12月本決算企業は6月に中間配当を
行うケースが多く、配当取りのチャンス!
6月末が接近してきました。決算といえば3月期が圧倒的に多いのですが、近年、12月期本決算(6月第2四半期)の銘柄が増加傾向です。12月期の本決算企業は6月末にいわゆる「中間配当」を行なうケースが多く、配当取りのチャンスとなります。
世界で競う企業は12月決算で6月に中間配当を行うことが多い!?
従来、3月期決算だった企業が、12月期に移行するケースが増加しています。これは米国を始めとする海外では、12月期決算がスタンダードであることが要因です。世界で活躍する日本企業にとっては、12月期決算にすることで、ライバルとの数字の比較がしやすくなります。株主にとっても12月期である方がメリットが大きいといえます。3月期決算企業が多いのは、官公庁の予算編成や税制改正が4月スタート(年度重視)になっているためです。現在でも3月期決算企業が全体の6割超を占めていますが、報道によれば2017年は12月期決算企業が419社となり、全体の1割を超えたそうです。
主な12月期決算企業を上げるとキリンホールディングス <2503> 、クボタ <6326> 、ユニ・チャーム <8113> 、花王 <4452> 、資生堂 <4911> などがあります。トヨタ自動車、ダイキン工業、ソニーなどは国際的に活躍していますが、3月本決算企業です。
そこで、今回は、12月本決算で6月期末に配当がある、高利回り銘柄を取り上げてみます。比較的著名で、相対的に利回りの高い銘柄をピックアップします。6月期末の配当を取るためには、26日までに購入することが必要です。また、27日以降の権利落ち日以降では、配当分よりも株価が下がるリスクがあります。減配のリスクもあります。
日本たばこ産業(JT) <2914>
たばこが事業の中核です。国内では喫煙人口が減少傾向ですが、海外企業のM&Aで事業を拡大しています。食品や医薬品も手がけています。年間配当は150円、上期は75円配当の方針です。株価3000円で、配当利回りは5%になります。6月・12月末に100株以上保有の株主には、1000円相当の自社製品がもらえる優待制度があります。業績は鈍化傾向です。
キヤノン <7751>
カメラや事務機器の大手で、一眼レフカメラのシェアは5割を超えています。半導体や液晶製造用の露光装置にも展開しています。2018年12月期の年間配当金は未定としていますが、前期実績は年160円。今期も同等の金額が見込まれます。半分とすれば、6月末は80円。株価4000円で、配当利回りは4%となる計算です。今期は複合機などが伸びる見通しです。
ブリヂストン <5108>
タイヤの世界トップメーカーです。米ファイアストンなどを買収し、規模を拡大しています。北米でSUV向けタイヤが拡大、利益率高い鉱山用タイヤも増加の見通しです。年間配当は160円(中間配当は80円)の方針。年間配当は前期比10円の増配となります。株価4500円で、利回りは3.5%超となります。
ヤマハ発動機 <7272>
オートバイの世界大手です。新興国の所得が上がり、需要が増加しています。採算のいい船舶が稼ぎ頭で、チップマウンター(実装機)やロボットも展開しています。船外機や高級ボートが拡大し、2018年12月期は営業最高益の見通しです。年間配当は90円(6月期末は45円)の方針です。株価3000円で配当利回りは3%となります。
DIC <4631>
インキで世界首位です。海外企業の買収に積極的。樹脂や電子材料も展開しています。年間配当金は125円(6月末は60円)の方針です。配当利回り3.5%は株価で3571円です。2018年12月期はコンパウンドなどが伸び、増収増益を見込んでいます。