PCの梅雨・夏場対策のポイント(1)
前ページであげたチェックポイントがなぜ「改善を要する」ことにつながるのか、述べてみます。・PC内部の温度を上げない
PCのケース内には、CPU や HDD を中心に、ビデオカードや制御チップなど、いくつもの「熱源」が存在します。とくに、CPU は高速化によって一昔前の数倍の熱を発するようになっていますので、ケース内の温度が外気温よりも10度以上高いことも珍しくありません。
ところが、内蔵 HDDが動作保証されているのは通常 50度ぐらいまでです。エアコンなしには室温が30度を超える夏場に、直射日光の当たる場所でPCを使用すれば、この動作保証温度は簡単に超えてしまいます。ただでさえ、日本で人気のある省スペース・薄型機は、内部空間が狭く、熱がこもりやすい構造になっていますので、注意が必要です。
薄型ケースでなくとも、内蔵式の DVD や HDD ドライブを増設している場合は、ドライブ本体やケーブルが内部の空気の流れをさまたげやすくなります。ケーブルはまとめてたばねるなどして、可能な限り空間を確保しましょう。また、HDD の増設の際は、2枚重ねを避けます。
また、CPU 冷却ファンにほこりがたまると、ファンの回転数が落ちて冷却力が弱くなります。そうすると、CPU の温度が上昇し、PCの挙動が不安定になります。ただし、CPU ファンの掃除や交換には細心の注意が必要です。
最近では、水冷式の CPU ファンが人気です。これは、冷却効果も高く、ファンが汚れる心配がないのは利点です。しかし、国産メーカーのPCの場合、NEC の VALUESTAR TX のように、あらかじめ水冷式となっている機種以外では、ケースの大きさの関係などで、取りつけられない場合がほとんどです。
・排気に気をつける
上面や側面の通風口をしっかり確保します |
ケースに空いているすき間をふさいだり、近くに本や CD などを積み上げて気流をさまたげることは、PC内の温度を上げることにつながります。絶対に避けましょう。また、PCのそばでタバコを吸うと、内部にヤニが付着して冷却性能を下げかねないだけでなく、回路に異常を生じさせることもあります。PCそばでのタバコも厳禁です。
背面には、大事なファンや空気取り入れ穴があります |
ほこりがたまっていたら、掃除機で吸い出したり綿棒で取り除きます。PCの裏側にも、注意を怠らないことは大事です(写真ではPCの背面に CPU ファンが見えますが、このような機種はまれです。通常はケースを開けないと見えません)。
電源ファンや排気ファン、あるいは CPU ファンに異常が起きると、回転音が大きくなったり、ムラが出るようになります。音が気になったら、ファンがきちんと回転しているか、チェックしてみてください。電源や CPU ファンの交換は不可能ではありませんが、修理に出した方が無難です(とくにメーカー製PCの場合)。
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