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ロイヤルブルーとはどんな色? 合う色やコーデのコツとは

ロイヤルブルーとは、濃い紫みの青のこと。英国王室の公式カラーなので、ウィリアム王子やキャサリン妃などのお召しものでご覧になったことがあるかもしれません。ネイビーなどの似た色との違いなどをふまえつつ、合う色やおしゃれに着こなすヒントをお教えします。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

ロイヤルブルーとはどんな色?イギリス王室の公式カラーとしても有名

ロイヤルブルーとはどんな色? 合う色やコーデのコツとは

ロイヤルブルーとは、イギリス王室の公式カラーのこと。高貴な雰囲気が感じられます

ロイヤルブルーとは、イギリス王室の公式カラーのこと。エリザベス女王、チャールズ皇太子、故ダイアナ妃、ウィリアム王子、キャサリン妃などのお召し物で、この色をご覧になったことがあるでしょう。濃い青で、わずかに紫みを帯びているせいか、どこか高貴な雰囲気が感じられます。

日本で販売されている衣料品などにも、ロイヤルブルーという色名が見られますが、具体的にどんな色をさすのでしょうか? ネイビーなどの似た色との違いをふまえつつ、見ていきましょう!
 
<目次>
 

色見本帳における「ロイヤルブルー」の説明とは

色見本に掲載されているロイヤルブルーの例

色見本に掲載されているロイヤルブルーの例

上図は、DICカラーガイドやパントンカラーなどの色見本帳や参考書籍から、ロイヤルブルーに関連する記述をまとめたものです。詳細は下記のとおり、左から順に説明します。

■ロイヤルブルー(royal blue)

ロイヤルブルーは英国王室のいわゆるオフィシャルカラーに由来する濃い紫みの青。王室を象徴する色として使われる。英国国旗ユニオンジャックに使われる青もロイヤルブルーだという。

【参考】
『日本の色世界の色 写真でひもとく487色の名前』(永田泰弘著/2010年/ナツメ社)

1957年に制定された、JIS規格「物体色の色名」の269色の中に、ロイヤルブルーはありません。1957年の日本では、あまり馴染みのない色名だったのかもしれません。ロイヤルブルーのような濃い紫みの青を示す色名には、瑠璃色、瑠璃紺、群青色、ウルトラマリンブルー、オリエンタルブルーがあります。

■DIC-N799(日本の伝統色)紺青(こんじょう)

群青と同じく藍銅鉱から採る鉱物顔料につけられた色名で、それにより一般に濃い青色を言うようになった。豪華な感じのする青で、西欧王朝のシンボルカラーにロイヤルブルー(royal blue)の名がある。

【参考】
DIC デジタルカラーガイド
※藍銅鉱(らんどうこう、アズライトのこと、ブルー・マラカイトと呼ばれることも)

DIC日本の伝統色の初版は、1968年に刊行されました。紺青の解説にロイヤルブルーという色名が登場します。

■PANTONE 19-3955 TCX Royal Blue(ロイヤルブルー)
上2つと若干の違いはありますが、濃い紫みの青のことをロイヤルブルーと呼んでいます。

■ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図から見ると……
ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図で示すと?

ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図で示すと?

上図は、ロイヤルブルー(濃い紫みの青)を色相環とトーン図で示したものです。ロイヤルブルーとは、鮮やかな紫みの青にほんの少し黒を混ぜたような色。暗いけれど、華やかなイメージを与える色です。
 

ロイヤルブルーとネイビーの違いって?

ネイビーブルーは、JIS慣用色名やDIC、PANTONEの色見本帳に掲載されています

ネイビーブルーは、JIS慣用色名やDIC、PANTONEの色見本帳に掲載されています

ロイヤルブルーとよく似た色に、ネイビーがあります。上図は、DICカラーガイドやパントンカラーなどの色見本帳や参考書籍から、ネイビーブルーに関する色をまとめたものです。詳細は下記のとおり。

■JIS 慣用色名 ネイビーブルー(navy blue)

ネイビーとか英語で海軍のこと。ネイビーブルーはイギリス海軍の制服の色に由来する暗い紫みの青。単にネイビーといっても通じる。

【参考】
『日本の色世界の色 写真でひもとく487色の名前』(永田泰弘著/2010年/ナツメ社)

1957年に制定された、JIS規格「物体色の色名」の269色の中に、ロイヤルブルーはありませんが、紺色、鉄紺、紺藍、ネイビーブルーはあります。

■DIC-N899(日本の伝統色)紺色(こんいろ)

藍染めのごく濃い色をいう。藍染めの専門家を紺屋(こうや)と言ったことから、染め屋をみな紺屋というほどに、紺の名はポピュラーとなった。英名にネイビーブルー(navy blue)があり、これも紺色に相当する。(9月誕生色)

【参考】
DIC デジタルカラーガイド

■PANTONE 19-3832 TCX Navy Blue
ロイヤルブルーと同じように、上2つと若干の違いはありますが、暗い紫みの青のことをネイビーブルーと呼んでいます。

■ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図から見ると……
ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図で示すと?

ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図で示すと?


