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コスパ最強のビッグスクーターG-Dink250iインプレ

キムコ社製のバイクは、これまで輸入業者が販売していましたが、その際に人気になっていたのがグランドディンク250です。現在のラインナップにはグランドディンク250のDNAを受け継ぐG-Dink250iがラインナップされています。G-Dink250iは先代グランドディンク250の魅力を受け継いでいるのか?都内の通勤で一週間試乗してインプレッションします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

輸入車ながら人気だったグランドディンク250の後継機『G-Dink250i』

G-Dink250iフロントビュー

G-Dink250iフロントビュー


2015年12月、台湾のバイクメーカーであるキムコが、日本でのカスタマーサービスを向上させるために、子会社『キムコジャパン』を設立しました。それまでは輸入業者がキムコ車両を販売していましたが、その際に人気のモデルだったのがグランドディンク250です。250ccながら車体が小さく、国産のビッグスクーターにはなかったフラットフロアを採用しているのが最大の特徴。軽快な走りと価格が比較的安価であったことも人気の理由の一つでした。しかし当時は輸入業者が販売していたこともあり、故障した際にパーツを手配しても届くのが遅いなど輸入車ならではの問題もありました。

現在キムコジャパンが販売する車両の中にはグランドディンクのDNAを受け継ぐ車両がラインナップされています。それが今回紹介するG-Dink250iです。先代のグランドディンク250と比べるとフロント周りのデザインなどは大きく変更されていますが、特徴的なフラットフロアはそのまま引き継がれています。

国産の250ccクラスビッグスクーターはほとんど試乗経験のあるガイドが、G-Dink250iを都内の通勤で試乗してインプレッションします。

G-Dink250iの収納スペース容量はどうか?

G-Dink250iシート下ラゲッジスペース

G-Dink250iシート下ラゲッジスペース


ビッグスクーターの魅力の一つとして積載量の多さがあげられます。先代のグランドディンク250は250ccながらコンパクトな車体が魅力の一つでしたが、G-Dink250はフロント周りのボリュームが増しているもののリア周りは相変らず比較的コンパクト。それに伴いシート下の容量は国産のビッグスクーターに比べて小さい印象です。それなりに深さがあるのでフルフェイスヘルメットがしっかりと納まりますが、追加でレインウエアを入れたら一杯になりそうな積載量です。

250ccビッグスクーターでは唯一フラットフロアを採用している

250ccビッグスクーターでは唯一フラットフロアを採用している


しかし、G-Dink250iはフラットフロアを採用しているのでフロア部分に荷物を積載することが可能です。特に便利なのがコンビニフック。国産バイクに装備されるコンビニフックの最大積載量は1kg未満が多いですが、G-Dink250iに装備されているコンビニフックはなんと3kgまで積載可能です。帰りにコンビニで晩酌用のおかずとビールを買っても全てコンビニフックにかけることができます。

さらに、ハンドル左下にはグローブボックスが備わっています。コンビニなど帰りがけに寄り道する際、一時的にグローブを入れておくのに便利です。

まさかのダブル電源ソケット装備

スマートフォンの地図アプリをナビの代わりにする場合、スマートフォンのバッテリーの減りが早いのが難点。そんなときに車体についていると便利なのがUSBチャージャーやシガーソケットなどの電源です。

最近では、電源がついていないバイクでも後付電源を装着するユーザーが増えていることもあってか、新しいバイクにはUSBチャージャーやシガーソケットがあらかじめ搭載されることが多いのですが、大抵はどちらか片方となります。

しかし、G-Dink250iはグローブボックス内にUSBチャージャー、ハンドル下にはシガーソケット電源を備えています。グローブボックス内でスマートフォンを充電しつつ、バイク用ナビゲーションシステムをシガーソケットから電源をとって使用するなど複数のガジェットを同時に使うことができるのは便利です。

ハンドル下にはシガーソケット電源

ハンドル下にはシガーソケット電源
 

グローブボックスundefinedUSBチャージャー

グローブボックス内のUSBチャージャー


ただしグローブボックス内は走行中は振動でゆれるので、そのままスマホをいれると破損する可能性があります。走行中にスマホを充電したいなら緩衝材を入れるなど対策が必要でしょう。

ABSは標準装備。足つき性は良好

リアブレーキにも2ポッドキャリパー

リアブレーキにも2ポッドキャリパー


ブレーキをかけた際にロックしてしまうのを緩和してくれるABSは標準装備となっています。G-Dink250iはフロント/リアブレーキの両方に制動能力が高い2ポッドキャリパーを採用しているのでABS付は歓迎したいところです。ビッグスクーターは一般的なロードバイクと比べてもリアブレーキの効きが良い車種が多いですが、G-Dink250iのリアブレーキの制動力もなかなかのもの。コーナリング中の速度調整でリアブレーキをかけてみたら思いのほかにしっかりと効いて驚きました。

シート高は780mm。シート形状も前側が絞り込まれるなど足つき性に配慮されているので、跨った際に股が広がってしまうこともなく足つき性は良好といえます。
リアサスペンションはプリロード調整機構付

リアサスペンションはプリロード調整機構付

リアサスペンションは初期の沈み込み量を調整するプリロード調整機構が備わっているのですが、出荷時のセッティングが一番柔らかいセッティングになっています。そのためプリロード調整でシート高を更に下げることはできませんでした。

エンジンはすこぶる元気!足回りも若干硬めなスポーティーセッティング

早速走り出してみると見た目が大きいわりにかなりキビキビ走ります。特に走り出しから80km/hぐらいまではパワー感があり軽快さが際立ちます。100km/hの巡航でも余裕がありますが、100km/hからの加速は若干鈍くなる印象です。G-Dink250iは下道での走り出しから法定速度ぐらいまでの加速の良さが最大の魅力といえますが、150ccクラススクーターと比べて100km/h巡航のパワーに余裕があるのも魅力の一つでしょう。

リアサスペンションのプリロードが最も柔らかいセッティングとなっている点ですが、大きな違和感はないレベルなものの、前後共に若干固めな印象があります。折角プリロード調整機構が備わっているなら、もう少し柔らかいセッティングに変えられるようになっていると良いかもしれません。

驚愕の価格設定

国産車で最新のビッグスクーターといえばヤマハのXMAXですが、価格は64万2600円(税込み)。2018年7月20日に発売予定のホンダの新型FORZAの価格は64万6920円(税込み)なので、国産ビッグスクーターの相場は64万円前後ということになります。

しかしキムコのG-Dink250iの価格はなんと43万2000円(税込み)です。もちろんXMAXやFORZAの方が装備は豪華といえますし、エンジンのスペックなどを見てもXMAXやFORZAの方が優れています。

FORZAはリリース前なのでわかりませんが、XMAXは燃費面でも優れていましたし、探せばG-Dink250iよりも優れている点はいくらでも見つかるでしょう。ですがなんと言っても価格差は20万円以上です。

本気でスポーティーな走りをするのはちょっと厳しいですが、街中であればライバルと比べても遜色ない走りを見せてくれますし、この価格でこれだけの走行性能と装備を備えたスクーターを販売しているのは驚きです。手軽な街中の足を求めているなら価格、走行性能共に文句なしでオススメできる一台です。

G-Dink250i関連リンク
 

G-Dink250iのエンジン音やマフラー音はこちら
ヤマハ XMAXの試乗インプレッションはこちら

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