少しでも高利回りを得たい人に注目の商品
日本銀行は「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と題して、量的・質的金融緩和政策の内容を微修正しました。その1つに「長短金利操作」における上下の金利幅を±0.1%から±0.2%程度へと2倍に広げました。2倍に広げたことで早速8月募集の個人向け国債(変動10年)の利率が年0.09%に上昇しました。住宅ローン金利はその影響が9月以降に出てくると思われますが、残念ながら預貯金金利にはその影響が及んでいないようです。冬のボーナスキャンペーン(特別金利)に望みをかけたいところですが、同キャンペーンが始まるのは数ヵ月先です。預貯金金利で少しでも高利回りを得たければ、インターネット専業銀行か地方銀行のインターネット支店を利用するしかありません。
それらの銀行の定期預金を利用したとしても、得られる金利は年0.20%~0.30%が関の山。近年では年0.40%以上の金利収入を得るのはかなり難しくなっているのが現状です。そんな中、随時募集で注目を集めているのがオリックス銀行の「eダイレクト金銭信託」です。
eダイレクト金銭信託に新たな貸付先登場
「eダイレクト金銭信託」とはオリックス銀行のオリジナル金融商品。顧客から集められた資金を、オリックス銀行が厳選した上場企業1社への貸付金で運用されます。貸付先は、オリックス銀行に利息・元本を返済し、オリックス銀行は信託約款にもとづき、顧客に収益金の配当および元本の償還を行います。これまで「ソフトバンクグループ株式会社」を貸付先とする「eダイレクト金銭信託」が募集されており、現在も2018年9月14日まで「ソフトバンクグループ株式会社第22号」が募集されています。募集中のものを含め信託期間はいずれも1年。予定配当率は年0.30%~0.50%の高利回りで、現在募集中のものは年0.48%となっています。同商品、第1号から第15号までは予定配当率で償還されています。
そんな「eダイレクト金銭信託」に新たな貸付先として「株式会社プレサンスコーポーレーション」が加わることになりました。同社は業暦21年のマンション開発業者で、都市中心部におけるファミリーマンション、ワンルームマンションの企画・開発・分譲・賃貸および建物管理/ホテル開発・販売を行っています。
eダイレクト金銭信託「株式会社プレサンスコーポーレーション第1号」は、9月18日から募集が開始されます。信託期間はソフトバンクグループと同様1年ですが、予定配当率は年0.65%の高利回り。加えて、同金銭信託を購入した人全員に、購入金額100万円あたり現金500円がプレゼントされます。現金プレゼントを含めた実質利回りは年0.70%になるのです。
改めて商品内容を記しておくと、申込単位は100万円以上100万円単位、予定配当率は年0.65%、信託期間は1年、募集期間は2018年9月18日(0:00)~2018年10月19日(12:00)となっています。ただし、申込総額が募集予定額に達すると、募集期間中であっても申し込みが終了となる場合があります。
「eダイレクト金銭信託」の注意点とは
かなりの高利回り商品と言えますが注意点も以下に列挙しておきましょう。原則として中途解約を行うことはできません。申込手数料および中途解約手数料はかかりません。eダイレクト金銭信託は、元本および収益金の保証は行われていません。したがって、主な運用対象で貸付先に破産等の債務不履行が発生した場合、当該貸付金の元利金が弁済されず、貸付先に対する債権を貸付元本残高以下の価額以下で売却せざるを得ないことがあります。
この場合、信託設定時に提示した予定配当率に基づく収益金の配当ができない可能性のほか、信託元本にも損失を被る可能性があるとのことです。
以上のことを踏まえたうえで、検討するようにしましょう。