「貯金が大事!」ということは、誰でも分かっています。両親からも「きちんとお金を貯めなさい」と教わった方が多いでしょうし、世間一般で知られている常識ですよね。
 
しかし、「貯金しましょう!」という人が多い一方で、「じゃあ、どうやって貯金すればよいのか?」という、具体的な方法にまで踏み込んで教えてくれる人はなかなかいません。
 
そこで今回は、科学的に正しい、効果実証済みの貯金テクニックをご紹介しましょう。このテクニックを使うことで、あなたの貯金はみるみる増えていくと思いますよ。
 

貯金テクニックその1:循環思考 

貯金テクニックの1つ目は、「人生は、同じことの繰り返しだ!」と考える循環思考というテクニックです。心理学者であり、マーケティング学の教授もしているLeona Tamらの研究(1)によると、循環思考を取り入れた人は、そうでない人と比べて、78%も多くのお金を貯金したのだとか。
 
平たく言えば、「人生は繰り返しだ!」「今日やることは、きっと明日も繰り返す!」「だから、今すぐ貯金の習慣を身に付けよう!」「逆に、無駄遣いの悪習慣を、いち早く止めよう!」と考えることが大切ってことですね。
 
ちなみに、循環思考は「スパイラル思考」とも呼ばれており、「人生は習慣の積み重ねだ」「人生は同じことの繰り返しだ」と考えることを指します。この反対は線形思考(リニア思考)と呼ばれていて、「人生は一本道だ!」という考え方のことを指します。
 
循環思考と線形思考。どちらも一長一短のある人生観ですが、少なくとも貯金を増やしたい方は、循環思考を取り入れてみるのがオススメです。
 

貯金テクニックその2:自動引き落とし

貯金テクニックの2つ目は、「自動引き落とし」というテクニックです。やることは単純で、「毎月、給料から定額を、貯金専用の口座へ引き落とす」というテクニックです。経済学者のナヴァ・アシュラフらの研究(2)によると、フィリピンの農村で「自動引き落とし」のような制度を組み入れた家庭は、そうでない家庭と比べて80%も多くお金を貯金したのだとか。
 
最近ではネット証券が自動引き落としを受付しています。無条件でお金を引き落とすことで、貯蓄の習慣を根付かせてしまおうという魂胆ですね。
 
ちなみに、この自動引き落としを使うときは、定期預金よりも、節税効果が期待できるつみたてNISAやiDeCoなどの制度を使う方がオトクだと思います。定期預金は大した利回りも期待できません。だから、その代わりに個人向け国債やら、インデックス投資に充てたいところですね。
 

貯金テクニックその3:目標を公開する 

貯金テクニックの3つ目は、「目標を公開する」というテクニックです。経済学者のフェリペ・キャストらの研究(3)によると、貯金目標を公表した人たちは、しなかった人たちと比べて65%も貯金額が多かったのだとか。
 
つまり、「他人の目を借りる」のが有効ということです。自分一人で目標を立てても、誰にも監視されなければ、達成できなかったときにも誰にも気づかれません。その結果、「まぁ、ちょっとくらい手を抜いてもよいかな」といった、妥協につながりがちです。
 
ですから、ストイックにお金を貯めようと考えている方は、家族やパートナー、同僚や友人などに、貯金目標を公開してみるとよいでしょう。できれば、自分に対してハッキリと物申してくれる人に監視してもらうのが理想です。
 
一人での貯金は難しかったとしても、協力者がいるだけで貯金のしやすさは段違いです。本気で貯蓄を考えている方は、周囲に呼びかけて、自分のことを監視してもらってみてはいかがでしょうか。
 

まとめ 

さいごに、これまでご紹介した3つの貯金テクニックをまとめます。
 
  1. 循環思考:「人生は同じことの繰り返しだ!」と考える(効果:1.78倍)
  2. 自動引き落とし:毎月、定額を貯金する仕組みを作る(効果:1.80倍)
  3. 目標を公開する:周囲の人に監視してもらう(効果:1.65倍)
 
大切なのは、これらのテクニックの組み合わせです。1つだけで満足するより、複数を組み合わせた方が、より多くの貯金ができると期待できます。
 
これらの3つテクニックをを同時に組み合わせてみると、単純な掛け合わせで「1.78倍 × 1.80倍 × 1.65倍 ≒ 5.3倍」も貯金が増える可能性だって期待できます。
 
こういったちょっとした工夫で、ぼくらの人生は大きく変化します。あなたも、今すぐ取り入れてみてはいかが?
 
 
●参考文献
 
  1. 論文:Leona Tam and Utpal Dholakia, 2013, "Saving in Cycles: How to Get People to Save More Money”, Psychological Science, 25(2), pp. 531-537
  2. ディスカッションペーパー:Nava Ashraf, Dean S. Karlan, and Wesley Yin, 2006, “Household Decision Making and Savings Impacts: Further Evidence from a Commitment Savings Product in the Philippines”, Yale University Evonomic Growth Center Discussion Paper, 939
  3. ディスカッションペーパー:Felipe Kast, Stephan Meier, and Dina Pomeranz, 2012, “Under-Savers Anonymous: Evidence on Self-Help Groups and Peer Pressure as a Savings Commitment Device" , IZA Discussion Paper No. 6311
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