IPAとはどんなビール? 特徴とは?
■IPA(インディアペールエール)はホップが大量に使われているビール
ビールの原材料は、水、麦芽、そしてホップですが、どうしてビールにはホップが入っているか、ご存知でしょうか? 元々、ホップは防腐剤として使われたものですが、最近はその特徴から防腐ではない目的で大量に使われているビールが増えています。それがインディアペールエール、略してIPA(アイピーエー)です。
■IPAの特徴は高いアルコール度数・ホップ由来のフルーティーな香りと苦味
アメリカのクラフトビールブームに貢献したIPAは、銘柄の名前ではなく数多くあるビアスタイルのひとつです。ホップを大量に使い、アルコール度数は高めで、ホップ由来のフルーティーな香りと苦味が特徴です。なぜIPAというビアスタイルが生まれたのか、それは大航海時代にさかのぼります。
IPAの歴史:はじまりは大航海時代
大航海時代、水分と栄養補給のために船にはビール(エール)が積まれていました。ただ、スペインやポルトガルからアフリカ大陸を超え、インドまで向かう間には赤道直下を2回超えねばならず、そんな環境でも腐らないビールが必要でした。そんなわけでたくさんの防腐剤(ホップ)を使ったビールが造られ、そのビールは「インドまで飲めるビール」、インディアペールエールと名付けられたのです。ただ、現在飲むことができる多くのIPAは当時のものとは違います。当時は防腐が目的でホップを使っていましたが、現在のIPAはアメリカのクラフトビールブームに端を発したもので、アメリカンIPAとも呼ばれます。アメリカンIPAは、ホップのフルーティーな香りやどっしりとした苦味を楽しむエクストリームなビールが大半です。
IPAの魅力:とにかく苦い! 香りがすごい!
苦味を数値で表すIBU(International Bitterness Units 国際苦味単位)というものがあります。日本の大手メーカーのビール、例えばアサヒ スーパードライやキリン 一番搾りのIBUは15~20程度となっていますが、多くのアメリカンIPAのIBUは50以上と、数値的にとても苦いことがわかると思います。さらにアメリカンホップの特徴であるフルーティー、フローラルな香りが前面に出ていて、香りだけ嗅ぐと柑橘系のお酒かと思うほどのものもあります。
これらの特徴もあって、ハンバーガーやフライドチキン等の油分の多いアメリカンフードとの相性が抜群のビールとなっています。
アメリカンIPA初心者にオススメなビール
現在、IPAは日本のコンビニエンスストア等でも手に入れることができますので、入手しやすいものからぜひ飲んでいただきたいものまで、いくつかご紹介します。
■キリンビール グランドキリン IPA
年間を通してスーパーやコンビニ、また通販などでも買うことができるキリンビールのIPAです。大手メーカーの商品だけあって、270円前後と手に取りやすい価格になっています。一番搾りと飲み比べてみれば、その違いがわかりやすいと思います。
■サントリー TOKYO CRAFT〈I.P.A.〉
サントリーからもIPAが発売されます。こちらは季節限定商品ということで、2018年は9月4日から店頭に並ぶそうです。キリンビールのIPAと、大手メーカーのIPAを飲み比べてみても面白いかもしれません。
■Stone Brewing Stone IPA
アメリカ・サンディエゴのストーンブルーイングを世界に知らしめたフラグシップビールがStone IPAです。ロゴのガーゴイルと同様に、どっしりと存在感のある苦味と香りが美味しいビールです。アメリカンIPA好きで飲んだことがない人はいないであろうIPAなので、マストアイテムとしてぜひ。
■志賀高原ビール 其の十
あなたもホップヘッドになるかも?
いかがでしたでしょうか? IPAが好きになると「もっと苦いものを!」とどんどんハマっていく人が多いです。アメリカではIPA等のホップの特徴が強いビールを愛する人のことをホップヘッド(ホップ脳)と呼びます。まだIPAを飲んだことがない人も、今回紹介したIPAを試してみることで数カ月後には立派なホップヘッドになっているかもしれません。まずは一歩を踏み出して、いや、1本飲んでみていただければと思います。
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