実は簡単!浴衣・着物の基本のたたみ方「本たたみ」
浴衣・着物は直線裁ちでできているため、キチンとたためば、スッキリと四角くコンパクトにたためます。たたみ方も着物の種類によっていろいろありますが、今回は一番基本的な「本たたみ」を紹介します。浴衣・着物をたたむ前の準備
着物をたたむ時はまず、周りのものを片つけ、広げるスペースを作ります。これができるかどうかで、綺麗にたためるかが決まると言っても過言ではありません。床で行うので、ほこりや汚れがつくのを防ぐため、着物用の衣裳敷きや清潔な布を敷いておこないましょう。また、たたむ前には、着物を清潔にしておきましょう。着物は脱いだ後、1~2時間は衣桁(いこう)や衣紋掛け(いもんかけ/着物用ハンガー)にかけ、風を通して湿気を取っておきます。
浴衣・着物のたたみ方
まず、衿の付いている方をご自身から見て左側にし、全体を広げます。自身の手前側にある「下前身頃」を脇の縫い目から山折りにします。この時、できれば縫い目を少し外した方が傷みにくいのですが、折りにくいならば、縫い目に沿っても構いません。ちなみに、自身から遠い方にあるのが「上前身頃」です。
前見頃を縦半分に、手前側へ折り返します。着物の場合、衽(袵/おくみ。前身頃の裏に縫い付けてある長細い布)を目印に折り返しましょう。
折り返したところに、「上前見頃」の衽(おくみ)を重ねます。
着物の端(衿先、褄先)もきちんと揃えて重ね合わせます。
背中側の後見頃の中央を縫い合わせた縫い目を「背縫い」と言います。こちらを折り目にして、上前身頃の脇と下前身頃の脇を揃えるよう、手前側に重ね合わせます。
上半身の方を整えるため、下半身側の方を小さくまとめるために、2~3等分して折っておきます。
続いて上半身をたたみます。首の後ろに触れる部分「衿肩明(えりかたあき)」に綺麗に折り目が付くよう、横に広げて図のように中側に折りたたみます(分かりにくい場合、動画参照)。
広げたところを手前に折って、左右の衿を合わせるようにして重ねます。
自身から見ておく側の上前袖を、自身から見て手前にある下前の袖に折り、いったん重ねます。
今度は、上前袖を谷折りして、袖つけから折り返します。
ここで、小さくたたんでおいた下半身側の身頃を、半分の2つ折りにします。この時、衿先を折らないように気をつけましょう。
そのまま、くずさないように裏返します。
下前袖も、上前袖と同じように折り返せば完成です!
浴衣・着物のたたみ方を動画でチェック
たたんだ浴衣・着物を保管する時の注意点
横についた折り目は、着物を着た時にあまり美しく見えません。保管するスペースの大きさによって、身頃をある程度の大きさに折らなくてはいけない場合にも、袖丈をを折らないように気を付けましょう。折り目正しく!浴衣・着物をたたむことの大切さ
自分の着たものをたたむと言うのは、私達が生活する上での基本です。でも、実は、着物をたたむと言う作業は、実はそれ以上に意味のある事なのです。着物のたたみ目は、着物を着た時にもその跡が残って、折り目ひとつひとつが着姿の大切な要素となっていきます。逆に、雑にたたんでしまうと、余計なところに折り目が付いてしまい、その美しさが半減することにもなりかねません。どんなにきれいに着付けをしても、着物自体に変な折り目がついていたら、素敵な着姿が台無しですよね。
ですから、角と角をキチンと合わせ、ひとつひとつの工程を丁寧に……まさに「折り目正しく」なるようにたたんでいきましょう!