塾代を払うと今までのようには、貯金が出来ません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、2人の子どもを持つシングルマザーの方。長女が高校生になって塾費用がかかるようになり、貯蓄ができなくなって将来に不安を感じるというお悩みです。ファイナンシャル・プランナーの飯村久美さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


 
塾費用がかかるようになり貯蓄ができない

塾費用がかかるようになり貯蓄ができなくなってしまいました



■相談者
あこさん(仮名)
女性/パート/41歳
中国地方/借家
 
■家族構成
子ども2人(長女:高1、長男:小4)
 
■相談内容
娘が高校生になり、塾に行かないと授業についていけなくなりました。塾代を払うと今までのように貯金が出来ません。子どもの将来や自分の老後のために、お金を貯めたいのですがどうしたらいいでしょう。つみたてNISAや金銀などの積立も考えたりしますが、良いのかどうか悩んでいます。とにかく貯蓄を増やしたいです。
 
■家計収支データ
相談者「あこ」さんの家計収支データ

相談者「あこ」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)住宅について
相談者コメント「将来、子どもが社会人になったら実家に戻る予定。兄弟の夫婦と同居になる可能性があるので、実家の維持費に関しては今の家賃以上に支払うことはないと思います」
 
(2)加入している生命保険について
[本人]
・医療保険(健康還付特則付加、ガン含む、70歳健康還付金 148万8960円)=毎月の保険料 6467円
・家計保障定期保険(2031年満期、月額15万給付)=毎月の保険料 4170円
   ※子どもが社会人になるまでに何かあったら困るため、それまでの保障

[子ども]
・医療保険(長女)=毎月の保険料900円
・傷害保険(長男)=毎月の保険料1200円
   ※持病があるため、医療保険に今は加入できないため
 
(3)各支出の内訳について
車両費→ガソリン代5000円、駐車場代2500円、保険料4890円
通信費→本人・5000円、長女・6300円、長男・キッズ携帯1878円、Wifi4637円
教育費→長女・塾月謝1万8000円、長女・授業料など1万1000円、長男・息子の習い事6500円
家族のこづかい→本人5000円、長女3000円
雑費→日用品1万5000円、カードリボ払い7500円、衣料品や子ども必要なものなど7500円
 
(4)子どもの進路について
相談者コメント「二人とも大学までを考えています。その際は実家からの援助も多少ある予定(孫の大学のお金は貯めていると言っていました)ですが、私立に行くとなると教育ローンなども考えなければいけないと思っています」
 
(5)貯蓄について
相談者コメント「これまでは毎月3万円を貯め、最大200万円近い残高がありました。しかし、離婚時の費用の支払いと、長女の高校入学費用で減りました」
 
(6)毎月のやりくりについて
相談者コメント「3つの口座を使い、貯蓄、引き落とし、生活費に分けています。給料が入ったら貯蓄に1万円、生活費に7万円、残りをすべて引き落とし用に入れます。生活費の7万円が足りなくなったり、急な出費がある時は引き落とし用から捻出します。大きな額の時は貯蓄から出しますが、これまでは車検と、長女の高校入学費用のみです。生活費が余った時はショッピングや娯楽用にとっておきます」
 
(7)今後の働き方について
相談者コメント「今の職場は70歳くらいの人も働いているので、体力が続く限り仕事はしたいと思います。今後、児童扶養手当が減っていくので、それに対応していかなければいけないと考えています」
 
■ファイナンシャル・プランナー、飯村久美の3つのアドバイス
アドバイス1 塾費用は見直す余地がないと思い込まない
アドバイス2 通信費は格安SIMや格安スマホで削減を。カードのリボ払いはNG
アドバイス3 積立を始めるなら節税効果が高いiDeCoを活用
 

アドバイス1 塾費用は見直す余地がないと思い込まない

まずは、貯蓄ができなくなった理由として挙げていらっしゃる塾費用について見ていきましょう。
 
教育費は聖域と考える方が多いのですが、高校生にとって進路を考える18歳時の選択肢を増やすためにも、塾などへはお金をかけ過ぎないようにしたいものです。お金をかけて成績がアップしても、希望する進学先へ行く費用が足りなくなっては本末転倒です。教育ローンや奨学金を借りればいいという考え方もありますが、できれば借りない、借りるにしても最小限に抑えることが、あこさんにとっても、お子さんにとっても将来の負担を減らすことになるからです。
 
