ロイヤルブルーとはどんな色?イギリス王室の公式カラーとしても有名
ロイヤルブルーとは、イギリス王室の公式カラーのこと。高貴な雰囲気が感じられます
日本で販売されている衣料品などにも、ロイヤルブルーという色名が見られますが、具体的にどんな色をさすのでしょうか? ネイビーなどの似た色との違いをふまえつつ、見ていきましょう!
色見本帳における「ロイヤルブルー」の説明とは
上図は、DICカラーガイドやパントンカラーなどの色見本帳や参考書籍から、ロイヤルブルーに関連する記述をまとめたものです。詳細は下記のとおり、左から順に説明します。■ロイヤルブルー(royal blue)
【参考】ロイヤルブルーは英国王室のいわゆるオフィシャルカラーに由来する濃い紫みの青。王室を象徴する色として使われる。英国国旗ユニオンジャックに使われる青もロイヤルブルーだという。
『日本の色世界の色 写真でひもとく487色の名前』(永田泰弘著/2010年/ナツメ社)
1957年に制定された、JIS規格「物体色の色名」の269色の中に、ロイヤルブルーはありません。1957年の日本では、あまり馴染みのない色名だったのかもしれません。ロイヤルブルーのような濃い紫みの青を示す色名には、瑠璃色、瑠璃紺、群青色、ウルトラマリンブルー、オリエンタルブルーがあります。
■DIC-N799(日本の伝統色)紺青(こんじょう)
【参考】群青と同じく藍銅鉱から採る鉱物顔料につけられた色名で、それにより一般に濃い青色を言うようになった。豪華な感じのする青で、西欧王朝のシンボルカラーにロイヤルブルー(royal blue)の名がある。
DIC デジタルカラーガイド
※藍銅鉱(らんどうこう、アズライトのこと、ブルー・マラカイトと呼ばれることも)
DIC日本の伝統色の初版は、1968年に刊行されました。紺青の解説にロイヤルブルーという色名が登場します。
■PANTONE 19-3955 TCX Royal Blue(ロイヤルブルー)
上2つと若干の違いはありますが、濃い紫みの青のことをロイヤルブルーと呼んでいます。
■ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図から見ると…… 上図は、ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図で示したものです。ロイヤルブルーとは、鮮やかな紫みの青にほんの少し黒を混ぜたような色。暗いけれど、華やかなイメージを与える色です。
ロイヤルブルーとネイビーの違いって?
ロイヤルブルーとよく似た色に、ネイビーがあります。上図は、DICカラーガイドやパントンカラーなどの色見本帳や参考書籍から、ネイビーブルーに関する色をまとめたものです。詳細は下記のとおり。■JIS 慣用色名 ネイビーブルー(navy blue)
【参考】ネイビーとか英語で海軍のこと。ネイビーブルーはイギリス海軍の制服の色に由来する暗い紫みの青。単にネイビーといっても通じる。
『日本の色世界の色 写真でひもとく487色の名前』(永田泰弘著/2010年/ナツメ社)
1957年に制定された、JIS規格「物体色の色名」の269色の中に、ロイヤルブルーはありませんが、紺色、鉄紺、紺藍、ネイビーブルーはあります。
■DIC-N899(日本の伝統色)紺色(こんいろ)
【参考】藍染めのごく濃い色をいう。藍染めの専門家を紺屋(こうや)と言ったことから、染め屋をみな紺屋というほどに、紺の名はポピュラーとなった。英名にネイビーブルー(navy blue)があり、これも紺色に相当する。(9月誕生色)
DIC デジタルカラーガイド
■PANTONE 19-3832 TCX Navy Blue
ロイヤルブルーと同じように、上2つと若干の違いはありますが、暗い紫みの青のことをネイビーブルーと呼んでいます。
■ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図から見ると……
上図は、ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図で示したものです。ロイヤルブルーと色相は同じですが、ネイビーブルーの方が明度と彩度が低いという違いがあります。ロイヤルブルーに比べると、ネイビーブルーは暗い、地味、硬い、重いという心理的効果が強くなります。
