分岐点その1:マイホームを買うべきか?
結婚を機に「家を買いたい!」と考える方は多いでしょう。ぼくも、考えました。結論から言いましょう。ぼくは、マイホームについては、「買わない方がよい」と考えています。宗氏の研究(2)によると、「どのような建物に住むか?」ではなく、「どのような地域に住むか?」が大切だと言います。自然災害の被害を受けづらい場所に住んでいる限り、基本は家のゴージャスさよりも、地域性を重視した方がよいと言えるでしょう。
彼の研究でもっとも興味深いのは、「借家ではなくマイホームを買っても、幸福度は高まらない」という点です。その点も考えると、「マイホームがよい!」というこだわりは、たいして幸福につながらないと思います。
分岐点その2:子づくりをすべきか?
「親ペナルティ」という言葉があります。これは、コラムニストの河崎氏が提唱した言葉です。ジェニファー・グラスらによると、子どもを持つと幸福度が下がるのだとか(1)。この一因としては、養育費によって金銭事情が緊迫することが考えられるでしょう。ただし、全体を通じた幸福感については、内閣府の調査(3)で反例も出ています。一人暮らしの高齢者を対象とした調査結果によると、子どものいる高齢者ほど、幸福感が高いのだとか。そう考えると、多少は経済事情が厳しくても、子どもをつくるべきなのかもしれません。
なんにせよ、金銭的に厳しい生活をしている方や、幸福感が低いと考えている方は、子どもを持つことにより、さらに状況が悪化する可能性が高いでしょう。ですから、どうしても子どもがほしい場合を除いて、一度考え直してみるのよいでしょう。
ちなみに、「できちゃった婚」は科学的に見ると幸福感が低いみたい(4)です。ですから、子どもが欲しい方は、きちんと手続きを踏んでから子どもをつくった方がいいでしょうね。
まとめ
ぼくが新婚だということもあり、今回は「新婚の人にこそ読んで欲しい記事」を書いてみました。もちろん、今回お伝えしたことは、新婚に限らず、個人にとっても大切な心構えをまとめています。社会に生きる以上、お金によって人生が振り回されます。大きなミスが重なれば、お金が原因で不幸になってしまうこともあるでしょう。そうならないためにも、この記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
【参考文献】
(1) 調査:Jennifer Glass, Robin Simon, and Matthew Anderson, 2016, “Social Policies, Parenthood, and Happiness in 22 Countries”, The Society Pages, https://thesocietypages.org/ccf/2016/07/27/happiness-gap/
(2) 論文:宗健, 2018, “主観的幸福度と住まいの関係”, リクルート住まい研究所
(3) 調査:内閣府, 2014, “一人暮らし高齢者に関する意識調査(平成26年度)”
(4) 調査:Galena K. Rhoades and Scott M. Stanley, 2014, “Before “I Do” What Do Premarital Experiences Have to Do with Marital Quality Among Today’s Young Adults?”, The National Marriage Project at the University of Virginia
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