに直結という抜群のアクセス、皇居の目の前という抜群のロケーションを誇る創業1922年の『東京會舘 本館』が、レストラン、ウエディング、バンケットという機能をもつ複合施設として大リニューアルオープン。30階建ての『丸の内二重橋ビル』の地下1階~7階に開業しました。新しい2店舗を加えた全8店舗のレストラン・ショップには約100年の歴史を感じられるメニューがいっぱい!あのマッカーサーも愛したというミルクたっぷりの「會舘風ジンフィズ(1500円/税抜)」など、東京會舘ならではの伝統の味を楽しみに訪れるのもおすすめ。帝国劇場のお隣なので観劇の前後にも活用できます。詳しくはコチラ
4月4日(木) 『無印良品 銀座』/『MUJI HOTEL GINZA』
銀座3丁目に誕生した、日本初のMUJI HOTEL『MUJI HOTEL GINZA』とレストラン『MUJI Diner』を併設する無印良品の世界旗艦店『無印良品 銀座』。地下1階に「素の食」をテーマとするMUJI Diner、地上1階から6階の一部は無印良品、そして6階の一部から10階には中国に続く世界3か所目となる全79室の『MUJI HOTEL GINZA』がオープンしました。無印良品の商品の手触り、コンセントやスイッチの配置、ホテル内のレストランメニューや空間を通して無印良品の思想を体感できるホテル。コンセプトは「アンチゴージャス、アンチチープ」です。
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7月19日(金) 『キュープラザ池袋』
池袋駅東口のサンシャイン通りに位置する地下2階地上14階建ての商業ビル。4階から13階には、常設の映画館としては国内最大となる高さ18.9メートル、幅25.8メートルのスクリーンを備えた「IMAXレーザー®/GT テクノロジー」シアターを含む、12スクリーンのシネマコンプレックス『グランドシネマサンシャイン』がオープン。その他、飲食店を中心に全15店舗が入店しています。屋上にはバッティングセンターも。詳しくはコチラ
9月12日(木) 『The Okura Tokyo』
2015年9月から本館の建て替え工事に入っていた御三家ホテルの一つ・ホテルオークラ東京が『The Okura Tokyo』として開業。高層棟で28階以上に368の客室があり国内最大級の約2000平方メートルの大宴会場が1階に配されるオークラ プレステージタワーと、140の客室などホテル施設のみで構成される中層棟・オークラ ヘリテージウイング、2棟の建物が誕生しました。建て替えで無くなることが惜しまれた以前の本館ロビーは、プレステージタワーのメインロビーとして復元。五角形のアクリル板を10枚接ぎ合わせて作った照明「オークラ・ランターン」や、窓を飾る「麻の葉文様の木組み格子」、上から見ると梅の花になるテーブルと椅子など、再利用や修復などを行いかつての唯一無二の雰囲気が蘇りました。
ホテル全体の印象としてはカジュアルな「ジャパニーズモダン」とは一線を画する、「本物の日本の美しさの詰まった空間」。客室などは特に落ち着いた大人の雰囲気で、木を多用した“The書斎”といった面持ちのデスクではいかにも仕事がはかどりそう。世界を股にかけるビジネスマン・ビジネスウーマンにお似合いです。高層階から見える変わりゆく虎ノ門エリアの風景も必見
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9月27日(金) 『COREDO室町テラス』
東京メトロ三越前駅やJR新日本橋駅に地下で直結する『日本橋室町三井タワー』の地下1階~地上2階にオープンした、ターゲットを30~40代とする約30店舗の新商業施設。メインテナントは台湾発日本初上陸、「本と暮らしの間に」をコンセプトとしてアジアで46店舗を展開する『誠品生活日本橋』です。2階のワンフロアがまるごと誠品生活になっていて、その目利き力を活かして集めた書籍や食、雑貨などが並び、「くらしと読書のカルチャーワンダーランド」になっています。そのうちおよそ半数は台湾のブランドのものです。
「台湾といえば!」の茶藝を見ながら烏龍茶を味わえる老舗あり、珍しい台湾茶から作られた香水のショップあり、中国の清の時代から続く中華菓子のブランドあり、漢方を使ったコスメの店あり……しかしそのどれもが、お店のインテリアや商品パッケージが洗練されていて「今の台湾ってこんなにおしゃれなの?!」と衝撃をうけるほどレベルが高いのです。
台湾では誠品生活に声をかけられ入店できるというのは、店やブランドにとって大変な栄誉なんだとか。東京駅から一駅・たった136円で行ける「最先端のおしゃれ台湾」です。
