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上がりやすい株を見つける3つのポイント

今回は、ぼくがこれまで勉強してきた中でも、特に信憑性が高い「株価が上がる会社の見つけ方」を3つご紹介しましょう。どれもエビデンスたっぷりの手法ですから、あなたが投資をするときも、ぜひ、試して頂けたらと思います。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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個人投資家が初めにチャレンジする投資といえば、「株」です。株式投資は個人投資家の間でも人気が高く、「投資=株!」と考える方も少なくありません。
 
しかし、株式投資に関する情報は、胡散臭いものが多く出回っているのが難しいところ。最近は、「インターネットで勉強した!」「ブログを読んで勉強した!」という方も沢山いますが、そういう人が利益を出せているかと聞かれると怪しいものです。
 
筆者自身、10年以上、株式投資を実践してきましたが、「株に関する情報が多すぎる!」と悩んだこともしばしば。そして、その大半は、「使えないガラクタ」のようなギャンブルネタばかりなので、質が悪いです。間違った情報を学んでしまえば、「いくら勉強しても腕が磨かれない」「結局、株式投資ってギャンブルなんじゃないの?」と考える人が出てくるのも、不思議ではありません。
 
そこで今回は、ぼくがこれまで勉強してきた中でも、特に信憑性が高い「株価が上がる会社の見つけ方」を3つご紹介しましょう。どれもエビデンスたっぷりの手法ですから、あなたが投資をするときも、ぜひ、試して頂けたらと思います。
 

元ネタはコレ:ファーマ=フレンチの5ファクターモデル

ちなみに、これからお話しすることの元ネタは、「ファーマ=フレンチの5ファクターモデル」と呼ばれる証券分析の手法です。この手法は、経済学者のEugene F. Fama教授と、Kenneth R. French教授の手によって開発されたものです。
 
彼らは古典的経済学の大御所中の大御所ですから、名前を知っておいても損はないはず。今回は、彼らがワーキングペーパー(1)で取り上げた5ファクターモデルの中から、株価が上がりそうな会社を見つけるときに使えそうな3つのポイントをご紹介します。株式投資ヲタクなら、押さえておきたい内容です。ぜひ、楽しみながら読んでいただけたら嬉しく思います。
 

ポイントその1:割安性

どんな買い物をするときも、「割安なものを買う!」のは鉄則です。こと株式投資においては、割高なものを買ってしまうと、損をしやすいので注意が必要です。
 
割安株の見つけ方については、過去に「手軽にできる割安株投資」のやり方をまとめた記事を上げたので、そちらをご参照下さい。個人的にオススメな方法としては、PERを使った割安株投資法です。
 
具体的には、「予想PERが市場平均と比べて低い会社の株を買って、割高にならない限りは保有を続ける!」という運用法です。PERが低い株を買うと利益につながりやすい!というのは、経済学者のBasuの研究(2)によって明らかにされています。目安としては、予想PERが11倍を割り込んでいる株を狙うとよいでしょう(※2018年11月16日時点、予想PER下位30%を選ぶときの水準)。
 

ポイントその2:収益性 

株式投資では、「たくさん利益を出している会社の株を買う!」のが原則です。利益を出せる会社ほど、株主に利益を還元してくれる可能性が期待できるからです。
 
収益性の高い会社を見つけるときには、Kenneth R. Frenchのデータ・ライブラリ(3)によると、直近10年間においては、やや雑な言い方ではありますが「売上高営業利益率が上位30%に該当する日本の高収益企業は、売上高営業利益率が下位30%に該当する日本の低収益企業よりも株価が上がった!」ことが分かりました。
 
つまり、利益を出している会社ほど株価が上がりやすい!ということです。投資先の収益性は、投資家への利益にも直結する要因だと考えられますので、チェックしておいたほうがよいでしょう。目安としては、売上高営業利益率が8.5%以上の会社を狙うとよさそうです。(※2018年11月16日時点、今期予想売上高営業利益率上位30%を選ぶときの水準)
 

ポイントその3:先行投資

仮に利益を沢山出していない会社でも、「たくさん先行投資をしている会社」であれば、それはそれで健全と考えられます。むしろ、利益を出していても、設備投資や研究開発を怠っていたら、数年後には競争優位を失い、利益を出せなくなってしまう可能性すらあります。よって、第3のチェックポイントとしては、「先行投資に積極的な会社か?」を確認するとよいでしょう。
 
専門誌「証券アナリストジャーナル」に掲載された論文(4)によると、売上に対してR&D比率(研究開発費の比率)が高い企業ほど株価が上がりやすい傾向が見られたのだとか。
 
先行投資に積極的な会社ほど株価が上がりやすい!と期待できますから、ぜひ確認しましょう。ちなみに、Strategy&が発表した調査結果(5)によれば、世界で最も研究開発費額が多いトップ20社では、R&D比率の平均が売上の12.8%でした。よって、研究開発に積極的な会社を見つけたい場合は、売上の1割程度を先行投資に充てているかどうかを確認するとよさそうです。
 
 

まとめ

「割安」で「収益性が高く」て「先行投資に積極的」な会社。こんな会社を見つけることで、株価が値上がりしやすく、利益を出しやすいと期待できます。「株式投資で成功したい!」と考えている方は、本記事でご紹介した3つの点に注目してみてはいかがでしょうか。
 
 
●参考文献
 
  1. ワーキングペーパー:Eugene F. Fama and Kenneth R. French, 2014, "Dissecting Anomalies with a Five-Factor Model", Fama-Miller Working Paper
  2. 論文:S. Basu, 1977, "Investment Performance of Common Stocks in Relation to Their Price-Earnings Ratios: A Test of the Efficient Market Hypothesis", The Journal of Finance, 32(3), pp. 663-682
  3. ウェブサイト:Kenneth R. French, "Data Library", 2018年11月16日時点
  4. 論文:鄭 義哲, 2005, "R&D企業の株式パフォーマンス--異常リターンとR&Dファクター", 証券アナリストジャーナル, 43(10), pp. 98-108
  5. 調査:strategy&, 2017, "Strategy& 2017年グローバル・イノベーション調査結果概要"
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