ピッツバーグ大学のDidem Kurt氏による「信心深さと節約」に関する面白い研究(1)を見つけました。彼女によると、「信心深い人ほど衝動買いをせず、日用品に使うお金も節約する」のだとか。ここでの「信心深い」とは、宗教に熱心なことを指します。
 
日本人は無宗教な人が多いので、「こんな話は、どうでもよいのでは?」と感じる方もいるかも知れません。ですが、面白いのはここからです。この研究結果を活かすことで、貯金を増やすことができるかもしれません。
 

「信心深さ」を想像させるだけでも衝動買いが減った

人は何かしらのことを意思決定する直前に見たものや、想像したものによって、決定の内容が左右されます。たとえば、テレビで中華料理の特集を見ると、なぜか「中華を食べたい!」と感じてしまうようなものです。これは、行動経済学の用語で「プライミング効果」と呼ばれています(2)。
 
実は、このプライミング効果は、貯金にも役立てることができます。ここからが面白いところで、Didem Kurt氏によると、「信心深さ」を想像するだけでも、衝動買いが減ったというところです。
 
彼女はこの研究の考察として、「信心深さと質素倹約は似通っている部分があることから、結果的に節約につながったのではないか?」と結びました。
 

無宗教の日本人でも使える

このプライミング効果は、無宗教の日本人にも応用することができると思います。日本人にとってキリスト教やイスラム教は、やや馴染みがないので、仏教を例にとって考えると節約の効果が高まりやすいと思います。
 
仏教といえば、お坊さんですよね。
 
だから、「信心深さ」を想像することが節約につながるということなので、何か衝動買いをしそうになったら、「お坊さんの姿や言動、日頃の生活を想像してみる」といったことをしてみることで、衝動買いを防ぐことができそうです。
 
もっと極端な話をするのであれば、買い物に行くときは「手の甲にお坊さんの絵を書いておく」「スマホの待受画面をお坊さんにする」「お坊さんのイラストを書いた紙を財布に忍ばせる」といった工夫でも、衝動買いを防げそうですね。
 
さらに、インターネットで衝動買いをしてしまう方などは、PCやスマホの背景画像をお坊さんにするとよいかもしれません。
 

お坊さんでなくても、「お寺の写真を見る」「仏像を眺める」なども有効?

もちろん、ここでは例として「お坊さん」を取り上げましたが、別にお坊さんに固執する必要はありません。「質素倹約」「信心深さ」といったものが想起できればよいので、「お寺の写真を見る」「仏像を眺める」といったことでも、効果が表れると思います。失礼のない範囲で、上手に習慣に取り入れてみたいものですね。
 
 
●参考文献
(1)   論文:Didem Kurt, J. Jeffrey Inman and Francesca Gino, 2018, “Religious shoppers spend less money”, Journal of Experimental Social Psychology, 78, pp. 116-124
(2)   書籍:渋谷昌三, 2009, 『面白いほどよくわかる!心理学の本』, 西東社

 
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