お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

34歳貯金160万、離婚して7年。一人で生きていくため貯蓄を増やしたい(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、7年前に離婚をし、一人で生きていくために現在貯蓄に励んでいる34歳の会社員女性。具体的な貯蓄法や投資の割合、保険の活用など、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 今は貯蓄が少なくても老後資金の心配なし

もっと貯蓄を、もしくは投資も含めた金融資産を増やすにはどうしたらいいか、というご相談ですが、過去の家計管理は別として現状、ボーナスがなく、賃貸住宅に住んで月8万円の貯蓄は十分に立派です。さらに、来年春に正社員に登用される可能性が高いということで、もし実現すれば、支出が増えない限り、貯蓄ペースが年間50万~60万円は上がります。

仮に年間150万円が定年まで続けば、投資商品の価格変動がないとして、3750万円。今ある金融商品と合わせて、約3900万円。そこに企業型確定拠出年金を加算すれば、用意できる老後資金は4000万円超となるはずです。今は貯蓄額が少ないと感じるでしょうが、将来についてはほぼ不安はないと言えます。
 

アドバイス2 企業型確定拠出年金にマッチング拠出してもいい

では、具体的にどう増やしていくべきか。もちろん、元本保証で確実に貯めるのもひとつの方法ですが、Kさんがすでに実践しているように、貯蓄の一部を運用に回すことはいいと思います。貯蓄と投資は同額ですが、予定時期の決まった支出もないようですし、今はその割合でもいいでしょう。
 
ただし、現在、投資信託を積立で購入されていますが、制度として「つみたてNISA」を有効活用した方がいいと思います。投資限度額は年間40万円ですが、大きなメリットである運用益等の非課税期間が20年間あり、長期投資に向いています。実際の投資は「つみたてNISA」用に選ばれた複数の投資信託(金融庁の基準をクリアした投資信託やETF。現在160本ほど)から選択する形になります。幅広く選べない反面、逆に数が絞れているため選びやすさもあると言えます。ただし、一般のNISA同様、損益通算はできません。
 
また、勤務先に企業型確定拠出年金(401k)にマッチング拠出(加入者が事業主の掛金に上乗せして拠出)していくのもひとつの方法。勤務先の掛金と同額まで掛けられる上、全額所得控除の対処となりますので、節税効果も高まります。
 

アドバイス3 副業より本業に専念するべき

気になる点としては、まず保険ですが、定期死亡保険は不要でしょう。独身のため、一般にはお金を遺す必要性がないからです。よく言う「お葬式代」は、貯蓄から捻出してもらえばいい。保険料は少額ですが、解約でいいと思います。

個人年金保険の加入もメリットはありません。Kさんはそもそも貯蓄ができる人ですし、予定利率も低いまま、今後20年、30年と掛けていくのはもったいない話です。
 
それと、貯蓄のために副業を考えているという点。私はおススメできません。十分に貯蓄ペースは高いですし、来年、正社員になり、その仕事を継続して、とくに転職する理由がなければ定年までは少なくとも勤務することが、今後のマネープランでもっとも優先すべきことです。無理に働いて本業がおろそかになったり、健康を害しては元も子もありません。ぜひ本業に専念してください。
 
加えて、これはFPの領域外かもしれませんが、長く元気に働くためにも、タバコは止めることが望ましいと思います。いろいろストレスもあり、その発散になっているとは思いますが、健康面では百害あって一利なし。老後も健康であるかどうかが、マネープランに大きく影響します。「一人で生きていく」ならなおさら、健康は大きな要素になるはず。支出から見ても、月1万円のタバコ代も定年まで続ければ計300万円。ぜひ検討してみてください。
 

相談者「K」さんから寄せられた感想

アドバイスありがとうございます。幸い、特に今の家計で我慢しているということも無いので、このままのペースで継続しようと思いました。また副業についても、再考し、まずは本業に力を入れて正社員で頑張ることを目標にします。タバコについても、すぐには難しいですが、さらに貯蓄を増やすために禁煙も頑張ってみます。本当にありがとうございました。


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武



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