犬にピーナッツ(落花生)を与えても大丈夫?
犬にピーナッツ・落花生を食べさせても大丈夫?
<目次>
犬にピーナッツは控えておいた方が無難
食べさせるなら、柔らかく茹でてよくつぶしたものを
塩をはじめとする調味料を使わずに茹でたもの殻から取り出してつぶし、ごく少量であれば犬に与えても大丈夫です。ただ、成分の約50%が脂質であることや不溶性食物繊維も多いことから消化不良や下痢になる可能性もあります。抗酸化作用のあるビタミンEが含まれていますが、かぼちゃやオリーブオイルなど他の食材からも摂ることができるので、わざわざ犬に与える必要もない食材です。
インターネットでピーナッツの致死量が書かれていることがありますが、今のところ正確なデータは存在していないようです。
ミックスナッツ、ピーナッツチョコ、ピーナッツバターなどは犬にNG
ピーナッツを使った人間用のお菓子は、犬には避けて
ピーナッツチョコレートは、チョコレートの成分によって命を落とす危険もあります。チョコレートを取り除いても犬に食べさせていいことにはならないので、注意してください。
また、インターネットでも閲覧できる海外の手作り犬おやつレシピや、販売されている犬のおやつの一部にピーナッツバターが使われていることがあります。日本で売られているピーナッツバターは基本的に砂糖や油脂が添加されているので、あまりおすすめできません。
ピーナッツを主原料にしている沖縄名産のジーマーミ豆腐は、でんぷんでとろみがついていたり、味付けがされている商品が多いので犬に食べさせることはやめておいた方が安心です。
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ピーナッツの食べすぎで、膵炎になる可能性も!
犬の病気によってはピーナッツを食べさせない方がいいことも
「ピーナッツに含まれる脂肪の多くが一価不飽和脂肪酸の一種、オレイン酸とされています。
オレイン酸はオリーブオイルや大豆などにも含まれる成分で、決して犬の体に悪い物ではありませんが、食べすぎると膵炎の原因となる可能性があります。
膵臓は脂肪の消化に関わる臓器で、体内に脂肪分が入ってくると消化酵素を分泌し、吸収されやすい形に分解していきます。そのため、脂肪分の過剰摂取によって膵炎を起こしてしまうおそれがあります。脂肪を制限するよう指導されている犬や、すでに膵炎を起こしている犬には特に注意してください。
ピーナッツと相性のよくない犬の薬は今のところありませんが、積極的に摂りたい栄養成分を含む食材ではないので、無理に食べさせなくても良いでしょう。
ピーナッツのマグネシウムによって、尿路結石を引き起こしたり悪化させるということがインターネットなどで言われていることがあります。ですが、ピーナッツに含まれるマグネシウムの量がそこまで多くないことと、毎日大量に食べさせるものではないのであまり気にしないで大丈夫です。
また、小型犬がピーナッツを丸飲みしてしまった場合、食道や腸に詰まる可能性がありますので、十分気を付けてください。
マメ、ヨモギ、シラカバに対してアレルギーを持っている場合、交差反応(※)を示すことがあります。与える際には十分気を付けてください。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
犬にピーナッツを食べさせても大丈夫?まとめ
- ピーナッツは犬に毒ではないけれど、積極的に食べさせる必要がない食材
- 与える時は柔らかく茹でてつぶす
- 脂肪が多いので、食べすぎは膵炎を引き起こす可能性がある
- 小型犬がピーナッツを丸飲みすると、食道や腸に詰まる可能性があるので注意する
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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