最近では、オンラインで勉強ができるサービスもあります。たとえば「スタディサプリ」なら4万本以上の授業動画を24時間見放題で、ベーシックなプランは月980円で利用することができます。ほかにも自治体の塾代補助制度、NPO法人やボランティア団体が格安で行う塾や家庭教師など、費用をかけなくても学ぶ方法はいろいろあります。ぜひ情報を集めてみてください。
 
また、大学の費用はご実家の援助が期待できるとのこと。ひとりでお子さんを育てていくのはたいへんですから、甘えられるなら遠慮せずに支援していただきましょう。祖父母など直系尊属から教育資金の贈与を受ける場合、贈与される孫など1人につき1500万円までは非課税になる「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」という制度があります。お金を銀行や信託銀行で管理する必要がありますが、大学入学時ではなくすぐに贈与を受けられるのであれば塾費用に充てることもできます。
 

アドバイス2 通信費は格安SIMや格安スマホで削減を。カードのリボ払いはNG

全体的に家計は上手に管理されているように思いますが、気になるところもあります。

まずは、通信費。仕事で使わないのならば、通話料が多い、キャリアメールが使えないと困るといったことはないはずです。だったら、格安SIMへの変更を考えてみてください。必要なサービスだけに絞れば、あこさんと長女さんのスマホ代はそれぞれ2000円程度で収まるはず。通信費全体で1万円を目指しましょう。
 
もうひとつが、雑費に含まれているカードのリボ払い。利用残高に関わらず毎月の支払額が一定のリボ払いは、今の利用残高がいくらあるのか、手数料が総額でいくらになるのか、といったことに鈍感になりがち。「貯められない」という、お悩みをお持ちのあこさんが利用してはいけないもののひとつです。残高にもよりますが貯蓄から一括で返済し、今後はクレジットカードを使わない、使うならば手数料がかからない一括払いか2回払いにすることを肝に銘じてください。クレジットカードを使うなら、すべての利用額が1%OFFになる「ポケットカード」なども検討してみてください。

電気代や水道料金といった公共料金も、ポイントではなく金額の1%がOFFになります。これらをメインに少しずつ、無駄を省いていけば2万円程度は捻出できそう。現在、貯蓄できている1万円と併せて毎月3万円を目指してみてください。
 

アドバイス3 積立を始めるなら節税効果が高いiDeCoを活用

「つみたてNISAや金・銀の積み立てを検討している」とのことですが、積み立てとはいえどちらも投資ですから、貯蓄が160万円でこれから教育費がかかるあこさんにおススメはできません。
ご自身の老後に備えるのであれば、選択肢の一番目はiDeCoの元本保証型です。現在は金利が低いため、元本保証型だと手数料を引くと実質マイナス運用になってしまいますが、掛金の全額を所得控除できるというメリットがあるので、この節税効果を含めればマイナスにはなりません。

ただしiDeCoは60歳まで解約できない、金融機関によって手数料や取扱商品が違うなど制度がやや複雑です。始めるならば仕組みをきちんと理解し、掛金は最少額(5000円)から始めましょう。少しは楽しみながら節約をしたいというならば、ふるさと納税も選択肢になります。ただ、これもメリットを享受するには確定申告などの手続きを忘れずにおこなうことが必要です。確定申告が不要な人であれば、5つの自治体以内の寄付がおススメ。ワンストップ特例といって、確定申告をする手間が省けますよ。
 
貯蓄が500万円くらいになったら、つみたてNISAで貯めるだけでなく増やすことを考えられます。しかし一番の老後のお金対策は、少しでも収入をアップし、できるだけ長く働くことです。下のお子さんも小学校高学年になったことですから、正社員として働くことを検討してみてはどうでしょう。
 

相談者「あこ」さんから寄せられた感想

見直す箇所を指摘していただいたので、それをちゃんと考えて月々の貯蓄を増やせればと思います。塾に関しても色々な方法があるので、子どもと相談していい方法を見つけたいと思います。この度はお世話になりました。

 
教えてくれたのは……

飯村 久美さん
 
 

 


ファイナンシャルプランナー。FP事務所アイプランニング代表、All About家計簿家計管理ガイド
金融機関在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。自らの経験から、お金の正しい知識を身に付けることが「やりたいこと」や「夢」の実現につながる一方で、「生活を守る手段」であると痛感し、FPとして独立。2006年、FP事務所アイプランニング開業。これまでの家計診断は1000世帯。「日本の家計を元気に」をモットーに活動中。NHK「日曜討論」日本テレビ「ヒルナンデス!」 などメディア出演多数。著書に「シングル女子の今日からはじめる貯蓄術」(成美堂出版)、「ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法」(アスコム)、「子どもを持ったら知っておきたいお金の話」(中経出版)など。


取材・文/鈴木弥生


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