直近で上場来高値を付けた、強い5銘柄をピックアップ
日本の株式市場が、日経平均で2万3000円の壁が厚くなっているのに対して、米国では主力指数であるS&P500やナスダック総合指数が直近で史上最高値を更新するなど、強い動きを見せています。特に、iPhoneのアップル、通販のアマゾンは時価総額が1兆ドル(111兆円)を超えました。日本の時価総額首位はトヨタの約24兆円ですので、すごさが違います。日本企業の中に強い銘柄を探すと、いくつかの上場来高値銘柄があります。規模は小さいですが、独自のビジネスモデルを構築し、投資家から正しい評価を受けている銘柄といえるでしょう。そこで今回は今年8~9月に上場来高値をつけている5銘柄をピックアップしてみました。
リクルートホールディングス <6098>
生活情報分野の販促・人材メディア、人材派遣、求人情報専門検索サイト「Indeed(インディード)」の3分野が収益の柱となっています。販促・メディアでは住宅関連の「SUUMO(スーモ)」、結婚関連の「ゼクシィ」、飲食店検索の「ホットペッパー グルメ」などが有名です。人材派遣では「リクルートスタッフィング」、「スタッフサービス」などを展開しています。特に拡大しているのがIndeedで、テクノロジーを駆使してグローバルで求人広告を始めとした人材採用に関するサービスを提供しています。今年5月9日に求人企業に対するレビュー(口コミ)や給与情報などに関する膨大なデータベースを保有する米Glassdoor(グラスドア)社を買収しました。Indeedとの相乗効果で、中期的にも利益の拡大が続く見通しです。株価は今年8月に上場来の高値をつけています。
エムスリー <2413>
医療従事者向け情報サイト「m3.com」を運営しています。サイト内の「MR君」で製薬会社の営業支援を展開しています。MRとは製薬会社の医療情報担当者(営業)のことですが、大学病院で働く医師は忙しく、MRが接触するのが困難です。そこで、家に帰ってパソコンで医薬品などの最新情報を閲覧できる仕組みを構築。日本で成功したビジネスモデルを欧米中などに展開し、世界の会員医師のネットワークが450万人に達しました。これを活かして、治験などの情報のやり取りなど他社がまねできないビジネスモデルを構築しています。19年3月期は売上高が前期比2割増、営業利益も15%増となる見通しです。9月に最高値を更新しました。
ユニ・チャーム <8113>
紙おむつや生理用品の大手です。日本でまず拡大し、販売網を中国から東南アジアなどに拡大してきました。まだ市場ができていない時期から進出し、マーケットを構築。ライバルが入ってきたときには既にシェアを抑えているという手法で成長しています。先進国にはより付加価値の高い商品を提供します。人口が多く所得が向上しているインドが黒字化し、これからの収益寄与が期待されます。9月に上場来高値を付けています。
花王 <4452>
トイレタリーで国内のトップメーカーです。化粧品でも大手です。原料からの一貫生産に強みがあります。最近ではスキンケア・ヘアケア、ヘルスケアに注力し、生活総合企業になりつつあります。景気に左右されない事業であるほか、インバウンド需要の取り込みにも期待が持てます。18年12月期も連続で過去最高益を更新する見通しです。9月に最高値を記録しています。
オービック <4684>
1968年の創業以来、自社開発・直接販売という自社一貫体制で、会計を機軸とした統合業務ソフトウエア「OBIC7シリーズ」のブラッシュアップを行ってきています。ERP(基幹システム)とクラウドを融合させた「OBIC7クラウドソリューション」も伸び、19年3月期は連続で営業最高益になる見通しです。特に関連会社との会計システムの連携機能など、クラウド関連の伸びが予想されます。クラウドを活用することで、顧客企業では業務の効率化が格段に進み、働き方改革にもつながるためです。やはり、9月に上場来高値を付けました。
※株式投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願いします。