会社員の5人に1人、合計800万人が実は確定拠出年金に加入中ってご存知でしたか?
「確定拠出年金」を上手に使いこなすには?
会社が退職金制度の一部(ないし全部)として導入する企業型の確定拠出年金は、685万人の利用者があります(18年9月末時点)。これは会社員のほぼ5人に1人に相当します。
個人が任意に加入し自分のお金を積み立てて老後のお金を増やす仕組みである個人型の確定拠出年金(愛称はiDeCo[イデコ]という)の方も2018年8月末に100万人を突破しました。最新のデータでは104万人となっています(18年9月末時点)。
合計すると約800万人が確定拠出年金の口座を持っている、ということになります。
しかし、確定拠出年金の仕組みを上手に使いこなしている人と、そうでない人のあいだで、大きな「差」がついていることをご存じでしょうか。
確定拠出年金は、増やし方を自分で決められるしくみ
確定拠出年金では、自分好みの運用方法を選べます。
「一時的な値下がりはあるかもしれないが、長い時間をかけて増やしていきたい」と思う人は国内外の株式に投資をする投資信託を購入することで高い利回りを目指すことができます。
「いやいや、投資についてはまだよく分からないし」という人は、ひとまず定期預金等の安全性の高い商品を購入してみることもできます。「投資を始めてみたい」と思うようになったら、定期預金等から投資信託へのスイッチング(預替え)や、後から資産配分変更をすることもできます。
「投資には興味あるけれど、全部積極的に投資するのは……」という人も大丈夫。確定拠出年金では何本も商品を選んでもかまいませんし、割合も自由に組み合わせられますから「投資信託Aを50%、定期預金Bを50%購入する」あるいは「積極運用タイプCを20%、安定運用タイプDを80%」のような注文も行えます。
「自己責任」と言われると厳しいようですが、自分の好みに応じた運用ができるのは、時代に合った仕組みだと思います。
10人に4人くらいは「減ってはいないけど、減っている」かも
格付投資情報センターの発行する「年金情報」という専門誌によれば、95%くらいの人の運用は「プラス」で推移しているようです(2018年6月18日、770号)。過去5~6年の経済が国内も海外も好調であることから、投資をしてチャレンジした人のほとんどがうまくいっているようです。しかし、運用成績が「年0~1.0%」の範囲に収まる人が40%ほどいて、これは「定期預金100%」のように投資をしない選択肢を採った人だと考えられています。
「運用はプラス」とはいえ昨今の低金利環境ですから、利回りも低くなっています。確定拠出年金向けの定期預金がたとえ年0.1%の利回りをつけてくれたとしても(普通預金よりは高金利)、資産はほとんど増えていません。
株価が上がったり下がったりすることから投資が怖いと感じているのでしょうが、もしかすると物価の上昇に見合う値上がりにはなっていないかもしれません。
最近、納豆や小麦粉、お菓子などじわじわ値上げがされています。値上げされていなくても中身が減っていることもあり、これも実質的には値上げです。
長い目でみたとき、物価の値上がりと同じくらいは利回りを確保しておく必要があります。安全だと思っていたら「減ってはいないけど、実は減っている」ということになるかもしれないのです。
投資を一部、組み入れてみてはいかが?
運用結果がそれぞれの老後資産の形成につながります。
そして、運用方法は自分で決められますから「投資30%:定期預金70%」とか「投資信託50%:定期預金50%」のように投資を一部分だけ組み入れるという選択肢もあります。
投資が初めてという人は、まずは毎月の掛金の何割かを「投資信託」に振り向けてみてはどうでしょうか。定期預金等に残しておいた部分はマイナスにならないので、株価等が値下がりしたときのインパクトも小さくなりますし、株価等が値上がりしたときは資産全体の運用利回りは大きくなります。
投資の方法としても、確定拠出年金では「投資信託」を活用することで、負担を大きく軽減することができます。投資というと、毎日ニュースを見たり持ち株の価格をチェックするようなイメージがありますが、投資信託であれば「日本全体の経済」とか「世界中の経済」のようなものに毎月数百円とか数千円のような掛金で投資をすることができ、細かい売買は投資信託のファンドマネージャーにお任せできます。
「投資をしたら時間がなくなりそう」という心配も投資信託を活用すれば無用なのです。仕事にしっかり打ち込み、家族との時間を大切にしながら、投資を行うことができるのは投資信託のよいところです。
金融機関のサイトには投資を学ぶコンテンツがありますし、公的なコンテンツもたくさん用意されています。企業型確定拠出年金では社内で研修が開催されることも増えています。ぜひ投資に興味を持ってみて、自分の運用方法を見直してみてください。
長い目で見て経済の成長が実現したとき、「気がついたら老後のお金がしっかり増えていたなあ」ということになれば、こんなに嬉しいことはないですね。
提供:一般社団法人 投資信託協会
<関連サイト>
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一般社団法人 投資信託協会