過去10年間で都立高校は最少志望者数に

都立日比谷高校などの難関校の人気は依然として高止まりしています。

都立日比谷高校などの難関校の人気は依然として高止まりしています。

2018年度の高校入試を振り返ってみます。

大きなトピックスとしては、都立全日制一般入試の不合格者数が1万745名まで急減しました。

都立高校の実倍率は男子1.36倍/女子1.40倍となり、これは9年前にリーマンショックが高校入試に影響し始める以来の低水準です。

受験生における都立志望者の割合
【男子】2017年度68.3%→2018年度65.8%、【女子】2017年度74.2%→2018年度70.8%と男女いずれも低下しています。

私立・国立高校が志望者増

一方で、受験生における国立・私立の志望者数は2017年度1万6214人→2018年度1万7749人と1535人増加し、過去10年間で最多となりました。

受験生における私立志望者の割合も、【男子】2017年度22.7%→2018年度25.0%、【女子】2017年度18.7%→2018年度21.0%と上昇しています。

私立の中でも大学付属校は最多志望者数

私立の中でも、大学付属校の人気が高まっています。
  • 応募者が増えた大学付属校ランキング(2017年→2018年)
  1. 東洋大京北 240名→401名(167%)
  2. 日大豊山女子 62名→91名(147%)
  3. 日大鶴ケ丘 403名→584名(145%)
  4. 日大第一 215名→292名(136%)
  5. 明大中野八王子 430名→583名(136%)
  6. 法政大学 344名→458名(133%)
  7. 日大第三 145名→185名(128%)
  8. 明学東村山 205名→255名(124%)
  9. 中大附属 569名→680名(120%)
  10. 学習院 132名→157名(119%)

都立減・私立増の要因は私立の無償化と大学入試改革

上記のような都立減、私立増の要因としては、「私立高校の授業料無償化」が挙げられます。また、なかなか詳細が決まらない大学入試改革への不安から、私立の大学付属校への志向が高まったことも考えられます。

ただ、全体としては難関校を中心に都立の人気は依然として高い水準にあります。特に戸山、青山,三田、文京、北園、豊多摩は200名以上の不合格者が出て、新宿は297名もの不合格者が出ました。

不登校の増加で、通信制高校への進学者が急増中

都立減、私立増の要因として、私立高校の授業料無償化を挙げましたが、「都立私立を合わせた全日制志望者の割合がそもそも低下している」というデータもあります。

全日制志望率は91.72%(男子91.29%、女子92.18%)と、今までで最も低い数値となっています。この要因として「公立中学校の不登校生の増加」が考えられています。

不登校生数は5年前の2013年度は約7000人だったのが、2018年度では約9,000人とみられています。この人数は今春卒業した人数の約4.4%にあたります。

公立中学卒業者の進路状況調査によると、通信制高校への進学者は2014年度1160人に対して2017年度では2166人と1000人以上急増しています。

2018年にお茶の水に新キャンパスを設ける予定のN高校(角川ドワンゴ運営)のような新しい形態の学校も話題になっています。既存の学校形態になじめずに不登校となる生徒は増加傾向です。

都立は推薦受検者も減少、平均倍率は6年ぶりに2倍台に

2018年度の都立高校の推薦入試の募集人員は合計9008人と、2017年度入試とほぼ同数で、都立高校全体の募集の約22%を占めています。

応募者数は2万5061人(男子1万1218人、女子1万3843人)で、2017年度から2213人(男子849人、女子1364人)減りました。

全日制の推薦入試平均倍率は3.47倍だった2014年度入試以降4年連続で低下し、6年ぶりに2倍台の2.78倍となりました。

文化・スポーツ等即別推薦も96校、297種目の995人の募集に対して1948人が応募して倍率は1.96倍、7年ぶりに倍率1倍台に下がりました。

ただし、このトレンドをもとに来春、都立高校の推薦入試を受検しようと考える受験生は早計かもしれません。

人気校の推薦入試倍率は依然高止まりしたままだからです。

【男子】小岩5.86倍、広尾4.65倍、城東4.59倍、
【女子】三田6.00倍、竹早5.86倍、国立、青山5.67倍

他にも【単位制の新宿】6.16倍、【総合芸術の舞台表現】6.67倍、【国際】4.95倍など、推薦とは名ばかりの狭き門です。

都立高校の入試問題グループ作成一部廃止、独自作成復活の影響は限定的

2018年度の都立高校一般入試では、進学指導重点校が共通問題とは別にグループごとに問題を作成する「グループ作成問題」が廃止されました。2014年以来の「グループ作成問題」の代わりに、それ以前の「独自作成問題」を復活させたのです。

これによって、日比谷や西をはじめとする最難関校の入試問題が難しくなるのではないか、と塾関係者、受験生の間で話題になりました。

しかし、2018年度の独自入試は懸念されていたほどの難化はなく、記述問題も2017年度入試以前のグループ作成問題と大差ありませんでした。

ちなみに中高一貫校の白鴎、両国、富士、大泉、武蔵はこれまで同様にグループ作成問題となっています。


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