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10月26日(土)『明治神宮ミュージアム』
2020年に鎮座百年を迎える明治神宮では、現在記念事業として社殿群や鳥居の修復・建て替え工事などが行われています。その一環として開館したのが『明治神宮ミュージアム』。都心とは思えない深い森の中に生まれるミュージアムは、日本を代表する建築家・隈研吾さんの設計です。
宝物殿に収蔵されている明治神宮の御祭神・明治天皇と皇后の昭憲皇太后ゆかりの品々が展示され、また明治神宮の歴史や日々の営みを展示や映像で知ることもできます。
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11月1日(金)『渋谷スクランブルスクエア』
JRや東急線、東京メトロ渋谷駅の直上。かつて東急東横線渋谷駅や東急百貨店東横店東館、駅前広場があった場所に登場したのが、渋谷エリアでは最も高い地上47階建ての『渋谷スクランブルスクエア』。地下2階~14階には日本初上陸7店・新業態39店を含む全213店のショップとレストランが出店。特に1階はワンフロアまるごと和洋菓子のショップがひしめく“食”のフロアとなっていて注目を集めています。和菓子、洋菓子、甘いスイーツ、甘くないセイボリーなどなど、ここだけの限定品を出している店舗も多数あり、「東京土産」「渋谷土産」を見つけるにはうってつけのスポットです。
そして14階と45階~屋上は渋谷最高峰・日本最大級の屋上空間を有する展望施設『SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)』。足元にスクランブル交差点、来る2020年話題の中心となる新国立競技場、そして東京スカイツリー、東京タワー、遠くは富士山まで、これまで見たことのなかった渋谷から望む関東の風景を約230メートルの高さから一望できます。
囲いは透明なので、建物のキワキワでビルの真下の様子までを存分に堪能することができます。さらにハンモックになっている一角では寝転んで空をとても近く感じられたり、様々な仕掛けがとてもシンプルなデザインで配されているので、どこを切り取っても絵になる空間となっています。
ちなみに今回は渋谷スクランブルスクエアの第Ⅰ期開業で、第Ⅱ期(中央棟、西棟)の開業は2027年度の予定です。
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11月13日(水)『南町田グランベリーパーク』
2017年2月に閉館した南町田のグランベリーモール。その跡地と隣の鶴間公園を中心に、約22ヘクタールという広大なスペースが整備され『南町田グランベリーパーク』という新たな街が誕生しました。最寄り駅である田園都市線南町田駅も南町田グランベリーパーク駅と改称しています。注目を集めている全241店舗のショップは、4割がアウトレット、3割がレストランなど食のお店となっていて、「南町田でしか体験できないこと」というのをコンセプトに店作りをしているのが面白い点。
例えばアウトドアブランドの『モンベル』は国内最大級の広さとなっていますが、お店の前に高さ約12メートルの塔が出現。これはクライミングができるタワーで、小学生以上なら体験可能。そしてその足元にはカヤックの試乗ができる人工池があり、こちらは3歳以上で挑戦できます。
そしてケンタッキーフライドチキンのメニューを関東で唯一・ブッフェスタイルで楽しめる『KFC レストラン』では、子ども向けにオリジナルチキンの手作り調理体験プログラムを開催しています。カーネル・サンダースが編み出した20もの工程の一部を子どもたちが体験(70分)することで、食育も学べるという内容です。
この他にも各ショップでクラフトやフラワー関連のワークショップが開催されていたり、『トイファクトリー東京』では、グランベリーパーク内の他のお店で食材やアウトドアアイテムを調達して、キャンプに即出発できるというキャンピングカーのレンタルもスタート予定。さらに焼肉の『トラジ ハイレーン』では、店内に回転寿司の高速版といったようなレーンが張り巡らされていて、オーダーするとそのレーンの上を滑るようにお肉が運ばれてくるという、近未来の焼肉を体感できます。
「買い物ができる」「美味しいものを食べられる」だけではない南町田グランベリーパーク。新たな趣味の入口を見つける場所にもなりそうです。
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11月22日(金)『渋谷PARCO』