■ロイヤルブルーとネイビーの違い・まとめ
ロイヤルブルーとネイビーブルーはどちらも"紫みの青"ですが、ロイヤルブルーは"濃い"、ネイビーブルーは"暗い"という違いがあります。
ロイヤルブルーをコーデに取り入れるコツ
■ロイヤルブルーをスーツやネクタイに取り入れるロイヤルブルーはビジネスシーンでも好感度の高い色。ネクタイで取り入れるのがおすすめです(画像はAmazonより:http://amzn.asia/226E0Nk)
青は老若男女に愛される色ですが、女性は明るく優しい青を好む人が多く、男性は濃く暗い青を好む傾向があります。ロイヤルブルーは、メンズファッションにも取り入れやすい色です。
ロイヤルブルーは濃く深みはあるけれど鮮やかなので、スーツの色としては派手な部類に入ります。ネクタイで取り入れるのが一般的かもしれません。
■ロイヤルブルーをセーターやニットに取り入れる ロイヤルブルーは、故ダイアナ妃やキャサリン妃のように、スーツやワンピースの印象が強いかもしれません。セーターやニットでロイヤルブルーを取り入れても素敵です。チャールズ皇太子やウィリアム王子の着こなしが参考になるでしょう。
上図は、ロイヤルブルーのセーターとダークインディゴのデニムのコーデ。青系の組み合わせに、白いTシャツを入れてメリハリをつけています。このような色づかいを「セパレーションカラー」と呼びます(※セパレーションカラーの技法や効果は、後述します)。 上図のように、ロイヤルブルーはブラウン系とも好相性です。寒色系の青と暖色系のブラウンは補色の関係なので、お互いの色みを引き立てます。
ロイヤルブルーに合う色・合わない色
ロイヤルブルーと合うかどうかは、配色次第です。低明度、高彩度のロイヤルブルーをセンスよく着こなすために、効果的な配色技法をお教えします。■セパレーションカラー
セパレーションとは、「分離させる」「引き離す」といった意味で、接し合う色と色との間に、セパレーションカラー(分離色)を1色挿入することによって調和をはかる技法です。セパレーションカラーは、主に無彩色が用いられます。
セパレーションカラーは、次の2つのケースで効果を発揮します。
- あいまいな印象を与える、ごく似かよった色同士の配色
- 高彩度同士で視覚的に刺激が強すぎる配色、色相やトーン差が大きいコントラスト配色
■アクセントカラー(配色に焦点を与える)
アクセントとは、「強調する」「引き立たせる」「目立たせる」といった意味で、単調な配色に色相やトーンが対照的な色を少量加えることで、配色に焦点を与える技法です。平凡な配色に個性を与える方法でもあります。アクセントカラーは、主に高彩度の色が用いられます。 上図は、ロイヤルブルーとグレーブルーの暗く単調な配色に、色相差・明度差の大きいイエローグリーンをアクセントカラーにした配色例です。強調点を加えることによって、個性的な配色となっています。 高彩度のロイヤルブルーは、アクセントカラーとしても効果を発揮します。上図は、色相差・明度差の小さいオレンジとイエローの組み合わせに、色相差・明度差の大きいロイヤルブルーをアクセントカラーに用いた配色例です。
■ドミナントカラー配色(色相によるドミナント)
多色配色に統一感を与えるために、同一色相や類似色相で全体を整える方法です。 上図は、寒色系の高彩度のトーンを組み合わせた配色例。全体にクールなイメージを表現するのに適しています。
■ドミナントトーン配色(トーンによるドミナント)
配色全体のトーンを統一することによって、イメージに共通性を与える方法です。 上図は、ディープトーンを組み合わせた配色例。全体に濃く深いイメージを表現するのに適しています。
ロイヤルブルーに合う色もあれば、合わない色もあります。合わないと感じたときは、「セパレーションカラー」や「アクセントカラー」を取り入れてみましょう。新しい調和が生まれ、ロイヤルブルーのおしゃれに着こなすことができるでしょう。
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