上図は、ネイビーブルー(暗い紫みの青)を色相環とトーン図で示したものです。ロイヤルブルーと色相は同じですが、ネイビーブルーの方が明度と彩度が低いという違いがあります。ロイヤルブルーに比べると、ネイビーブルーは暗い、地味、硬い、重いという心理的効果が強くなります。

■ロイヤルブルーとネイビーの違い・まとめ

ロイヤルブルーとネイビーブルーはどちらも"紫みの青"ですが、ロイヤルブルーは"濃い"、ネイビーブルーは"暗い"という違いがあります。
 

ロイヤルブルーをコーデに取り入れるコツ

■ロイヤルブルーをスーツやネクタイに取り入れる
ロイヤルブルーはビジネスシーンでも好感度の高い色。ネクタイで取り入れるのがおすすめです

ロイヤルブルーはビジネスシーンでも好感度の高い色。ネクタイで取り入れるのがおすすめです(画像はAmazonより:http://amzn.asia/226E0Nk


青は老若男女に愛される色ですが、女性は明るく優しい青を好む人が多く、男性は濃く暗い青を好む傾向があります。ロイヤルブルーは、メンズファッションにも取り入れやすい色です。

ロイヤルブルーは濃く深みはあるけれど鮮やかなので、スーツの色としては派手な部類に入ります。ネクタイで取り入れるのが一般的かもしれません。

■ロイヤルブルーをセーターやニットに取り入れる
「セパレーションカラー」を取り入れた、ロイヤルブルーのコーデ

「セパレーションカラー」を取り入れた、ロイヤルブルーのコーデ (画像はAmazonより)

ロイヤルブルーは、故ダイアナ妃やキャサリン妃のように、スーツやワンピースの印象が強いかもしれません。セーターやニットでロイヤルブルーを取り入れても素敵です。チャールズ皇太子やウィリアム王子の着こなしが参考になるでしょう。

上図は、ロイヤルブルーのセーターとダークインディゴのデニムのコーデ。青系の組み合わせに、白いTシャツを入れてメリハリをつけています。このような色づかいを「セパレーションカラー」と呼びます(※セパレーションカラーの技法や効果は、後述します)。
ロイヤルブルーのセーターとブラウンのスカートのコーデ

ロイヤルブルーのセーターとブラウンのスカートのコーデ(画像はAmazonより)

上図のように、ロイヤルブルーはブラウン系とも好相性です。寒色系の青と暖色系のブラウンは補色の関係なので、お互いの色みを引き立てます。
 

ロイヤルブルーに合う色・合わない色

ロイヤルブルーと合うかどうかは、配色次第です。低明度、高彩度のロイヤルブルーをセンスよく着こなすために、効果的な配色技法をお教えします。

■セパレーションカラー
セパレーションとは、「分離させる」「引き離す」といった意味で、接し合う色と色との間に、セパレーションカラー(分離色)を1色挿入することによって調和をはかる技法です。セパレーションカラーは、主に無彩色が用いられます。

セパレーションカラーは、次の2つのケースで効果を発揮します。
  • あいまいな印象を与える、ごく似かよった色同士の配色
  • 高彩度同士で視覚的に刺激が強すぎる配色、色相やトーン差が大きいコントラスト配色
あいまいな配色にライトグレーを「セパレーションカラー」として取り入れた例

あいまいな配色にライトグレーを「セパレーションカラー」として取り入れた例

上図は、ロイヤルブルーとダークグリーンの色相差・明度差の小さいあいまいな配色を、ライトグレーで分離し、調和をはかった配色例です。
視覚的に刺激が強すぎる配色に白を「セパレーションカラー」として取り入れた例

視覚的に刺激が強すぎる配色に白を「セパレーションカラー」として取り入れた例

上図は、高彩度で補色の関係にあるロイヤルブルーとイエローの配色を、白で分離し、視覚的な刺激の強さを和らげた配色例です。

■アクセントカラー(配色に焦点を与える)
アクセントとは、「強調する」「引き立たせる」「目立たせる」といった意味で、単調な配色に色相やトーンが対照的な色を少量加えることで、配色に焦点を与える技法です。平凡な配色に個性を与える方法でもあります。アクセントカラーは、主に高彩度の色が用いられます。
暗く単調な配色に「アクセントカラー」のイエローグリーンを取り入れた例

暗く単調な配色に「アクセントカラー」のイエローグリーンを取り入れた例

上図は、ロイヤルブルーとグレーブルーの暗く単調な配色に、色相差・明度差の大きいイエローグリーンをアクセントカラーにした配色例です。強調点を加えることによって、個性的な配色となっています。
明るい暖色系同士の配色に「アクセントカラー」としてロイヤルブルーを取り入れた例

明るい暖色系同士の配色に「アクセントカラー」としてロイヤルブルーを取り入れた例

高彩度のロイヤルブルーは、アクセントカラーとしても効果を発揮します。上図は、色相差・明度差の小さいオレンジとイエローの組み合わせに、色相差・明度差の大きいロイヤルブルーをアクセントカラーに用いた配色例です。

■ドミナントカラー配色(色相によるドミナント)
多色配色に統一感を与えるために、同一色相や類似色相で全体を整える方法です。
寒色系の色相で統一感を演出した「ドミナントカラー配色」の例

寒色系の色相で統一感を演出した「ドミナントカラー配色」の例

上図は、寒色系の高彩度のトーンを組み合わせた配色例。全体にクールなイメージを表現するのに適しています。

■ドミナントトーン配色(トーンによるドミナント)
配色全体のトーンを統一することによって、イメージに共通性を与える方法です。
ディープトーンで統一感を演出した「ドミナントトーン配色」の例

ディープトーンで統一感を演出した「ドミナントトーン配色」の例

上図は、ディープトーンを組み合わせた配色例。全体に濃く深いイメージを表現するのに適しています。

ロイヤルブルーに合う色もあれば、合わない色もあります。合わないと感じたときは、「セパレーションカラー」や「アクセントカラー」を取り入れてみましょう。新しい調和が生まれ、ロイヤルブルーのおしゃれに着こなすことができるでしょう。

【ガイドからお知らせ】
ガイドの最新情報は、TwitterFacebookページガイドnoteをご覧ください。

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