田舎暮らし

失敗?成功?2つの移住タイプに学ぶ田舎暮らしの秘訣

地元集落か?別荘地か?田舎暮らしの成功と失敗は、どちらの移住地域の選ぶかで決まってしまいます。それぞれの特徴を比較しながら、あなたにぴったりの移住スタイルを探ってみましょう。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

地元のありのままを受け入れ集落に飛び込むか?移住者が集う別荘地に移り住むか?田舎暮らしの成功と失敗は、どちらの移住地域を選ぶかで決まってしまいます。田舎暮らしのための最初の一歩として、最も重要な選択。それぞれの特徴を比較しながら、あなたにぴったりの移住スタイルを探ってみましょう。
 

集落移住/焦らずじっくりと地元住民とのバリアを崩す

ゆっくり時間をかけて地元に溶け込む

ゆっくり時間をかけて地元に溶け込む


年寄りだらけの頑固なシニア社会、避けて通れない濃密な近所付き合い、公共サービスに見放された生活インフラ、虫たちが跋扈するシビアな自然、5~6年暮らしても未だ他所者(よそ者)扱い……集落移住のデメリット・イメージとして、およそこんな言葉が浮かび上がってきます。

最初から出鼻を挫くようですが、初めて飛び込む地域です。地元の人と環境のバリアを突破するのに、時間がかかるのは当たり前。自ら選んだ集落なんですから、そのリスクも丸ごと飲み込んで楽しんでしまおう!という覚悟が重要になってきます。
 

ガイドのおすすめは、ポジティブな「よそ者」としてのアプローチ

地元イベントに積極的に参加する

地元イベントに積極的に参加する


・集落のフレッシャーとして適当な距離を置きながら、冠婚葬祭などの村の慣習は押さえておく。
・共同作業や地元イベントには、状況が許す限り付き合う。
・寄り合い・酒席では、地元の慣習にとらわれない意見をヤンワリと述べてみる(元都会人としての控えめな提案ですね)。
・パソコン、英会話や焼きたてパン作りなど、街で培ってきたスキルで地元カルチャーに寄与する。

あなたの果敢なチャレンジ精神とgoing my wayが試されるのが、集落移住のスタイルです。

焦らずじっくり集落に溶けこめば、サプライズの連打が!玄関先に贈り主不明の泥付き野菜が、食べきれないからと釣った魚のお裾分けが、季節の山菜採りへのお誘いが……ある時期を境に、田舎の思いやりが怒濤のように押し寄せてくるはずです。
 

別荘地移住/同じライフスタイルのコミュニティに仲間入りする

寂しいシーズンもあることも心得ておく

寂しいシーズンもあることも心得ておく


シーズンオフは人の気配がまったく無くなりゴーストタウン化、管理費の支払いがズ~っと続く、人が少ないので防犯面が心配、標高が高い地域では冬季は道路が閉鎖される場合がある…… 別荘地域への移住デメリットといったら、こんなところでしょうか。

しかし田舎暮らしのベッタリとした付き合いが苦手な人にとって、気ままに暮らす上では別荘地の方が苦労がありません。うるさい周囲の目もない、隣近所の干渉も少ない、プライベートな時間を制約されることもない。都市生活の快適なコンディションはそのままで、四季を体感できる自然環境で田舎暮らしを実践したければ、別荘地移住は検討する価値があるのではないでしょうか。

やっとこさ掴み取った別荘地暮らしです。晴耕雨読の仙人のような暮らし方について、誰に文句を言われる筋合いはありませんが、長い目で見ると少々寂しい生活ではありますね。シーズンオフの人の気配がまったく無い、取り残されたような寂しさには勇気がいりそうです。
 

ガイドのおすすめは、新天地での新しいコミュニティ作り

仲間作りからスタートする

仲間作りからスタートする


・最初は、ご挨拶がてら隣り近所や別荘地周辺を巡り、都市部からの移住者に参加を呼びかける。
・「この土地に惚れ込んで移住した!」という共通の仲間意識を、新コミュニティづくりのバネにする。
・料理素材の共同購入→手作り料理パーティ→地元農家を講師にした野菜作り教室等々へ活動を進化・展開。
・共同のブログ・コミュニティサイトを立ち上げ、情報交換と地域らしさを発信。

都会生活にまだまだ未練がある人や、その地にファンになり移り住んでいる人が多い別荘地域。同好の士という連帯意識が後押しになり、隣近所との交流も促進されコミュニティが賑やかになるはずです。
 

集落か?別荘地か?決める前に先ずは行きつけの田舎を探し出そう

何度も足を運び地元の情報を集める

何度も足を運び地元の情報を集める


集落に移住するか?別荘地に移住するか?「移住するにはココしかない!」といきなり現地に駆け付けないで、まず候補地近くの観光地を訪ねてみましょう。そこをベースに周辺をブラブラしながら、ゆっくりとエリアを広げて地元のライブな情報を拾い集めていく。

バス停の時刻表をチェックする、野菜畑で立ち話する、田舎の食堂に飛び込む、赤いポストの郵便局から葉書を出す、山裾の一本杉を見上げる、里山の小川に足を入れる……時間が許す限り、何度も足を運ぶことが大切です。数回目でモチベーションが下がったら、あなたが暮らしたい田舎として不十分だということ。

行きつけの田舎に何度も通い、地元の人々の印象や生活のインフラなどが「Good!」だったら、そこは移住地の第一候補。残念ながら「Bad!」だったら、街に戻って次の行きつけの田舎を探せば良いんですから。次回こそ、あなたを待っている田舎に出会えるかもしれませんよ。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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