2016年の一時休業からおよそ3年。新しい渋谷PARCOは「ニーズを満たすのではなく、ニーズを創造し、新しい消費提案・価値観を提供する」がコンセプトなだけに、パルコが考える「かっこいいもの」「素敵なもの」を地下1階から地上10階にギュッと詰め込んだような商業施設になりました。例えば1階には『GUCCI』『LOEWE』といったようなラグジュアリーブランドと共に、月刊誌・Discover Japanで取り上げられた美しい工芸品が並ぶショップ『Discover Japan Lab.』がオープン。
自分好みのメイクパレットを作り特別な刻印を入れたり、メイクアップレッスンを短時間で受講できる体験型の『シュウ ウエムラ』。そして唐突にサッカークラブ、パリ・サン=ジェルマンのオフィシャルショップが現れるなど、1階からしてわくわくするようなカオス感を見せつけられます。
主素材・裏地・ファスナー・ボタン・ロゴのカラーなど選択し、3Dスキャンシステムで計測した体型データを元に自分らしいアウターをオーダーできる『THE NORTH FACE LAB』。ほぼ日刊イトイ新聞が運営する東京の文化案内所『ほぼ日カルチャん』。置いておくだけで空間がオシャレに見えてくるスウェーデン発のライフスタイルオーガニックブランド『L: A BRUKET』。アートを間近で楽しめるギャラリー併設ショップなどなど、たとえ隣同士であっても個性がまったく異なる店舗が集められているのが面白い点です。
そして6階は他のフロアと全く雰囲気が違い、『CAPCOM STORE TOKYO』『JUMP SHOP』『ポケモンセンターシブヤ』『Nintendo TOKYO』など、日本が世界に誇るキャラクターのグッズショップが集結。とにかく色々なジャンルの最先端、人気者に出会える場所となっています。
年齢や性別でターゲットを設けていない新生・渋谷PARCO。日本の“かっこいい”が詰め込まれているので、訪日旅行者も多く詰めかけそうです。
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12月5日(木)『東急プラザ渋谷』
約50年間、渋谷西口のランドマークとして長く愛されてきた『東急プラザ渋谷』が、複合商業施設『渋谷フクラス』の2~8階、17・18階に帰ってきました。69店舗が入店した施設のコンセプトは「大人をたのしめる渋谷へ」。やや高齢向けの商業施設だった以前のイメージもあり、今回もシニア向けのスポットになっているのかなぁ……と思いきや、「色々なものを見てきたからこそわかる良品」「様々な体験をし尽くして、その上で興味を惹かれる新しいもの」が集められていて、年齢問わず楽しめる空間になっています。
例えば最上階の17・18階には、シンガポールのマリーナベイ・サンズのルーフトップなどで営業している総合エンターテイメントレストラン『CÉ LA VI』がカフェ&バー、ダイニング、そして朝5時までオープンのクラブという3つのスタイルで日本初上陸。
4階のエイジングをサポートするフロアには、目の研究を長年続けてきたロート製薬がプロデュースするアイマッサージを受けられる『ロートQualityAgingサロン』や、12種類以上の天然エッセンシャルオイルをマシンで簡単にブレンドしながら自分だけのオリジナルアロマを調合できる『アットアロマ』、管理栄養士が常駐し食事やサプリメント、ファスティング(断食)のアドバイスなどを行う『EstheProLabo SHIBUYA』など、年齢問わず訪れてみたいショップが並びます。
また2階の『BEAMS JAPAN』では渋谷の象徴・スクランブル交差点をデザインした、ここだけでしか手に入らない交通安全グッズが販売。
4階の『タリーズコーヒー』ではタリーズとしては大変珍しいここだけでしか味わえないコーヒー「ナイトロコーヒー(500円/税抜)」と「アフォガード ナイトロコーヒー(680円/税抜)」がお目見え。スッキリした馴染みやすい味の貴重なエチオピア産コーヒーは窒素を含んだきめ細かい泡が特徴的です。こういった人気店の出す「東急プラザ渋谷限定品」、大人の遊び心をくすぐります。
詳しくはコチラ
以上、2019年新たに登場した東京新スポット10選でした。
渋谷は11月と12月だけで一気に3つの大きな開業があり、私も長年東京ガイドを務めていますがこんなことは初めてでした。注目スポットが3つも「同時期」「同エリア」にできたことで、人の流れが分散し、混雑も緩和傾向なのではと予想していますが……今後も注視していきたいと思います!
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